『正直不動産』宅建士のプロはこう見る!SHOJIKI-FUDOSAN

  • 公開日:2024年1月4日

『正直不動産スペシャル』宅建士解説|競売回避のため成功させたい任意売却。ポイントと注意点とは?

こんにちは。仲介手数料が必ず割引、最大無料の不動産流通システム、REDSエージェント、宅建士の片岡慎太郎と申します。

 

人気コミックが原作のNHKドラマ『正直不動産SPECIAL』が2024年1月3日(火)夜9時45分から放送されました。

 

今回の物語は、主人公の永瀬財地(演:山下智久)が住宅ローンを滞納してピンチになった友人を助けるために奔走する姿が描かれました。住宅ローンを滞納し続けると、金融機関に自宅を差し押さえられて競売にかけられます。そうなる前に「任意売却」という方法をとることもできます。

 

この任意売却と競売について、実体験を交えて解説します。

 

※REDSはドラマの監修も担当しており、当日の放送直後にドラマの内容紹介をいち早くお届けしています。こちらの記事もご覧ください。

 

考える夫婦

(写真はイメージです)

 

これが「任意売却」のリアルだ!(少しフィクション)

 

今回のエピソードでは、視聴者に分かりやすいように、住宅ローンが払えなくなり自宅が競売となるところから始まっていました。しかし現実では、まずは住宅ローンを借りている銀行の保証会社(債権回収係)から督促状が届くのが一般的です。

 

私が以前に担当したお客様のお話を、少しフィクションを交えてお話しします。

 

高級外車が消え、督促状の山が……

 

そのお客様とは会社の事務所を借りていただいたのがきっかけで仲良くさせていただいておりました。事務所の賃貸借契約から数年後、お客様から「ちょっと相談したいことがあるから自宅へ来てくれないか」とお電話をいただきました。

 

私は、期待を胸に「また、事務所を借りるか、ステップアップで自宅購入のご相談かな?」とお客様宅へと向かいました。しかし、自宅に訪問すると家はホコリだらけ、高級外車もなくなり、駐車場には、壊れた家具と自転車が1台だけ……。

 

そして、テーブルの上には都市銀行からの督促状が山ほどありました。なんとなく雰囲気で察してしまいましたが、改めてお客様に確認すると「住宅ローンが払えない」という相談でした。

 

残された時間は1カ月半

 

当時、私も「任意売却」と「競売」という手続きについて把握していましたが、実際にそのような状況を目にするのは初めてでした。たくさんの督促状のうち、ひとつを見ると「7月30日までに返済できない場合は、競売にかける」という内容でした。訪問した日時は、5月18日。残された時間はあと1か月半ほどです。

 

お客様は都市銀行の担当者からの電話には出たことがないし、かけ直すこともしなかったそうです。私から督促状に書いてある銀行に電話してみると、そこは、住宅ローンの融資部署ではなく、債権回収係でした。電話口の担当者も慣れた様子で「7月30日までに住宅ローン残高5,000万円を返済してください」の一点張りでした。

 

幸いにもお客様が所有している物件は、目黒区にある18坪程度の土地付き戸建てなので「その金額なら売れる」という自信が私にはありました。後日、お客様に債権回収担当者とのやり取りを伝えると、お客様は「自宅を武器に高く売りたい。最後の財産なので、次の引っ越し代金、しばらくの生活費、他の借金にまず充当したい」とおっしゃいました。

 

気持ちは分からなくもないのですが、この状況は通常の自宅売却とは違い、時間をかけることが許されません。お客様の意向をできるだけくみつつ、相場よりも若干安めの価格で販売開始。無事、契約にこぎつけました。

 

返済が3週間遅れでも債権回収係が承諾してくれた理由は?

 

実務的な話として、債権回収係を納得させるためには、証拠として売買契約書類一式などが必要になります。お客様と債権回収係だけの問題ではなく、買主様も絡んでくるので、話がどんどん複雑化していき、プレッシャーが重くのしかかってきたのを覚えています。

 

買主の条件として、住宅ローンを使うので決済日が督促状の期限となる7月30日を過ぎ8月20日になることを、債権回収係へダメもとで訴えたところ、ご承諾いただけました。私も初めての出来事でしたので、気持ちを伝えれば理解してくれるものだと思っておりました。

 

しかし実際のところ(これは想像の範囲となってしまいますが)、任意売却期間中に債権を回収できない場合に、競売の手続を開始してもそこから4~5カ月はかかるため、「競売を行うよりも回収が早く確実である」との判断で、債権回収係は承諾したのだと思います。

 

以上が少しフィクションを交えた私の実体験になります。

 

任意売却と競売の違い

 

任意売却と競売は、不動産を売却する方法に変わりはないのですが、その手続きと結果には大きな違いがあります。

 

任意売却とは

 

任意売却とは、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の許可のもと、ある程度、所有者の希望条件が認められた状態で一般市場で不動産を売却することです。

 

不動産を売却する場合、住宅ローンを借りたときに金融機関が設定した抵当権を抹消しなければ引渡しができません。抵当権を抹消するためには住宅ローンを完済する必要があります。しかし、任意売却では、住宅ローンを完済できない場合でも、債権者である金融機関の了承が得られれば、一定の条件のもと抵当権を解除してもらうことができます。

 

任意売却では市場価格に近い金額での売却が可能になるため、競売に比べて住宅ローンの残高が少なくなり、今後の生活再建の見通しが立てやすくなります。

 

また、引っ越し費用も債権者と交渉しだいで売却代金から捻出することもできる場合がありますし、不動産業者のアドバイスも受けながら残った住宅ローンについて返済計画を立てられます。当事者と家族のプライバシーが守られるなど、メリットがあります。

 

競売とは

 

一方、競売は債権者が裁判所に依頼し、債務者の意思にかかわらず強制的に売却が進められてしまいます。競売は、入札方式で行われ、一般的な落札価格は市場価格の約70%といわれています。

 

そのため、競売では相場よりも安い価格で落札されて、売却した不動産の資金を一切受け取れないばかりか、住宅ローンも残り、しかも強制退去されてしまうなど、先の計画が立てられない不安要素が多くなります。また、インターネットや新聞に情報が掲載されるため、プライバシーは守られません。

 

おすすめは任意売却

 

このように売却の手続きと結果において大きな違いがありますので、具体的な状況や目的によってどちらの方法が適しているか異なります。

 

ひとつ言えることとして、競売の場合は無条件で立ち退きさせられる可能性が高いのに対して、任意売却ではいったん引っ越しをしてから残りの債務をどうするか考えられる余裕があります。もし間に合うのであれば任意売却での債務処理をお勧めします。

 

任意売却を行うときの注意点

 

自宅を任意売却した際の注意点は以下のとおりです。

 

個人信用情報に傷がつく

 

任意売却をすると、個人信用情報に傷がつきます(いわゆるブラックリスト)。こうなると、一定の期間、住宅ローンも組めなくなりますし、クレジットカードも借り入れができなくなります。

 

これは任意売却という手続きによるものではなく、そもそも任意売却の発端となった「住宅ローンの滞納」という行為によって、滞納情報が信用情報機関に登録されることに注意しましょう。

 

住宅ローンが完済できないことも

 

任意売却では、競売よりも高く売れる可能性がありますが、必ずしも市場価格で売れると限りません。売却価格は、債権者の承諾や買主の需要に左右されます。

 

また、残債務の処理には、任意整理や個人再生などの債務整理の方法がありますので、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

 

任意売却に失敗するとき

 

任意売却の失敗事例としては、以下のような場合があります。

 

売却価格が相場よりも高い

 

通常の不動産売却と同様に、売却価格が相場よりも高いと、そもそも買い手が見つかりません。任意売却は通常の売却以上に時間との戦いになります。とにかく早く売ることが求められます。速やかに買主が見つかるよう、相場にあった(場合によっては相場よりも低めの)価格設定をすることが最も重要です。

 

債権者の同意が得られない場合

 

任意売却は、債権者の同意が必要になります。住宅ローンを組んで日が浅い場合や、売却後の住宅ローン残高が多い場合は同意を得ることが難しくなります。そもそも住宅ローンを借りる際の金銭消費貸借契約に「任意売却を認めない」と記載されていることがありますので、注意が必要です。

 

違法建築物件の場合

 

売主が購入当初に住宅ローンを利用しているので問題ないと思っていても、ルーフバルコニーやロフト、車庫などを後で増築した場合、建ぺい率や容積率をオーバーした違法建築物件となる可能性があります。

 

明らかな違法建築の場合、新たな買主が住宅ローンを利用できず、売却まで時間がかかってしまって競売の期限まで間に合わなかったり、債権者の同意を得られる価格での売却ができなくなったりします。

 

任意売却を成功させるためのポイント

 

任意売却は必ず成功するとは限りません。よりよい任意売却を目指すため、成功確率を高めるポイントを押さえましょう。

 

ポイント1.早めの行動

 

まず、とにかく早く動き出すことです。任意売却は、競売の開札日前までに完了させる必要があるからです。競売の開札日は、申し立てから6~9カ月で設定されます。任意売却を検討されるなら、できる限り早急に不動産業者へ相談することをお勧めします。

 

ポイント2.信頼できる不動産業者に相談する

 

任意売却の場合は、債権者との交渉、物件の調査、査定、販売など専門的な知識や経験が必要になります。「早く売り切る」ことが重要なので、全てにスピードを求められます。信頼できる不動産会社に相談しましょう。悪質な業者の場合は、不利な条件を押し付けられたり、任意売却に失敗したりするリスクもあります。

 

ポイント3.物件の状態や価格を適切に設定する

 

任意売却は、競売と違い一般の不動産と同じ販売方法を行います。早く売り切るという目的にかなった価格設定が必要です。物件にトラブルがあったり、違法建築があると売却まで時間がかかったり、希望価格に届かなかったりすることも理解しておきましょう。

 

まとめ

 

ドラマの中で主人公の永瀬も言っていましたが、とにかく早めの行動で選択肢が増えます。今回は、友人のお父さんが畑を担保にして金融機関から借り入れて息子の残債を支払う「個人間売買」、家賃を払って住み続ける「リースバック」の要素も含んでいます。現実では、ドラマのように全てがハッピーエンドで終わるわけではないと感じました。

 

私が任意売却をお手伝いしたお客様は、住宅ローンだけではなく、税金の滞納などほかにも借金を背負っていることがありました。優先順位を把握するためにもイチから交通整理を行い、早期の任意売却を実現できるようお手伝いしてきました。

 

「住宅ローンを支払うのが難しくなった」「任意売却の最中だが売れない」など、どんなことでも構いません。ご相談は無料ですので、お気軽にご相談いただけますと嬉しい限りです。

 

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