REDSエージェント、宅建士の井原です。

 

実際にあった話です。

 

不動産業界では、販売しようとする物件の内部を一定の期間、担当営業員が常駐して、買い希望客に公開しながら販売促進活動をすることをオープンルームと呼びます。近頃、都内の地場の仲介業者さんが、オープンルームをしていた物件がありました。

 

家の案内をする日本人男性不動産営業職

(写真はイメージです)

 

その業者さん経由で一度購入申込みをされたお客様が、いったんは家庭の事情でお断りをされましたが、再考のうえ、REDSへお問合せをくださり、購入手続きを進めることになりました。

 

そのことを先述の地場仲介業者に伝えたところ「ウチから購入しないと法的措置を取りますよ」と脅されたというのです。

 

要するに裁判に訴えるということですが、訴訟をするということはお客様の行為が不法行為であることが必要です。不動産会社がお客様からちょうだいする仲介手数料は成果報酬です。成約し、引き渡しの段階になって初めていただけるものであって、成約に至る前に断ったところで、お客様は何の責任も負いません。当然、一文たりとも支払う必要はありません。不法行為はカケラも存在しません。

 

ただ、そこに至るまでに骨を折った仲介業者にとってはまあまあ理不尽な話でもあるため「売買契約の直前まで話を進めておいて、今ごろ何を言ってんの?」とモヤモヤした気持ちを抱くことは確かです。それでも、何の不法行為もないことは理解しているので、表面上は冷静に対処できるものです。

 

ところがこの業者。専門知識を持たないゆえに対等の立場に立っていないお客様に向かって、こんな脅し文句はありえません。

 

都内の仲介業者の監督官庁は東京都庁ですから、お客様には「即刻都庁に相談した方がいいですよ」とアドバイスしました。お客様は常識の通じない相手にこれ以上かかわりたくないと、大変な心理的苦痛を感じていらっしゃいました。

 

繰り返しますが、これは実話です。昭和、平成を経て業界全体のモラルは、かなり改善されてきたとはいえ、これが実情です。

 

この地場業者がなぜそんな恐喝をしたかというと、オープンルームに常駐するためにコストも時間も労力も投入しているからにほかなりません。

 

回収するためには、買主様からの仲介手数料が喉から手が出るほどほしいのです。

 

しかし、それはお客様にとっては何の関係もなく、仲介会社の勝手な言い分でしょう。

 

このエピソードから学べることはただひとつ。オープンルームで気に入った物件があっても、その場で購入申込みをすることは絶対に避けてください。トラブルの元です。

 

まずは、信頼できる不動産会社に連絡し、相談してみるのがベストです。

 

 

井原直樹(REDSエージェント、080-7564-4417、n.ihara@red-sys.jp)
長野県出身、宅建士。担当エリアは東京23区、埼玉県南部、千葉県西部、神奈川県。マンション売買を最も得意とする。
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