REDSエージェント、宅建士の成田です。過去イチ、すさまじい囲い込みにあいました。

私の仕事は囲い込みと戦うことではなく、不動産売買に関してお客様の希望をかなえて差し上げることなのですが、いつもいつもこうした壁に阻まれることが多くて「本当に同じ業界の人間なんだろうか」と首をかしげることばかりです。

今回、囲い込みをしたのは財閥系中堅大手でした。大手ほど囲い込むって本当です。

※囲い込みについてはこちらの記事をご覧ください。
■不動産売却で、高く売るならどっち？　「専任媒介」「一般媒介」

（写真はイメージです）

囲い込みについて簡単に解説します。

不動産会社が物件の売却依頼を受け、他社が連れてきた買主に売却できても、仲介手数料は売主からしかもらえません。一方、自ら買主を見つけた場合は、売主だけでなく買主からも仲介手数料がもらえます。これを「両手仲介」といい、ひとつの売買契約で収益が2倍になるため、不動産会社にとっては魅力的です。

そのため、不動産会社の多くが「両手仲介」を目指して自社の力のみで売買を成立させることにこだわります。その結果、不動産会社は以下のような行動に走りがちです。

・物件情報を他社に流さない
・物件情報をレインズに登録しない
・登録はしても、他社からの問い合わせには「商談中」や「図面作成中」などと言い、実際には取り扱わせない

こういった自社以外での物件の取り扱いを拒否する販売活動を「囲い込み」といいます。

やっかいなのが3番目で、「商談中」「図面作成中」などと嘘をつくことですが、今回、私が担当したお客様（買主様）のために連絡した中堅大手の対応は、いやがらせといえるほどひどいものでした。

まず、2か月前から買主様を募集しているのに、物件の販売図面を作成していないと言うのです。まあREDSならありえません。やっと内見のアポを取り付け、物件の書類を事前に送ってほしいと言っても「書類は当日持参する」の一点張り。案内当日も担当者本人は来ず、質問に何も答えられない営業マンを立ち会わせてきました。案内後も図面を送ってくることはありませんでした。

買主様はリフォームをご希望で、もう一度、物件を見学したいと申し出たところ、「担当者は長期休暇で10日間案内できない」。物件に売主様は住んでおらず、すでに空室だったから立ち会う人は誰でもいいと再三頼むも拒否。「10日後に担当者の予定を予約しましょうか？」と薄笑いすら浮かべる始末でした。完全にこちらを見下して、嫌な思いをさせ、とにかく他社が連れてきた買主様に買わせたくないという意思が透けて見えました。過去私が体験した中では最悪な囲い込みでした。

私では完全にお手上げになったので、お客様に「ご自身で直接問い合わせてみていただけますか」と進言し、やってみたら、「10日後」というのはどこかに吹っ飛び、即案内すると言ってきました。お客様もずいぶん不動産業界に不信感を抱かれたことでしょう。このような会社の営業マンとの取引は、私もしたくありません。

気の毒なのは、その不動産会社が全力で自宅を売ってくれると信じて媒介契約を結んだ売主様です。空室にして2か月以上も空いているのに、他社には必要書類も出さず、囲い込んでいるなんて、ご存じないのでしょう。

囲い込みは多々ありますが、今回はひどすぎました。現在他社様で売却をしているお客様。どうぞお気をつけください。このようなことはREDSでは絶対にありません。