少子高齢社会に伴う人口減少で住宅需要が落ち込むのに伴い、820万戸に上る空き家問題が住宅・不動産業界に影を落としている。特に新築住宅の供給はマーケットとしての拡大は見込めないことから、いわゆる中古住宅(マンション・戸建住宅)をいかに活用するかに視点が移っている。

 

ひと昔前とは違い、新築信仰が徐々に和らぎ始めている。最近は購買力のある消費者でも、あえて新築を選ばずに、中古マンションを購入してリノベーションしたり、大幅にリフォームしたりして自らの好みにあった住まいを探す傾向が見て取れる。ライフスタイルに合った立地の中から中古住宅を選択するケースも増えた。

 

住まい選びの最重要ポイントは不動産仲介会社の選択

(写真はイメージです)

 

選ばれ始めた中古住宅と透明性を目指す不動産業界

 

そうした中古物件を購入する窓口となっているのが仲介会社だ。三井不動産系の三井不動産リアルティが展開する『三井のリハウス』、東急不動産系の『東急リバブル』、フランチャイズ店を展開する『センチュリー21』などが大手として業界に君臨している。これらに地域密着型の中小不動産会社を合わせると、実に10万社を超える不動産会社が存在している。

 

一般消費者は、数ある不動産会社の中から1社を選び、一生の買い物と言える住宅を購入することになる。一般的な消費者が不動産事業者に抱く印象は「なにか無理に住宅を勧められそうだ」「相場より高い値段で売り付けられるのではないか」「取引の透明性に不安がある」とネガティブなところが多いのではないかと思う。

 

ただ、最近は不動産会社や業界団体は、そうしたイメージから脱却し、信頼の高い業界としての発展を目指している。欧米のように中古住宅市場に厚みを持たせることが急務だと考えているからだ。業界では、住宅の売買市場での情報の透明性と公正な取引を損なう行為を指摘する声が日増しに高まっている。

 

中古住宅流通を活性化することの重要性を指摘する声は、専門家や学識識者の間でも相次いでいる。「不動産の情報提供について、米国の不動産物件情報提供システムであるMLS(Multiple Listing Service)と比較すると見劣りする」との声や、売主と買主の双方から仲介手数料を得るために、正当な理由なくほかの業者への物件紹介を拒否する「顧客の囲い込み」の克服は早急な対応が必要だなどの声は多い。彼らはマーケットに透明性がなければ売買の活性化につながらないと危機感を抱いている。

 

囲い込みの仕組みと双方代理の矛盾

 

この「囲い込み」とは、売主から物件の売却を依頼された不動産会社が、他の不動産会社に契約させないで売主と買主の双方から手数料収入を得るのが目的である。

 

 

つまり、ほかの仲介会社から「いま売り出されている○×マンションの▲号室の物件を気に入っているお客さまがいるので案内させてほしい」と電話を受けても、「いま商談中、すでに申し込みが入っている、お客さまや担当者の都合が合わない、販売中だが売り止めになるかもしれない」などとあらゆる理由が付けて断り、自ら買主を見つけてきて売主と買主の双方から手数料を徴集する。両手仲介と呼ばれるもので、両方から手数料が入れば単純に2倍のフィーが手に入る仕組みだ。

 

 

 

本来、売却仲介を受けた不動産会社は、国土交通大臣指定のデータベース「レインズ」に物件情報を登録し、不動産会社同士で情報共有することになっている。しかし、レインズに物件登録してすぐ取り下げるなどの策を弄(ろう)して物件情報を出さないところも少なくない。

 

こうした状況は、ほかの不動産会社に買いたい顧客がいるのに、マッチングした顧客がいるのに、それを排除して物件を何カ月間も売却できない状況を作ってしまうことにつながる。こうした現状を踏まえて、レインズのシステム上で売主が自らの物件の登録状況を確認できる管理システムが2016年1月に導入された。売主の了解なしに事業者の判断で紹介を拒否することを防ぐのが狙いだが、その効果は未知数といったところだろう。

 

不動産仲介会社にとって手数料の最大化を図るのは当然であるが、なぜ売主と買主の両方から手数料を得ることが問題なのか。それは、立場の違う双方の代理を同じ目線ですることがそもそも不可能だからだ。売主としては、「なるべく高い値段で売りたい」し、買主は「なるべく安く手に入れたい」となる。仲介事業者にとっては、高く売却すればその分手数料収入が高くなると考えるのが普通であり、そうだとしたら買主の安く買いたいという要望と反してしまう。

 

よく引き合いに出されるアメリカ事情としては、売主と買主にそれぞれ仲介事業者(エージェント)が付いて、それぞれの代理人として利益の最大化を図っている。

 

仲介手数料は自由化するべきか

 

日本の不動産売買仲介の手数料は、400万円以上の物件の場合「売買価格×3%+6万円(税別)」を上限と宅建業法で定められている。売買価格200万円以下の手数料は5%、同200万円以上~400万円以下の手数料は4%+2万円だ。

 

仲介業者は、この法定数字に近い数字で売主・買主の双方から手数料を受領しているのが現状である。もう最初から売主と買主から3%ずつ計6%を念頭に置いて取引しているのだ。特に物件価格が安い地方の事業者は、営業経費を回収するには売主と買主の両方からフィーをもらわなければ利益が出ないとしている。強力なマンパワーを持つ大手でさえも、人件費がかさむため利益を捻り出すには売買双方から手数料をもらうしかないとの論調で一致している。

 

週刊住宅がまとめた「主だった不動産流通各社の仲介実績」を見ると、平均手数料率は4~5%台が多くを占めている。同紙の調査によると、売主と買主の双方から手数料をもらう両手仲介であっても、どちらか一方だけの片手仲介であっても1件としてカウントしているものの、2017年度の平均手数料率は『住友不動産販売』が5.27%、『東急リバブル』が4.17%となっている。最大手の『三井不動産リアルティ』は、賃貸・賃貸管理と関連の収益などを含んでいるため、取扱高と手数料収入の連動性が低いとして手数料率が算出されていないが、公表数字をもとに単純計算すると、手数料率は5.10%となっている。

 

2017売買

 

売買2015

 

売買2014

 

売買2013

 

売買2012

 

言ってみれば、仲介会社は、高額物件のお金持ちからは目いっぱいの手数料を狙わないで、一般サラリーマンの実需向けの取引で目いっぱいの手数料を稼ぐという構図が浮かび上がる。ここでも「金持ち優遇政策」が見て取れる。

 

ただ、仲介手数料はオフィスビルなど商業用不動産や投資物件、実需向け物件などタイプによって差が出る。一般的にビルなどの商業用不動産は売買価格が高いため、手数料を満額もらわなくても多くの手数料が手に入る。実需であっても億ションなど高級物件も同様だ。そのため、そうした不動産を多く扱っている仲介会社、法人向けに強い仲介会社などは手数料率が低く算出される傾向がある。

 

この仲介手数料率の自由化に向けた議論が必要だとの声は、以前から根強く存在している。こうした見方の背景には、消費者は手に入れたい住宅があれ手数料が高くても購入するし、そうではない人気が乏しい物件は手数料を低くして流動化を図ることができるというもので、市場原理に任せた方法が公平だというものだ。

 

そもそも不動産に同じものは一つとしてない。物件の価値に見合った手数料が設定できれば、結果的に両手仲介をしなくても事業が成り立つことにつながるとして、手数料の自由化を求める業界関係者は少なくない。

 

国土交通省は、2018年1月1日から物件価格の安い取引の手数料を引き上げた。地方など物件価格が安い取引は、仲介会社の利益が出ないどころか持ち出しが出てしまい赤字になるとの声を受け、400万円以下の物件取引は仲介手数料に加え、現地調査などに要する費用も報酬として受け取れるようにした。不動産事業者のコスト負担を軽くするとともに、空き家の流通促進を狙ったものだ。ただし報酬額の上限を18万円と定めている。

 

消費者の住まい選びのコスト意識は高まっている。物件選びの上で住宅の品質とグロスの価格だけでなく、不動産取得にかかる各種税や登録手続き手数料に加えて、仲介手数料がいくらなのかを比べて不動産会社を探すことが重要になっている。

 

(不動産のリアル編集部)

 

 

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