コロナの影響で都市部を中心にテレワークの浸透が進んでいます。ただ、自宅で仕事をする必要が出てきたものの、生活スペースと執務スペースを分けられるほど居住空間が広くないことがほとんど。

 

そこで、もっと広いマンションや戸建てに引っ越し、執務スペースを確保するためのリフォームやリノベーションをしたいと考える方もいるでしょう。そして、どうせやるならもっと自分好みに変えたいという人も多いのではないでしょうか。

 

今回は、戸建てとマンション、それぞれリフォーム・リノベーションするときに知っておきたいことを解説します。

 

リノベーション

(写真はイメージです)

 

リノベーションとリフォームの違い

 

まず、リフォームとリノベーションの違いを簡単に説明しておきます。

 

リノベーションは既存の住まいに新たな設備やスペースを追加して、用途や機能などの「価値を付け加える」ための工事を指します。これに対し、老朽化して使用しにくくなった部分を修理して「新品に戻す」工事がリフォームです。

 

たとえば、リノベーションの例に「仕切りを設置して部屋を追加しワークスペースを増やす」「キッチンを入れ替えて機能性の高いものに変更する」「シーリングファンを設置して空気の対流を改善する」などがあり、リフォームの例に「壊れたトイレを新品に交換する」「壁紙を貼り替える」「老朽化したフローリングを新調する」などがあります。

 

今、多くの人に需要があるのは単なるリフォームではなく、仕事部屋をつくるなど割と大がかりな工事になる「リノベーション」でしょう。ここからは中古住宅を買ってリノベーションする際の注意点を述べていきます。

 

リノベーションローンは金利が高い

 

リノベーションを前提に中古住宅を購入する場合、最も気をつけたいことは、リノベーション費用をローン借入れする場合、住宅ローンと異なり金利が高くなることです。

 

しかも、リノベーションの工事費はリフォームより費用が高額になります。程度にもよりますが、80~90㎡程度の通常の戸建て住宅であっても、500~1,000万円かかることも珍しくありません。土地代・建物代に対するローン金利よりも、この「リノベーション部分に対するローン金利の方が高くなってしまいます。3~4%と見ておきましょう。購入の前段階でリノベーションすることを不動産業者に伝えておけば、ざっくりとした金利や毎月の返済額をシミュレーションしてくれるでしょう。

 

金融機関によってはリフォーム資金対応型の住宅ローンもあり、購入物件価格の最大130%まで借りることができます。諸費用やリフォーム費用まで融資を受けたい人が利用できます。この場合、3,000万円の物件を購入すると、リノベーションにあてられる金額は900万円です。これで足りなければ、改めてリフォームローンを申し込むことになります。

 

入居に半年かかることも?

 

新築物件の場合、購入契約をしてから1カ月もあれば入居できます。しかし、リノベーションを前提とした物件の場合、建物の使用調査や設計に関する打ち合わせ、工事などの期間が月単位でかかってきます。特にリノベーション設計にこってしまうと、建築士との打ち合わせ回数や予算との調整がかさみ、実際に住み始めるまでに半年くらいかかってしまうこともあります。

 

最低限の工事だけ先行して行い、居住中でも可能な工事はものは持ち越すこともできますが、騒音に耐えなければなりませんし、ローンの調整で銀行とのやりとりが多少、面倒になります。

 

住宅ローン控除の条件を満たしている?

 

住宅ローンを組むと、「年末の住宅ローン残高の最大1%が10年間にわたり所得税から控除される」という住宅ローン控除という制度があります。4,000万円の住宅ローンを組んでいれば、最大年間40万円程度の所得税が10年間にわたり還付されるという、非常にメリットが大きいものです。ただ、条件が下記のとおり存在しますので、必ず不動産会社の担当者とよく打ち合わせましょう。

 

・登記簿に記載されている新築・取得の日付から6ヶ月以内に入居していること
・住宅ローン控除の適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること
・登記簿に記載されている床面積が50㎡以上であること
・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
・耐火建築物の場合(鉄筋コンクリート造など。軽量鉄骨は含まない)、築25年以内であること
・耐火建築物ではない場合(木造など)、築20年以内であること

 

古い物件を買ってリノベーションを行う場合、物件の築年数には注意しましょう。また、工事期間が長引いて6カ月以内に入居が可能かどうかにも注意する必要があります。

 

リノベーションで気をつけたいこと:戸建て編

 

戸建てリノベーションのメリットは、建物の全てを自分好みにアレンジできることです。このコロナの状況下においては「ワークスペースを分けたい」という需要は多いでしょうし、リビングルームなどは「壁を抜いて一気に広くしたい」などの希望もあるでしょう。戸建てはマンションと違って、窓の位置や水回りなども含めたほとんどの部分を大規模に変更できます。

 

建物の価値はよく「20年でゼロになる」とも言われますが、土地は丸々残るので資産価値の目減りが一定で止まるともいえます。

 

リノベーションの内容によっては役所へ届け出が必要な場合があります。特に戸建ての場合には工事業者さんとよく確認を行うことが大切です。万一、届け出漏れにより違反建築物となると将来、売却しにくくなるなどのリスクがあります。

 

リノベーションで気をつけたいこと:マンション編

 

マンションの場合、変更できる部分が限られることもあり、戸建てよりも工事の失敗などによるリスクは小さいと言えます。ただし、「配管トラブル」だけは注意が必要です。入居時には異常がなかった場合でも、工事による接続不良、破損などで水漏れが発生し、天井から水が垂れてきたり、床が水浸しになってしまったりすることがあります。

 

たいていは通常の火災保険の範囲でカバーできますが、水漏れは最もよくあるトラブルで、階下の住人とトラブルになったら面倒ですので気をつけましょう。

 

 

半沢隆太郎(宅地建物取引士)
中央大学法学部法律学科卒。実家が建設・不動産会社を経営。新卒で大手機械メーカー、その後コンサル会社を経て、現在は不動産業種の上場会社の経営企画部門に勤務。