日本テレビ系連続ドラマ「家売るオンナの逆襲」第4話が1月29日に放映されました。北川景子が演じる天才不動産営業の三軒家万智(北川景子)の言葉を通じて、人生と家とのかかわりを描くドラマですが、前回のシリーズは「家を売ること」そのもののアイデアやその様子を描くことに重点が置かれていたのに対し、今回は「家を売ること」に加え、万智を取り巻く職場の人間模様や社会問題と家との関わりなどのテーマにも触れるようになったようにも思われます。

 

第3話ではLGBTを取り上げましたが、今回は働き方改革や世代間ギャップを取り上げています。また、不動産的には若者に人気のリノベーション物件のこともしっかり絡ませていました。さらに、ゲスト出演者の北原里英が所属していたAKB48元メンバーに関する小ネタもクライマックスで出てくるなど、全方位的に見どころが散りばめられていました。

 

ジェネレーションギャップ

(写真はイメージです)

 

意外、テーコー不動産はホワイト企業だった!

 

テーコー不動産新宿営業所では、万智の夫である屋代課長(仲村トオル)が朝礼で「働き方改革」の方針を説明しています。テーコー不動産の人事本部より、「働き方改革」のプレ導入として、試験的に月間の労働時間を190時間以内にするとの指示があったとのことです。月間の所定労働時間が1日につき8時間、月間20日間として160時間とのことですから、月30時間、1日当たり1.5時間以上の残業はしないように、とのお達しです。

 

屋代は終業時間には職場に音楽が流れるようにして、帰宅を促すようにしました。もともとやる気のみえない鍵村(草川拓弥)や事務員の床島(長井短)は、終業の音楽と同時にさっさと帰宅します。もっとも、チーフである足立(千葉雄大)は「残業は減らせ、売り上げは上げろ」では矛盾していると反発を隠そうとしませんし、万智は会社の言うことなどどこ吹く風で残業しまくっています。屋代もいきつけのスナック「ちちんぷいぷい」で会社の矛盾を愚痴るばかり。

 

そもそも「働き方改革」とは何でしょう。これは、安倍政権が「一億総活躍社会の実現」のために掲げた政策であり、働く人々が「それぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するもの」であるとされています。ポイントは2つあり、①労働時間法制の見直し②雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、となっています。

 

2018年7月には「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が成立し、この中で、残業時間の上限を規制する法律が初めて定められたことは、歴史的なエポックメイキングかもしれません。残業時間は、原則として月45時間、年360時間を上限とされ、大企業は2019年4月1日、中小企業は2020年4月1日から、この規制が適用されることとなりました。

 

テーコー不動産の取り組みは、この残業時間の上限規制の法律施行を背景としたものだといえるでしょう。法律の施行に先立って今から試験運用を始めたこと、上限も法律の規制である月45時間ではなくて月30時間とより厳しい規制となっていることから、テーコー不動産の少なくとも経営陣、人事畑の方たちは、働き方改革の必要性に敏感で、ホワイト企業を目指しているのかもしれませんね。

 

世代ギャップが生み出す家への価値観

 

今回の客は、定年間近の山路功夫(佐野史郎)。自身は住宅ローンの返済が終わり、結婚した娘の満島花(北原里英)と婿の満島健太郎(田村健太郎)の夫婦のために3,000万円を資金援助し、2000万円程度を娘夫婦のローンで近所の高円寺あたりに5000万円くらいの家を購入したいとのことです。

 

山路は「家はステータスシンボルであり、少し背伸びをするような物件を持ってこそ働き甲斐もあり出世する意欲も湧くものだ」という考えを披露し、万智も3軒ほど資産価値が高く投資物件としても価値のある家を紹介します。しかし、健太郎は全くと言っていいほど出世欲がなく、花も資産価値など良いからオシャレな家がいいと言い出します。働き方と家に対する考え方が世代間でまったくかみ合いません。

 

働き方に関する考え方の違いは、テーコー不動産の仲間にも波紋を投げかけます。

 

足立はフリーランスの不動産屋の留守堂謙治(松田翔太)に「なぜ会社員でいるの? 絵描きの様に好きな時に働き好きな時にエネルギーを貯めるフリーランスというやり方もある、自由にやれば万智なんかよりも売れるだろう」とささやかれ、心が揺れます。

 

庭野(工藤阿須加)は、鍵村になぜこの会社にいるのかと聞かれ「お客様にとって家は人生最大の買い物、家はお客の人生そのもの、家を売ることはお客様の人生をプロデュースすることでやりがいと喜びを感じる」と立派なことを言います。しかし、「年金だって払うだけで貰えるかどうかもわからない、会社は自分たちのことなど考えてくれない、もっと好きなことをやりたいし、俺らしい大事な才能をつぶされちゃう」という鍵村に返す言葉もなく、むしろ落ち込んでしまいます。

 

山路や屋代は、家庭を顧みず身を粉にしてがむしゃらに働くことを自身の喜びとすることを肯定しつつ、そうした生き方は時代遅れかもしれないとうっすら感じている世代として描かれています。また足立や万智、庭野などは、働くことやその成果を喜ぶことが大事だとは思いつつも、頑張り過ぎてすり減ってしまうのもよくないと感じる世代。満島夫婦や鍵村などは、働くことよりも個人の生活の充実を求めていると思われます。

 

こうした世代間の考え方の違いは、庭野が言っていたように、個人の気持ちのなかでは、大きさや重さが揺れ動きながら共に存在するものかもしれませんね。

 

各世代が大事にしている価値観を妥協させないことが万智の解決策

 

バーでたまたま行き会った満島夫妻にオシャレなベイエリアのマンションを紹介した鍵村は、購入の申し込みをしてもらえますが、山路は「そんなマンションに金は出さない!」と怒ってその申し込みを撤回させました。

 

万智は、山路に対し、わがままな娘のためではなく、もっと自分たちのことを考えた方がいい、妻の夢だった喫茶店を夫婦で経営すればいいとして、2階はバリアフリー、1階は居抜きの喫茶店の物件を紹介し、今の自宅から住み替えるよう説得。娘婿の健太郎の賛成もあって、7,000万円で販売することに成功しました。健太郎も3,000万円もの資金援助を受けることは重荷だったのです。

 

資金援助がなくなり、ひとりふてくされている花のために、万智は満島夫婦でも買える予算1,500万円の団地のフルリノベーション物件を紹介しました。「ささやかだけどおだやかな心優しき幸せ」を追い求めるご夫婦にもぴったり、とささやき、満島夫婦も申込書にサインです。

 

団地のフルリノベーションは、築年が40年以上と古く格安な物件を改装しているため内装はピカピカでも非常に割安であり、機能性やデザイン性も向上していることから、現実の世界でも若い世代に人気です。2018年には、東京都立川市の団地の一室を最新のloT技術を駆使した家具・家電付きリノベーション住宅のモデルハウスがオープンし、話題を呼んでいます。このあたりはさすが、最新の不動産事情を折り込んでいるなと感じました。

 

「345」より「830」で万智が敗北

 

満島夫妻にも見事フルリノベーション物件を販売したかに見えましたが、そこに留守堂が現れ、そのマンションの部屋番号が「345」だと吹き込みます。すると花が、健太郎が結婚前に二股をかけていた「ミヨコ」という女の名前を思い出させるから買えないと言い出します。ちなみにこの「345」は「さしこ」と読め、元AKB48で北原里英の盟友であり、ニックネームが「さしこ」である指原莉乃を連想させるとファンはざわついていました。こうした小ネタもこの番組のお楽しみですね。

 

留守堂は、バーで満島夫妻と知り合い、どうやら色々リサーチをしていた模様でした。そして満島夫婦が矢沢永吉の熱烈なファンであることを知り、矢沢永吉にちなんで「ヤザワ」と読める830号室を同じくフルリノベーションし、部屋を矢沢永吉関連のグッズで埋め尽くして紹介しました。そうやって客を横取りしたのです。

 

満島夫妻へのリサーチが足りず、すんでのところで売却に失敗した万智は「負けた」とつぶやきます。細かいリサーチに基づく客への配慮を武器に家を売ってきた万智にとっては、留守堂にその分野で負けてしまった自分が許せなかったのではないでしょうか。

 

ここからは同業者としての深読みですが、もともと5,000万円の予算で家を買いにきた山路に7000万円の家を売りつけ、買い替えなので自宅の売却も任せてもらえるわけでしょう? 山路は3,000万円の自己資金があったのですから、おそらく自宅は4,000万円で売却を見込んでいるわけです。当初の山路の申し出どおりに家を売っていたら、5,000万円の購入の仲介でしかなかった取引が、今回の取引では7,000万円の購入と4,000万円の売却を仲介することになったのです。取引額は1億1,000万円と本来の2倍以上ですので、連動して手数料も単純に倍以上です。

 

1,500万円の売却くらい、留守堂にくれてやってもいいじゃないですか。そう思ってしまうのは、働き方としては拝金主義的で美しくないでしょうか?

 

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

 

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