REDSエージェント、宅建士の井原直樹です。

 

コロナウイルスの影響が不動産業界にも及ぶ中、業界の悪弊と言うべき商慣習「囲い込み」が以前にも増して横行しているように感じます。最近、遭遇した囲い込みを含め、その手口を紹介します。

 

不動産会社

(写真はイメージです)

 

レインズにわざと登録しない悪質業者

 

まず1件目。住まいの購入を希望されるお客様から、物件ポータルサイトのSUUMOで見つけた物件を、一緒に内見が可能かお問い合せいただきました。

 

さっそく業者専用のデータベースであるレインズで確認したところ、(売却中の物件としての)「登録なし」との表示が出ました。宅建業法では、物件を売却する専任媒介契約を不動産会社と売主様が締結した場合、締結日から7日以内にレインズへの登録が義務付けられています(一方、一般媒介は登録義務なしです)。

 

逆に言えば7日目までは登録をしなくても問題ないといえば問題ないのです。「まだ媒介契約の取得直後かな?」と思って他のポータルサイトも確認したところ、完全に7日間は過ぎていました。しかも、レインズへの登録義務のある専任媒介契約でした。

 

この時点で宅建業法違反といえるのですが、不測の事故でレインズから削除されているケースもあります。いずれにせよ、内見は可能なのか、その仲介会社へ電話で確認してみました。

 

X社担当者 「何を見て連絡しましたか~? レインズ出てます?」
REDS井原 「スーモですね。レインズには出ていませんでした」
X社担当者 「あ~、レインズに載ってないのはストップですね~」
REDS井原 「!!??」

 

ストップ=止める=囲い込み。レインズに故意に掲載していないことを自白しています。どんな理屈を並べても、これは完全なる宅建業法違反ですから、極めて悪質であり、当局に行政指導される事案です。こんな悪質な業者はお客様軽視の傾向が強いのでこれ以上かかわらないことです。

 

お客様に経緯をご説明し、ご判断を委ねました。こんなにあからさまな囲い込みは企業のコンプライアンスが重視される昨今、なかなかお目にかかれません。

 

オーナーチェンジ偽装による囲い込み

 

次に紹介するのは、宅建業法違反ではない巧妙な囲い込みの手口です。

 

オーナーチェンジ物件という言葉はご存知でしょうか? オーナーチェンジとは、現に居住している賃借人をそのままにして物件を売買することをいいます。賃貸借契約を継続した状態で、所有者(オーナー)だけが代わるために「オーナーチェンジ」と呼ばれます。

 

オーナーチェンジ物件は自分が住むマイホームではなく、投資用物件になります。ですから、マイホームをお探しのお客様のためにレインズで検索する際には、対象から除きます。

 

そこに目をつけたのが、オーナーチェンジを偽装した囲い込みです。

 

他社の営業マンの目に留まらないということは、他社のお客様へ情報が伝わらないわけですから、簡単に物件の囲い込みが成功します。レインズの画面に出てくる一覧表ではオーナーチェンジになっているのに、図面を開いてみると現況が「居住中」や「空室」の投資用ではない物件だと分かるようにしているのです。

 

売却を依頼している売主様は、自己の売り物件だけはレインズ上で確認ができます。なので、売主様が調べても、異常はありません。売主様は普通に売り出されていると安心しますが、実はマーケットでは存在しないのと同じ状態なのです。

 

契約しているお客様を平気で裏切るような行為に、私は心の底から怒りがこみ上げてきます。

 

あなたが売りに出している物件、本当に大丈夫ですか?

 

 

井原直樹(REDSエージェント、080-7564-4417、n.ihara@red-sys.jp)
長野県出身、宅建士。担当エリアは東京23区、埼玉県南部、千葉県西部、神奈川県。マンション売買を最も得意とする。
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