『正直不動産』宅建士のプロはこう見る!SHOJIKI-FUDOSAN

  • 公開日:2024年1月9日

『正直不動産2』ドラマ第1話最速レビュー|憧れのタワーマンション、虚栄心よりも大切にしたいもの

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第1話が2024年1月9日(火)夜10時に放映されました。
 
山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。

 

(不動産のリアル編集部)

 

マンションの階段

(写真はイメージです)

 

『正直不動産』お約束のタワマン夢落ちシーンから

 

都心のきらびやかな夜景。タワーマンションの一室で、バスローブを着た永瀬が夜景を見下ろしています。寝室から若い女性が永瀬を呼びます。永瀬が「こっちで飲もう」と返事しますが、女性はなぜか何度も永瀬に来るよう急かします。

 

「いいから早くせんか!」
その声は突然、男性の声に変わり、永瀬は目覚めます。目の前には炎が燃え上がり、永瀬は護摩行の装束姿。

 

前シリーズで、客の土地にあった古い石碑と小さな祠(ほこら)を破壊してしまって以来、ここぞというタイミングで風が吹いてきては、正直に本音を口走ってしまうようになった永瀬。このたたりをはらうため、護摩行をすることにしたようです。

 

ところが「この風、分かります? お坊さんなら見えますよね! 分かんないの? 御仏に仕える身のくせに? 超テキトー!」と言ってしまい、護摩行が不発に終わったところでいよいよ『正直不動産2』が幕を開けます。

 

新キャラ登場、大地主の新課長代理&元ミネルヴァのZ世代&元登坂のNo.1

 

登坂不動産には前週のスペシャルで大地主のマダム(演:大地真央)からねじ込まれたZ世代の十影健人(演:板垣瑞生)が永瀬や月下咲良(演:福原遥)に口答えしています。大河部長(演:長谷川忍)もあきれ顔ながら、マダム人脈なだけに手が出せないようです。

 

そこに登坂社長(演:草刈正雄)が藤原結弦(演:馬場徹)を伴って現れます。藤原は大地主で、永瀬と同じ課長代理のポジションでヘッドハンティングしたそうです。

 

一方のミネルヴァ不動産にも新顔が。前週の『スペシャル』の最後に出てきたホームレスの神木涼真(演:ディーン・フジオカ)です。鵤社長(演:高橋克典)は「かつて登坂不動産でナンバーワンを取り続けていた」と紹介。元登坂を社員に招き入れる鵤の感覚には一同首をかしげるばかりです。

 

タワマン購入希望の家族にメリットとデメリットを伝える

 

タワーマンションの購入を希望する歯科医の田口篤司、妻の友梨佳、息子の櫂の家族が登坂不動産を訪ねてきました。櫂が名門私立小学校に編入するのを機に、タワマンに住み替えたいというのです。友梨佳は迷っているようですが……。

 

永瀬は「最高ですよ、あの眺め。普通のマンションでは得られない満足感があります。そしてなんと言ってもタワマンに住むというステータス」とメリットを並べますが、さっそく風が吹き始め、デメリットを語り始めます。

 

永瀬が語ったタワマンのデメリットは以下の6点です。

 

●通常のマンションより柱や梁がより太くなるので同じ70㎡でも有効面積は小さくなる
●朝はエレベーターが大渋滞する
●高層階では景観と安全の両面からベランダに洗濯物が干せない場合もある
●耐震性の問題も心配
●戸数が膨大で人間関係が複雑になりトラブルが起きやすい
●想定していた修繕積立金では足りず100万円超えの追加徴収も

 

夫婦は不安になりますが、永瀬は「(これでいい。最初にデメリットを挙げ、それを上回るメリットを伝える。それが正直営業だ)」とメリット強調に移ります。

 

●毎日が高級ホテルにいる感覚で、まさに夢の空間。日当たりはよく、夜景もロマンティック
●上層階ほど虫が少なく、タワマンによっては24時間ゴミが出せる
●コンシェルジュが常駐しセキュリティも完璧
●展望ラウンジやパーティールーム、フィットネスやスパ、サウナ、1階には24時間営業のスーパーも
●節税対策になるのはもちろん、値崩れがしにくい

 

効果はてきめんで、田口夫妻は喜んで購入を決めました。現実のタワマン購入の場面で、営業マンがこのようにデメリットも伝えるかどうか、タワマン購入に興味のある方は注意したいものです。

 

永瀬が語る不動産営業マン・神木のすさまじさ

 

武蔵小杉のタワマンで内見を控えた田口一家。永瀬らが目を離した隙に、神木が田口一家に接近してきて名刺を切り、階数を尋ねます。

 

神木「ああ、それだと花火が見えないなあ」
櫂「花火?」
神木「毎年夏に多摩川で花火大会があるんですが、20階だと、ギリギリ見えないんですよ」
櫂「ママ、花火見たい!」
神木「ちなみに弊社は40階、34階、25階の物件を担当してるんですが」
友梨佳「あの、ここって耐震性とかどうなんですか?」
神木「ご安心ください。耐震性を含め、安全性など不安点は全て解消されています」
夫妻「そうですね」
神木「最新の居住空間であるタワマンが最も住みやすいのは当然ですから。そう思いませんか?」

 

永瀬は、会話の最後に問いかけをつけ、相手に考える隙を与えない会話のテクニックに気づきます。「久しぶりだな、永瀬」。神木からこう切り出され、続いて田口からも「今日、内見やめてもいいですか? こちらの不動産屋さんの話も聞いてみたくて」と言われます。神木に客を横取りされてしまいました。

 

顔をじっと見る永瀬に「口角挙上手術で口角を上向きにして、下眼瞼下制術で切開、目を垂れ目にした。営業は笑顔が命だからな」と衝撃の事実を明かす神木。差し出すミネルヴァ不動産の名刺。驚く月下に永瀬は「昔、登坂不動産にいた神木さんだ。常にナンバーワンを取り続けた、俺の師匠だ」と明かします。

 

前週の『スペシャル』で明かされたように、永瀬はかつて同級生に家を売りました。成績で神木に勝ったのはこのときだけで、その翌日、神木は登坂不動産を退職したそうです。

 

オフィスに戻り、永瀬は神木から教わったことを述懐します。

 

「お客様には何度も会いに行け。人は会う回数が多いほど親近感を抱く」
「必ず手土産を忘れるな。人は何かをもらうとお返しをしなくてはという心理が働く」
「価格の選択肢が3つあると人は中間のものを選びやすい」
「人は根源的に周りと同じことをしたいと思っている、みんながやっているというのを殺し文句として使え」
「男は見栄っ張りが多く、妻の要望をかなえてあげたいと思うもの。男の虚栄心をくすぐれ」
「気持ちが浮ついている間に一気に契約まで決める」

 

この言葉どおり、神木は田口夫妻を高級ケーキ持参で訪れ、価格が異なる3つの部屋を紹介しつつ、購入申込書にサインさせてしまいました。

 

初回からミネルヴァに乗り込む永瀬! 「あなた、タワマンに住んではいけません」

 

タワマン購入を決めた田口家では幸せムードが漂う中、友梨佳は不安そうにしています。住み替えは「売り先行」、つまり今の自宅を売った資金で新居を買う予定でいたのに、売却のめどがついていないのに、先に新居を買ってしまったからです。自宅は8,000万円で売却を想定、1億円のタワマンを購入したので2,000万円のローンを組む予定でしたが、自宅が売れないことにはその計画も絵に描いた餅になります。

 

友梨佳は夫と息子の目を盗んで永瀬に電話し、不安な気持ちを伝えます。翌日、永瀬はインターホンを押したところ、出てきたのはなんと神木でした。どうやら神木はアポなしで訪問。友梨佳は不安を全て話し、全部解消したというのです。

 

「うちのお客様を横取りするなんて」と憤る月下に「だったら奪い返せばいい」と言い返す神木。永瀬はずっと考え事をしているのか反論しません。そして月下を伴い、どこかに向かいました。

 

その夕方、ミネルヴァ不動産で田口夫妻はいよいよ売買契約を結ぼうとしています。署名捺印の寸前、永瀬が飛び込んできました。「田口さん、あなた、タワマンに住んではいけません」。さらに友梨佳に向かって「段差を上がるとき、わずかに右足をかばうように見えました。一昨年、交通事故にお遭いになったんですよね」とぶつけました。

 

守るべきは男の虚栄心ではなく家族!

 

そこに月下が息子の櫂を伴って現れます。「櫂君、お母さんの足のこと、すごく心配してるんですよ。もしあんな高いマンションでエレベーターが止まったら、ママ、上り下りが大変だって」。永瀬は「あなたが守らなければいけないのは虚栄心などではなく、家族じゃないんですか?」とたたみかけました。

 

永瀬はさらに「自宅は先に売れたのか」と指摘すると、痛いところを突かれたのか神木は「無関係な登坂が口をはさむな」といらだちを見せます。「そんなことはきちんと説明してある」と言うと「いえ、まだ私は説明を受けていません」と友梨佳に即座に突っ込まれました。自宅で友梨佳に説明したのも、きっと言葉巧みに丸め込んだのでしょう。

 

最後に、神木が永瀬に声をかけます。

 

神木「忘れたか? お前は嘘をついても俺に勝てなかった。嘘もつかずに勝てるとでも思っているのか?」
永瀬「勝ちますよ、必ず。私は嘘がつけない人間ですから」
神木「だったら覚悟しておけ。お前から全てを奪ってやる」

 

不気味に微笑む神木。今後も壮絶なバトルが続きそうです。

 

最後に前シリーズのキーマンが現れて波乱の予感

 

結局、田口夫妻は自宅を7,900万円で売却し、タワマンではなく低層マンションを8,300万円で購入したそうです。仲介はミネルヴァのままでした。客を横取りされた登坂不動産の完全敗北です。

 

ただ、友梨佳は友人からミネルヴァを紹介してほしいという友人に対し、「もっと紹介したい営業マンがいるんだ、その人、すごく誠実で正直な人なの、登坂不動産の永瀬さんっていうんだけどね」と激推ししてくれました。

 

その言葉が効いたのか、日が変わって登坂不動産では笑顔で接客する永瀬の姿がありました。このような紹介の輪が広がれば、一周回って永瀬の勝利かもしれません。

 

ここから次回以降の伏線です。

 

残業を終えて帰る月下は、光友銀行の榎本美波(演:泉里香)が神木と恋人のように肩寄せ合って歩くのを目撃。一方、永瀬が自宅にいるところ、アポなしで桐山貴久(演:市原隼人)が訪ねてきました。美波と桐山、その行動の目的は何なのでしょうか?

 

2話に続きます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。『正不動産』監修のREDSエージェントは100% 宅建士

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