不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2020年10月23日
  • 公開日:2020年3月16日

マンション売却の転換期と予想される2020年 これまでの動向と今後の展開を検証

2020年

(写真はイメージです)

 

緩やかに上昇を続けてきたマンション需要と価格

 

「失われた20年」を乗り越えつつあった2000年代後半から2010年初頭にかけて、日本はリーマンショック・東日本大震災という未曾有の大きな危機に直面しました。特に前者は、都心部の地価が前年比で大幅に下落するなど、不動産市況に大きな影響を与えました。

 

2010年代に入ると、第2次安倍内閣の発足に伴うアベノミクスによる超低金利政策の実行、東京オリンピックの開催決定、外国人観光客(インバウンド需要)の増加、海外からの資金流入などの要因に加えて、都心部での相次ぐ再開発事業が地価上昇を後押しし、不動産市況は活況を呈して今日に至っています。

 

こうした背景のもと、新築分譲マンションは、東日本大震災による資材価格・人件費の高騰、地価の高騰などの影響もあって、1980年代のバブル期以上に価格が高騰するという状況です。

 

新築分譲マンションの需要と供給

 

不動産経済研究所のデータによれば、2019年12月の首都圏の新築マンション価格の平均は5,876万円で、前月比407万円(7.4%)の上昇となっています。前年同月と比較すると、20万円(0.3%)のダウンとなっていますが、直近3年間でみると、2017年1月の6,911万円が最高値となっていて、緩やかな下降曲線にありますが、以降も高止まりを続けている状況と言えるでしょう。

 

2019年の新築マンションの新規販売戸数は、31,238戸となり、前年比15.3%減、供給戸数ピークの2000年(95,635戸)に比べると3分の1以下となっています。価格は上昇する一方、供給数は減少するという売り手市場です。

 

中古マンションの需要と供給

 

中古マンションも新築マンションと同様、価格が上昇傾向にあります。東日本不動産流通機構のデータによれば、2019年の首都圏の成約物件価格は3,442万円(前年比3.3%増)で7年連続の上昇。成約件数は38,109件(前年比2.4%増)で、2017年の37,329件を超えて過去最高となり、初めて38,000件を超えるという結果となりました。

 

新規登録件数は204,891件(前年比1.0%減)で、過去最高となった前年を下回ったものの、2年連続で20万件を超える高水準で推移しています。物件数・物件価格・成約件数ともに上昇・増加傾向にあり、売り・買いのいずれにおいても中古マンションの人気が高まっている状況です。

 

高まる中古マンション人気の背景

 

戦後の高度経済成長期以降、日本の住宅業界は「スクラップ&ビルド」、つまり古くなった住宅は壊して建てるという、新築至上主義ともいえる時代が長い間続いていました。その一方で、少子高齢化・人口減少が徐々に社会問題化してきました。空き家の増加、環境問題への意識の高まりなどを受けて、政府は2005年に「住生活基本法」を施行し、従来の政策を大きく転換した「中古住宅の流通促進」を打ち出し、そのための様々な政策的バックアップを行っています。

 

また近年は住宅のリノベーションに注目が集まっていることは皆さんもご存知の通りです。前述した新築マンション価格の高騰もこの傾向に追い風となっており、新築物件の検討層に中古物件の並行検討を促す要因の一つとなっています。リクルート住まいカンパニーの調査によれば、2018年に新築分譲マンションを購入したユーザーの44.7%が中古マンションも並行検討したと回答しています。

 

不動産における2020年問題への懸念

 

ここまで、不動産マーケットを取り巻く環境について述べてきました。ここからは今後の不動産市況、とりわけ東京オリンピック以降にどのような展開が想定されるかを考えてみたいと思います。

 

東京オリンピック閉幕

 

近年の不動産市場の活況については前述した通りですが、これらの事象の背景に、東京オリンピックが関わっていることは誰もが認めるところでしょう。そのため各種メディアでは「東京オリンピック後に不動産の暴落が起こる」といった専門家の主張も見られ、その懸念が世間に広がってきています。

 

(一財)日本不動産研究所の調査「第41回不動産投資家調査」(2019年10月実施)によれば、アセットマネージャーや投資銀行などがみる現状の東京のマーケットサイクル(市況感)について、現状および半年後も「拡大期の後半」にあるとした回答が81%(前回2019年3月調査比2%増)となりました。

 

市場は、回復→拡大→縮小→後退→回復…と循環していますが、不動産価格の高騰などから期待利回りが低下傾向にあり、ピークアウトが近々あるのでは、と考える投資家が多い結果と言えそうです。ピークアウトによって価格が下落する前に保有物件を売却し、利益を確定したいという心理が高まれば、需給のバランスが崩れ、不動産価格の下落・暴落という事態に進む可能性があると言えるでしょう。

 

米大統領選挙・東アジア情勢・コロナウイルス

 

2020年の大きなイベントとして、11月に控える米大統領選挙が挙げられます。言うまでもなく、日本経済は米国経済の影響を強く受けており株価の連動性も高くなっています。政権は、選挙戦を有利に進めるために、景気維持のためのさまざまな政策を展開していくものと考えられ、株高が予想されますが、選挙戦の展開や選挙の結果によっては政策の転換も考えられ、日本株が下落トレンドに入っていくシナリオも想定されるでしょう。

 

他にも、香港のデモ・米中対立・北朝鮮情勢、最近ではコロナウイルスによる世界経済への影響なども今後引き続き注視していく必要があります。というのも、不動産価格は遅効性があり、80年代後半〜90年代初頭のバブル崩壊、リーマンションのいずれも、株価が急落してから半年〜1年後ぐらいに不動産価格が底値に入っていきました。そういう意味では、株価は不動産価格の先行指標と言えます。従って、株価のトレンドをしっかり押さえておくことは、不動産価格の動向を知る上で極めて重要だと言えます。

 

中古マンション市況を取り巻く環境の変化

 

中古マンション市況については、前述の通り、政策的な後押しと新築分譲マンションの価格高騰が背景にありますので、東京オリンピック閉幕による影響は限定的と考えられます。しかし今後加速度的に進む少子高齢化・人口減少の影響が中古マンション市況に与える影響は極めて大きいと言えるのではないでしょうか。

 

少子高齢社会においては、相続件数が相対的に多くなります。相続人が引き継いで居住・保有できない場合は、賃貸や売却という選択肢が検討されます。2025年には、日本人の3人に1人が65歳以上となり、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になるということもあり、これまで以上に相続に伴う不動産売却の増加が予想されます。マーケットに中古住宅が大量流入することによって需給のバランスが崩れ、価格が著しく下落するリスクを念頭に置いておく必要があるでしょう。

 

まとめ

 

2020年は大きな国際的イベントが多数控えており、世界情勢の大きな転換点となるかもしれません。そして、不動産の売却においては、最適なタイミングの見極めが難しくなる1年と言えるでしょう。そのため、常に最新の情報を得ながら、不動産会社はもとより、税理士や弁護士、ファイナンシャルプランナーなど信頼できる専門家のアドバイスを受けながら、最適と考えられるタイミングを逃さないことがポイントとなります。

 

 

浅羽 明信
これまで建設業界紙の記者、不動産業界誌のライター、不動産広告業などに従事。マクロ・ミクロ双方の観点から行う不動産マーケットの分析記事を得意とする。

 

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