北川景子が演じる、テーコー不動産の営業チーフ、三軒家万智の活躍を描く「家売るオンナ」(日本テレビ系)は、平均視聴率が10%台を楽々キープしている人気ドラマとなっています。めちゃくちゃ困難に見える不動産物件の売買を成功させる万智の奇抜な発想や、登場人物たちのコミカルな演技、結果的に家を買った人が自分なりの幸せを見つけるに至るストーリーなどが受けているようです。万智のキャラクターも受けているようですね。不動産会社に限らず多くの会社で、部下に仕事を命じるときに、「○○さん、GO!」と万智の決め台詞を使うオジサンが増えているのではないでしょうか(笑)。

 

今回もストーリーを追いながら、不動産の売買に関するトピックスやエピソードをご紹介していきましょう。

 

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そんなにべらべら喋って大丈夫なの?

 

ダメ社員の白洲美加(イモトアヤコ)は、自分の生家を万智が販売したとき以来、万智を尊敬するようになっており、仕事にも前向きです。今日も自分から率先してポスティングに出かけます。すると、週刊誌の記者に声をかけられ、「デキる女特集」という企画のために万智のことを教えてほしいと頼まれます。カフェで奢ってもらいすっかり気をよくした美加は、万智が奇想天外な手法で販売した家について詳細に話してしまいました。業務で知りえたことを第三者にベラベラしゃべるなんて、社会人としてちょっと問題ですよねえ。

 

不動産会社の守秘義務

 

宅地建物取引業法では、

 

「宅地建物取引業者およびその従業者は、その業務上知りえた秘密は、正当な理由がなければほかに漏らしてはならない」(業法45条、75条の2)

 

とされています。

 

不動産会社は、不動産の売買における当事者の住所・氏名・年齢・職業といった基本情報から、資産情報やローンの状況、家族の情報までプライバシーの領域にまで踏み込んだ重大な情報を把握します。これらの重要な情報の漏えいを阻止し、利用者の利益を保護するための規定です。これに反した場合は、営業停止などの処分や罰金刑を受けることがあります。

 

また、テナントビルや1棟売りマンションなどの収益物件売買の際には、売り主側としては、売却を検討していることが風評に上ることを嫌ったり、店子に知られたくなかったり、空き室率や収益率を知られたくなかったりすることが普通です。このため、詳細検討のための資料を開示する場合、その条件として買主に対して、秘密保持契約の締結や守秘義務誓約書の提出を求めることは当然ある話です。

 

個人情報の取り扱いについては昨今、どの業界も非常に気を遣うようになりましたが、とりわけ不動産業界は業務上の秘密の保持にはとにかく神経質な業界です。尊敬する万智のことを褒めたいからといって、価格やお客様の情報を、他人に明かしてしまった美加の行動は、立派な業法違反です。会社の信用上も大きな問題となります。

 

案の定、会社で話をしたことがばれた美加は大目玉を食らいました。慌てて出版社に記事の差し止めに向かう屋代課長(仲間トオル)でしたが、記者は「美人悪徳不動産屋として記事を書こうとしたが、悪口をいう人が誰もいない、記事にならない」と言われます。胸をなでおろしたところに、「そんなに家を売るのがうまいのなら、自分が所有している2世帯住宅を売ってほしい」と依頼までしてくれました。「芸は身を助ける」とはこのことかもしれませんね。

 

外国人は家を借りるのが難しい?

 

万智の行きつけのラーメン屋で働くビクトル・ムサ(星野ルネ)が恋人の雨宮波留(八木優子)を連れて、万智を訪ねてきました。ビクトルはナイジェリア人の大学院生ですが、現在アパートを貸してくれる人がいなくて、何人もの留学生と狭い部屋で共同生活しているので恋人と住む家を探してほしいとのことです。「両親は外国人との恋愛を認めないだろうが、ゆくゆくは彼とナイジェリアに一緒に行くつもりだ」という波留の覚悟を聞き、万智はふたりのために賃貸アパートを探すことを約束します。このように、外国人が住む家を探すのは、やっぱり難しいのでしょうか?

 

「外国人お断り」が多いのは、残念ながら事実です

 

多くの賃貸アパートやマンションで、外国人の入居を断っているところが多いのは事実です。このことが日本に住んでいる、または日本に住みたいと思っている外国人の方には、大きな問題となっています。

 

理由は、様々なことがあります。まず、言語の問題。賃貸物件のオーナーや仲介する不動産会社の社員は、まだまだ英語や、ましてやその他の言語を話せる人は少ないといってよいでしょう。不動産会社には、借主に重要事項説明書や契約書を説明する義務があり、理解してもらう必要があります。日本語のできない外国人の場合にはその義務が果たせないことになります。また実際に入居した後の日常の意思疎通が簡単にできないかもしれないことに不安を感じるオーナーも多いのです。

 

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(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)

 

日本では、賃貸借の場合に連帯保証人を立ててもらったり保証会社を立てたりして、家賃回収の保全をするのが一般的です。これが日本国民なら比較的容易なのですが、単身の外国人の場合、保証人を立てるのが困難なことが多いです。また、保証会社も外国人は対象外とする場合が多いようです。万が一、家賃を滞納して母国に帰られてしまえば、回収の方法がないからです。かくいう私も、韓国人の友人が日本に住んで起業した際に、どうしても日本人の保証人がいないと部屋が借りられないと請われて、保証人になったことがあります。

 

このほか、文化の違いも大きいです。下手をすればトラブルにもつながりかねません。室内での土足使用やトイレやお風呂の使い方などの違いから、部屋を汚したり傷つけたりすることがあるのではと心配したり、音や独特の香りが周辺住民に迷惑になるのではと懸念したりするオーナーもいます。昨今では、イスラム教徒や中東の方にテロとの関係を恐れるオーナーが増えています。

 

こうした、文化や宗教を理由とした入居拒否は、偏見や差別につながるので、決して褒められた話ではありません。しかし、仲介する不動産会社はオーナーが貸したくないという相手に、無理矢理契約を締結させることはできません。

 

国土交通省「宅地建物取引業者の社会的責務に関する意識の向上について」

 

国土交通省は「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」という通達で、「賃貸住宅の媒介業務に係る不当な入居差別等の事態が発生している」としています。在日外国人のみならず障害者やその他の差別を巡る人権問題に対する意識向上を図り、不動産業者に対する周知徹底および指導を行う必要があるというのです。

 

「外国人お断り」が横行する現状を打破するためには、不動産売買にかかわるすべての人の意識向上とともに、差別解消のための積極的な施策に取り組むことが必要だと思われます。

 

相手の文化を尊重することが大事

さて、雨宮波留の親夫婦と兄夫婦は折り合いが悪く、別々に家を探していました。しかし、万智は「違うようで似ているんだから」と説き伏せ、両者に二世帯住宅を販売しました。

 

そこに招かれたビクトルは、家族が壁に仕切られている様子を見て「ナイジェリアではこんな家はありえない」と怒ります。壁を壊せと騒ぎ出し、波留の母の智代(鷲尾真知子)は怯えてしまいます。そんなビクトルに万智は

 

「壁があり、いつもは顔が見えないからこそ相手を思いやる、奥ゆかしく思いやるのは日本の美徳です。そのような日本の文化を理解しなければ困ります。」

 

と一喝します。
それを理解したビクトルとともに、雨宮一家はホームパーティーを楽しむのでした。

 

家族であっても、外国人との関係であっても、異なる文化を持つ人たちと共存していくには、相手の文化を尊重すると同時に自分の文化を理解し尊重してもらう、という相互の関係がないと成り立たないことを、象徴するシーンだったともいえるでしょう。

 

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(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)

 

次回が最終回

 

「家売るオンナ」も第10回の次回は、いよいよ最終回とのことです。万智を巡る人間関係は次第に好転し、万智の弁舌も徐々に人間味を帯びてきたような気がします。もうしばらく万智の勇姿を見ていたかった気もしますね。続編を期待するのは、気が早すぎますかね(笑)。

 

(監修:不動産流通システム 高坂拓路)

 

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