『正直不動産』宅建士のプロはこう見る!SHOJIKI-FUDOSAN

  • 公開日:2024年1月30日

『正直不動産2』ドラマ第4話最速レビュー|十影はマダムの孫だった! 永瀬の正直営業に感化され成長!

ある日突然、嘘(うそ)がつけなくなってしまった不動産仲介会社の営業マンが、独特の商慣習で動く不動産業界で奮闘する姿を描くNHKドラマ『正直不動産2』。第4話が2024年1月30日(火)夜10時に放映されました。

 

山下智久演じる主人公の不動産営業マン永瀬財地は、前シリーズでは嘘をもいとわないセールストークで売上ナンバーワンでした。ところがある日を境に、不思議な風が吹いてくると嘘がつけなくなることからナンバーワンの座から滑り落ち、客とのやり取りでもしくじって窮地に陥ります。しかし、その正直さが逆に、ライバルのミネルヴァ不動産をはじめとする悪徳業者にだまされそうになる客の心を動かしてきました。

 

今シリーズでも引き続き、ミネルヴァ不動産とのバトルは続きます。そんな大人気ドラマ『正直不動産2』のレビューを、監修を担当したREDSではどのメディアよりも早く、そして詳しくお届けします。

 

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(不動産のリアル編集部)

 

新緑の公園広場

(写真はイメージです)

 

Z世代の十影が見込み客カップルを連れてきた!

 

登坂不動産オフィスに貼られた営業成績グラフは課長代理の藤原結弦(馬場徹)がトップ、永瀬と月下咲良(演:福原遥)がそれに続き、Z世代の十影健人(演:板垣瑞生)は成約ゼロです。

 

大河部長は「お前いったいどんな指導してるんだ?」と永瀬を詰めますが、十影はどこ吹く風で「タムパ最悪っすね。永瀬さんも大河部長も無駄なことばっかやってるってことっすよ」と悪態をつく始末。大河部長は力なく十影に外でティッシュ配りを命じます。

 

永瀬が十影の今後の教育に不安をめぐらせていたところ、なんと十影は見込み客カップルを連れてきました。バーテンダーの藤森祥平と保育士の山本美玲です。

 

藤森「近々結婚する〝にこいち〟な俺たちにぴったりな新居ってある? 兄ちゃんのガチでイチ押し頼むわ」
十影「エグい物件よろしくってことっすね?」
藤森「わかってんじゃん! できれば駅近、築浅でぇ~♪」
十影「日当たり良好、家賃はSOSO♪」

 

なんとも軽いやり取りが続きますが、美玲は「武蔵山公園の近くの、公園が見える部屋に住みたい」とはっきり希望を伝えてきました。その足で『ラプラス武蔵山』という物件に内見に向かい、美玲はとても気に入ります。

 

賃貸保証会社の審査にカップルそろってはねられる! 思い当たるフシは?

 

申込書に記入しながら、藤森は賃貸保証会社への加入について「前は保証人がいたら借りられたよね?」と異論を唱え始めました。

 

物件への入居時に、借主は賃貸(家賃)保証会社と賃貸保証契約を結び、一定の保証料(家賃の半月分から1カ月分程度)を支払います。こうすると、借主が家賃を支払えなくなったり滞納したりしたときに、保証会社が貸主に対して借主の代わりに支払いを立て替えるのです。

 

「以前は親族を保証人とするケースがほとんどでしたが、高齢化社会の影響で、収入が年金のみという親御さんが増えたので、賃貸保証会社への加入が必須な物件が増えているんです」と月下から説明を受けた藤森は殴り書きのような汚い字で記入を続け……。

 

後日、審査落ちの結果に。理由を尋ねる藤森に、風に吹かれた永瀬は「ぶっちゃけ、あなた信用ゼロなんです!」「『自己破産している』『消費者金融での多重債務者』『クレジットカードで事故を起こしている』など、ブラックリストに載っている方は審査に通らないんです!」とぶちまけました。

 

今度は美玲の名義で申し込みをしたところ、3日後、またも審査落ちの結果に。借金もカード事故もないという美玲ですが、実は過去に家電を買ったときローンを何度か滞納していました。「延滞したのは、祥平君の借金立て替えたときだよ」という美玲に藤森は「別に俺、立て替えてくれなんて頼んだ覚えはねーし」とうそぶき、ますます修羅場に……。

 

運転免許証が再発行されたものだと審査に落ちる理由

 

ちなみに、審査に落ちた理由の可能性として永瀬が挙げた中に「提示した身分証明書が再発行された運転免許証だった」というものがありました。

 

運転免許証の再発行回数が多すぎると、審査に落ちる可能性が高まるのは本当です。紛失回数が表示されているのは番号の12ケタ目。理由としては、まず管理能力を疑問視されること。さらに、二重取得などなにか犯罪に加担しているのではと勘ぐられることです。

 

紛失回数が多い人は、その理由をきちんと説明すること、マイナンバーカードやパスポートなど運転免許証以外の身分証明書を活用するといいでしょう。

 

結婚をためらう美玲。一目ぼれしたマンションは思い出の地

 

オーナーや保証会社に懇願するも断られ、月下は新たに探した物件情報を持って美玲の勤務先を訪問。美玲は浮かない顔で、お金にルーズな藤森との今後に不安を感じていることを月下に訴えます。「普段は調子いいくせに肝心なことになるとすぐ逃げる。悪いことは何でも人のせい。世の中のせいにして……」。こう言うと、突然、口元を押さえてトイレに駆け込む美玲……。

 

場面が変わり、美玲の部屋で、月下は妊娠していることを口止めされます。美玲は社会から信用されていない自分たちがちゃんとした親になれるか不安だからと言います。続けて、藤森との関係を語り始めました。ふたりは武蔵山公園の近くに住んでいた幼なじみで、藤森は「正義感にあふれていてまっすぐなヒーローだった」と。

 

「私、賭けたんです。もしもあのマンションに住むことができたら、毎朝、思い出の武蔵山公園を一望できるあの部屋に住めたら、きっとあの頃のまっすぐな彼に戻ってくれる。何があってもふたりで頑張っていけるんじゃないかって」

 

名義人偽造を持ちかける藤森に同調する十影。彼はマダムの孫だった!

 

一方の藤森はつけられた知恵で、会社に勤めている友だちの名義で契約するか、アリバイ会社に偽物の給与明細とか在籍証明書を発行してもらって部屋を契約したいと言い出しました。十影は「バレなきゃいいんじゃないっすかー」と藤森に同調します。

 

しかし、それは立派な犯罪。永瀬も「有印私文書偽造、同行使。正真正銘、由緒正しい犯罪ですから。そんなことをしたらウチの会社の信用問題にもかかわる」と激怒。藤森は「もういい、オタクには頼まねえよ!」と出て行ってしまいました。

 

藤森に続いて「6時なんで帰ります」と無表情で去って行く十影。その夜、こんな彼について永瀬は「あいつを一人前に育てるなんて300年かけても無理です」と登坂社長(演:草刈正雄)に訴えていると、そこにマダム(演:大地真央)が登場、十影は死別した夫とその前妻の孫だといいます。さらに両親を早くに亡くして身寄りがないのだそうです。

 

そこで風に吹かれた永瀬、「あんな協調性のないクソ社会人、見たことありませんよ!」とたんかを切りつつも「なんとか一人前の不動産営業として育てて見せます! なにしろ、俺の課長昇進がかかってるんで!」と言ってしまい、マダムと登坂がにっこりする中、自分の吐いた言葉に頭を抱えてしまい……。

 

「親ガチャ最悪」という藤森を「クソなのはアンタ」と一喝する永瀬

 

その夜、十影を呼び出した永瀬は無理やり彼を伴って藤森が働くバーに押しかけます。そこで藤森は「俺、親ガチャ最悪でさ」と自分の生い立ちを語り始めました。容姿や能力、家庭環境によって人生は大きく左右されるため、親がどんな人間であるかは極めて重要なんですが、子供は親を選べないことをスマホゲームの「ガチャ」 にたとえたスラングです。

 

父親は藤森が3歳のときに借金を作って蒸発し、母親も高校生のときに死亡。高校中退後、働き始めるもどこも長続きせず、自暴自棄になって誰彼構わずけんかを吹っかけていたとか。ある日、返り討ちにされてうずくまっているところに通りかかった美玲に助けられたそうです。

 

「クソみたいな審査のせいでこっちは破局寸前。むしろ被害者」と吐き捨てる藤森に、風に吹かれた永瀬が一喝します。「クソなのはアンタです! 藤森さん、あなたが審査に落ちたのはブラックな世の中のせいじゃない、あなたがブラックだからです! 山本さんと上手くいかないのも、そうやって誰かのせいにばかりしている、あなた自身に問題があるからじゃないですか? 信用を得るべきなのは、クレジット会社からじゃない、まずは彼女からでしょ?」

 

再出発を誓う藤森と美玲、最後の関門はオーナーの説得

 

日が変わり、永瀬は藤森を『ラプラス武蔵山』に連れていきます。そこには美玲もいて藤森を優しく説得します。「親のせいにしたり、世の中のせいにしたり……そんなんじゃ私たち、いつまでたっても誰からも信用されない、幸せだって逃げてくばかりだよ」

 

こんな美玲の言葉に藤森も「もう逃げねえよ。親のせいにも、世の中のせいにもしねえ。俺が、お前と子供を守る」と再起を誓いました。ふたりの関係が戻ったことはめでたしめでたしなのですが、審査をひっくり返すことは至難の業です。

 

月下のアイデアで、ふたりはオーナーに手紙を渡すことにしました。しかし、オーナーは「私は信用できない人間に部屋を貸したくないだけだ! 夫婦ともに審査に落ちるなんて私に言わせれば論外だ。このマンションの入居者にはふさわしくない」の一点張りです。

 

そこに風に吹かれた永瀬、反撃開始です。

 

永瀬「そういうアンタの目玉は、節穴どころか、安いガラス玉だな!……でございます」
オーナー「はぁあ?」
永瀬「目に見える基準でしか人を判断しない、アンタや世の中のあり方は間違ってる!」
オーナー「帰れ!」
永瀬「ただし、実際に家賃の不払いなどで不利益を被る可能性があるオーナー様のご事情はよく分かります。トラブルが起きそうな人物を回避したいお気持ちも、とてもよく分かります」
オーナー「……」
永瀬「ですが、履歴やデータなど、目に見える基準だけでは人は判断できません、信用できるかできないかは、その人の人間性であるはずです。断言します。おふたりは信用できる人間です」

 

さらに藤森が土下座し、「これからはせめて彼女と生まれてくる子供だけには、胸を張れる男でいたいと思ってます。お願いします! 一度だけチャンスをください!」と懇願。差し出した手紙をオーナーは受け取りました。

 

初成約を決めた十影の内面にも変化が……

 

翌日、オーナーは審査に幅のある賃貸保証会社に加入することを条件に入居を認めると登坂不動産に連絡してきました。手紙作戦は月下のアイデアであり、オーナーの心を動かしたのは永瀬の言葉が大きかったのですが、登坂不動産としては十影が初成約を決めたことでもあります。

 

そんな十影、なんと始業10分前に出勤し、自主的に開店準備をしているのです。一同が驚く中、登坂社長は「永瀬の教育の成果かな」と笑顔です。

 

物件前で鍵を受け取った藤森と美玲を囲み、永瀬、月下、十影はこれから始まる幸せな暮らしへの期待に胸を弾ませています。そんな一同を遠くから見つめるミネルヴァ不動産の神木涼真(演:ディーン・フジオカ)。今回は出番がなかったのですが、次回以降、またかき乱しそうな予感です。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。『正不動産』監修のREDSエージェントは100% 宅建士

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