家を売ることを決意して、不動産会社と媒介契約を結び、いよいよ売りに出すことになりました。ところが一向に連絡がありません。こちらから連絡をしても、「問い合わせがないんですよねえ」と気のない返事。

 

「早く売って欲しいのだけれど、どのような営業活動をしていますか?」と尋ねても、「検討はしているのですが…」、と具体的な行動をとる様子がうかがえません。媒介契約を結ぶまでは一生懸命だったのに、契約した後はなんだかおざなりな対応です。どうやら「はずれ」の不動産会社と契約してしまったようです…。

 

 

残念ながら、このような担当者や不動産会社が存在するのは事実です。

 

担当者個人の資質の問題という場合もありますし、たまたま複雑な案件をいくつも抱えていて手が回っていなかったり、そもそも賃貸を中心に営業していて売買についてはノウハウや能力に乏しい会社であったり…。いずれにせよ満足するような結果を出せない会社もあるわけです。

 

運悪く、そんな事態に陥ってしまった場合の対処法について、ご紹介しましょう。

 

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(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)

 

 

不動産会社の担当者をチェンジ!

 

数ある不動産会社の中から選んで媒介契約を結んだわけですから、その会社を選ぶに足りる理由はあったはずです。それにもかかわらず、信頼できない状況に陥ったのは、もしかしたら担当者個人の資質の問題が大きいかもしれません。

 

もちろんそれは、担当者を教育・指導できていない、という会社の責任です。まずは、担当者の上司に信頼できない状況となっている現状と、その理由を伝え、事実に基づいて率直に相談してみましょう。

 

大事な「家」という高額資産の売却を任せているのです。「客だから」といって、高慢な態度をとったり、感情的になったりする必要はありませんが、不満を我慢する必要もありません。しっかりとその不満を会社に伝え、誠実な対応をとってもらうように要求しましょう。

 

必要であれば、担当者を変えてほしいと伝えるべきです。まともな会社であれば、そうした相談をすれば対応の改善を約束し、担当者の変更についても、むしろ率先して実施してもらえることでしょう。

 

 

媒介契約の期間は3カ月

 

会社に相談し、事態の改善を約束してもらったにもかかわらず、一向に改善が見られないケースもあります。そうした場合は、思い切って不動産会社を変更したほうがいいでしょう。残念ながら、家を売るという能力が劣る会社と契約してしまった可能性が高いかもしれません。

 

不動産会社を変更しようとするときには、まず締結している媒介契約の種類を確認しましょう。

 

 

不動産会社との媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。

 

宅地建物取引業法で、依頼者は、一般媒介契約の場合は他の不動産会社と契約できる(他社とも一般媒介契約のみ)とされていますが、専任媒介、専属専任媒介では、他の不動産会社と契約できません。

 

これは専任媒介・専属専任媒介契約を締結した不動産会社には、契約期間中に依頼者が他の不動産会社と契約できないというメリットを与えるとともに、業務処理報告状況の報告義務や、指定流通機構(レインズ:不動産売買案件情報登録システム)への登録義務といった、一般媒介契約に比べて厳しい義務を定めているからです。

 

契約の有効期間は3カ月以内と決められています。更新には依頼者からの申し出が必要であり、更新後の期間も3カ月以内と定められています。不動産会社の勝手な都合で契約は延長できません。

 

契約延長の意思がないことを不動産会社に伝えれば、契約の日から3カ月後には契約は終了し、他の不動産会社と自由に契約をすることが可能となります。

 

 

3カ月も待てない場合は契約の解除権を行使できるかがポイント

 

そうは言っても「とても3カ月も待っていられない」という場合もあるかもしれません。その場合は、契約の内容に従い、契約の解除を試みるしかありません。

 

媒介契約の書面には、契約の解除に関する事項を記載することを定められています。契約書は、国交省が作成した「標準媒介契約約款」をフォーマットとして使用することが推奨されていますが、そこでは、解除について以下の通り、記載されています。

 

  • 媒介契約の本旨に従った履行をしない場合は、相当の期間をもって催告し、解除できる
  • 信義誠実義務違反した場合、故意もしくは重過失によって事実を告げなかったり、不実を告げたりした場合、宅建業者として不正もしくは著しく不当な行為をした場合、解除できる

 

不動産会社の信頼を失わせるような行為が、契約上の事項に該当するかどうかが問題となります。

 

 

チェンジはできます。そうならないように契約前に見極めを

 

不動産会社に対して、不信感が生まれてきたら、これまで述べてきたように、我慢をしてお付き合いを続けるよりは、担当者や不動産会社を変更すること検討すべきでしょう。大切な資産の重要な決定にかかわるパートナーなのですから。

 

しかし、そもそもそうならないようにすることが一番です。契約をしてから貴重な初動期間を無駄にすることのないように、契約前に不動産会社とは何度も打ち合わせを重ねましょう。

 

自分の意見を尊重してくれながらも、プロとしての意見をしっかり述べてくれるような、信頼できるパートナーであるかどうかを見極めることが最も重要なことです。

 

 

早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。
監修 :不動産流通システム 高坂拓路

 

 

 

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