住まいの購入は、一般の人にとって人生で最大の買い物と言っていい。物件価格が高くなった現状を見ると、東京23区のファミリー向け新築マンションならば6,000万~7,000万円台となり、専有面積が70㎡に届かない50~60㎡の住戸でも4,000万円台後半から5,000万円台前半で販売されている。

 

高根の花になりつつあるのは、なにも新築に限らなくなってきた。中古マンションであっても、東京23区で駅近なら築10年の住戸が4,000万円台後半~5,000万円台で売り出されているのをざらに見る。

 

一次取得者(初めて購入する)層のサラリーマン年収400万~600万円から考えると、マンションを購入するのをためらわざるを得ない状況だ。仮に購入したとしても35年間の長期で住宅ローンを組めばその返済が待っている。終身雇用制度の崩壊と年功序列による給与形態でなくなった現代にあって、ローンはひと昔前よりも重荷になっている。

 

一方、いくつも、そして何度もマンションを売り買いしている人もいる。そう、個人投資家さんである。民主党政権が倒れ、自民党・第2次安倍政権が誕生し、アベノミクスと呼ばれる経済政策の発動から徐々に企業業績が回復し、史上最低の金利水準というおカネが借りやすい状況を受けていわゆる「サラリーマン大家」が急増した。

 

彼らの行動と思考、そして失敗から、一般消費者がマンションを購入する際に学べることはないだろうか。

 

個人投資家に学ぶ住まい選び

(写真はイメージです)

 

利回りを改善できる物件を探す

 

ひと口にサラリーマン大家と言ってもさまざまなタイプが存在している。新築のワンルームマンションを区分で購入する人もいれば、中古マンションを複数に分散して区分で購入したり、一棟ごと購入したりする。なかにはボロ戸建て住宅やボロアパート、再建築不可の物件などにも投資する。

 

投資家は、利回り(年間家賃収入÷物件購入価格)を見て物件を購入する。物件価格が安いと利回りが高くなり、物件価格が高いと低利回りという関係だが、中古マンション・アパート・ボロ物件を購入して利回り20~30%、なかには40%をたたき出す投資家もいる。

 

値段は激安。私が取材したあるサラリーマン投資家は、東京から電車で1時間半ほど離れた無稼働の賃貸アパート(5室)を150万円で購入し、リフォームに250万円ほどをかけて数カ月で満室にした。実質利回りとして50%近くをたたき出していた。旅行会社に勤務する40代の女性は「築年数は30年以上の築古で、なかには40年、50年以上を購入して運用している。

 

区分マンションと戸建てを購入し、2年ちょっとで売却した。区分マンションは400万円台で購入して600万円台で売却できた」と話す。その後も家賃収入を増やすために物件を買い続けているという。運用物件からの毎月のキャッシュフロー(賃料収入)と、これまでに売り買いで得た売却益を武器に銀行から資金を引き出す。

 

また、別の投資家は300万円ほどでボロ戸建て住宅を購入して1300万円ほどかけてリフォームし、外国人向けの住まいとして貸し出したあと、2倍近い価格で売り抜けた。彼らは一般的に投資物件を購入したら最低5年間は保有する。短期売買だと税金が多く取られるので、個人で保有する場合は5年を超える運用によって長期譲渡の税率20%となってから売却する。

 

狙った物件の周辺情報を徹底的に調べる

 

投資家の物件の売り買いを見ていると、実需(実際に住むため)での住宅購入の参考になる部分は少なくない。投資家が物件を買う際には「いかに優良な物件を割安で買い、利回りをいかにして最大限に高めるか」という目線で動いており、狙いをつけた物件の住環境を徹底して調べ上げる。たとえば、人口動態を調べて流入人口をチェックしたり、行政サービスの充実度、小学校の学区や教育水準、塾の情報などを調べてその地域の「民度」を把握したりする。

 

こうした情報収集のための行動は、自宅としてマンションを購入する実需層にとっても同じである。住み始めてからローン完済後までを見据えてエリアをチェックする。地域の所得データをまとめた書籍や各自治体ホームページから高額納税者の人数を調べて地ぐらいを測ったり、将来の人口流入を予測したりすることで、将来にわたっての行政サービスを冷静に判断することが可能となる。

 

また、成功している投資家の特徴は勤勉であることが共通点だ。不動産取引やローンについてはかなり詳しい。不動産取引の関係法令を熟知している人も多く、判例・事例を調べて知識を蓄えている人もいる。

 

「こちらが詳しければ不動産事業者や銀行などへの質問も的確にできて、不動産会社や銀行も真剣に的確に答えてくれると思う」と、約80戸を運用するメガ大家は話す。もちろん、そうした知識がないからと消費者をぞんざいに扱うような業者や銀行は淘汰されるだけだと思うが……。つまり、間違いなく言えることは情報戦を制することが失敗しない道につながっているということである。

 

やっぱり不正融資をやっていたスルガ銀行

 

今年前半は、「かぼちゃの馬車」事件が話題に上った。運用物件に空室が発生しても月額賃料を保証するサブリース事業者が、資金繰りが付かずにサブリースができなくなって倒産したというケースだ。そのサブリース事業者は、個人投資家に土地を買わせて女性専用をうたったシェアハウスを建てさせていた。投資家にシェアハウスを販売することでサブリース賃料を捻出していた自転車操業だったことが分かっている。

 

その土地・建物建設の融資を担当したのがスルガ銀行で、現在、新聞紙上をにぎわしている。本来なら融資審査が通過しないような属性の人にも書類を改ざんするなどして融資していたことが問題になっている。賃貸事業の事業性を無視し、周辺の賃料相場もたいして調べずに審査をおろそかにして貸し出した。

 

ただ、スルガ銀行のこうした融資姿勢は、個人投資家の間では2~3年前から「これからなにかあるとすればスルガが引き金になる……」という噂が少なくなかった。「二重契約をして物件価格を操作したり、預貯金など金融資産の数値を改ざんしたりなどの手口が横行していた」など真偽不明の情報がそのままトラブルとして表面化した感がぬぐえない。

 

どんな投資の失敗話にもあることだが「自分だけは大丈夫だ!」と高をくくって失敗した人が少なくないのも今回の事件の特徴だ。老後の安定生活、年金を補完する収入源としてシェアハウス運営に乗り出したものの、サブリース業者と銀行選びで失敗したケースと言っていい。

 

かぼちゃの馬車で購入した土地・建物の価格は相場よりも高めだったこともあって資産を売却しても残債が残る状況に陥っている。被害に遭った投資家は、満室稼働に向けて早期に動き出さなければ破綻に追いやられてしまう。

 

銀行の融資姿勢についても触れておこう。銀行には、融資の審査にあたっていくつかの原則が存在する。公共性、収益性、成長性、流通性(処分性)などで判断するのだ。公共性とは安全で快適な居住空間を提供できているかであり、違法建築物や耐震性能に問題がある物件ではないことなどを確認する。もちろん、非社会勢力に属する人には貸し付けしない。収益性とは、将来の貸し倒れリスクを判断し、そのリスク度合いに合った金利での融資をすることだ。

 

最後の処分性とは、たとえ融資先がデフォルトに陥っても、マーケットで適正価格により速やかに売却・換金できるかという視点である。これは銀行に限らず住宅ローンを組んで購入する一般消費者の物件選択時の判断基準にも通じるものだ。たとえば会社が倒産してローンが払えなくなったときに売り出し、適正な価格で販売できてローンの残債が残らないようにする。そのためには立地を厳選したり、頭金を多めに出してもらってローン借入額を抑えたりといった発想につながる。

 

一生に一度のことだから、しっかり情報収集を

 

自分の住まいを購入するというのは、馬力がいるのは言うまでない。大金をはたいて「ああ、この家買わなきゃよかった……」という事態を招かないようにするためのノウハウ・情報の収集が欠かせない。弁護士やお医者さん、企業経営者など所得の高い人が不動産投資に失敗する例は少なくないが、情報不足と現地を見ないで物件を買うといった横着さから来ていることが多いようだ。

 

マイホーム購入は「一生に一度」のこと。この先の人生にずっとついて回ることなので、情報収集やちょっとした勉強はめんどうがらずにしておいて損はないはすだ。情報に振り回されずに情報を制する。自分の身の丈にあった計画で、最高の住まいを手に入れてもらいたい。

 

(不動産のリアル編集部)

 

 

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