国土交通省は7月、立ち入り検査を行った全国85社のマンション管理業者のうち、27社に是正指導を行ったと発表しました。みなさんは、85分の27、すなわち31.8%という数字をどうお感じになるでしょうか。

 

ほとんどのマンションが管理会社に管理業務を委託しています。そしてマンションは「管理を買え」との格言が存在するほど、将来の資産価値に直結するものです。その仕事ぶりが不適切なので、お上が3社に1社は指導したということですから、「うちのマンションは大丈夫だろうか」と不安になる人も多いことでしょう。

 

われわれREDSのような仲介業者も管理業者にいい加減な対応をされたら困るわけで、その理由を解説します。

 

マンション群

(写真はイメージです)

 

実は、これでも前年度比10.3ポイント低下しています。過去5年間の平均(41.3%)からは9.5ポイント下回っていて、だんだんよくなっていると見ることもできるかもしれません。

 

具体的にどんな是正指導があったのでしょうか。「重要事項の説明等」が18社で最も多く、「契約の成立時の書面の交付」(9社)、「財産の分別管理」「管理事務の報告」(いずれも6社)、「管理業務主任者の設置」(2社)でした。

 

マンション管理適正化法72条では、マンション管理業者が管理組合に対して、管理受託契約を締結する前に、管理業務の重要な事項について説明することによって、契約内容を十分に理解して契約できるようにする、と定められています。

 

管理受託契約は範囲が極めて多様かつ広範囲に及ぶことが通常のため、管理業務の内容が不明確であったり、契約の解除に制限が設けられていたりして、管理組合に不利な内容の契約があり、トラブルが多く発生していました。また、管理受託契約は継続的な契約であり、いったん契約が締結されれば、契約の見直しは困難なことが多いのも実態です。

 

そこで、管理受託契約の締結前に重要事項の説明を必要としたわけですが、18社も是正指導が必要だったということには、不動産業界の一員として、深く憂慮せざるを得ません。業務としてやるべきことをはっきり示してないということは、しっかりやっていなくても文句が言えないということです。

 

これでは、管理業務の質が低下していくことは避けられず、いつか売却することを考えるお客様にとって不利なことになります。

 

もう一点、私ども仲介業者についても困ることがあります。それは上記の「管理事務の報告」という項目にかかわることです。

 

中古マンションの取引を行う際には、REDSでは管理業者に相当な費用を支払い「重要事項調査報告書」を発行していただいています。さらに売主様へのヒアリング、行政・法務局調査を経て、宅建業法に基づく「重要事項説明書」を作成して買主様にお渡ししています。

 

中古マンションの購入をご検討されるお客様は、修繕履歴や修繕積立金が計画通り積み立てられているかなど、知りたいことが山ほどあります。お客様の疑問を解消できるよう、弊社のエージェントは報告書に記載がないことを管理会社または担当者にヒアリングします。ただ、困ったことに、管理会社の中には回答のレベルが低く、われわれの求める精度に届かないことも多くあるのです。

 

そのマンションのことをいちばん知っているはずの管理会社に理解不足があると、お客様にそのマンションのことを伝えきれず、後々、大きなトラブルに発展しかねません。お客様に安心した暮らしをしていただきたいと願う立場としては、これではマズいのです。管理業界にはさらなる正常化を期待します。

 

この記事を執筆したエージェントプロフィール

藤井 英男

ふじい ひでお

4.83件

皆様にご支持いただける「REDS」になりますように日々精進して参ります。