2018年6月6日付日本経済新聞朝刊に「郊外マンションの逆襲  都心高騰で割安感、発売急回復」という記事が出ていましたので、概要をご紹介します。

 

〈3行サマリー〉 ・低迷していた首都圏郊外の新築マンション販売戸数は前年同期比で2桁の伸び・都心の新築物件は価格高騰で一般サラリーマンには高根の花のため、割安さを求める動き ・駅が大混雑する武蔵小杉など、集中すれば弊害が出てくるので、利便性を競い合う動きに期待

 

不動産ニュース,郊外マンション

(写真はイメージです)

 

高すぎる都心の新築から逃げ出すサラリーマン

 

ここ10年くらい、都心のマンションに人気が集中し、郊外のマンションは中心購買層のサラリーマン世帯でも買い控える傾向が強い状態が続いていました。しかし最近、都心では商業施設などと開発用地の奪い合いが激化し、販売価格が跳ね上がっている。また、建築資材や人件費の高騰から、販売価格がとても高いという状況になっています。

 

不動産経済研究所(東京・新宿)によると、2017年の東京23区の新築マンションの平均販売価格は前年比8.5%増の7089万円で、これはバブル期以来の水準です。もはや庶民にとって都内で新築マンションを買うことは夢のまた夢といってもよいのかもしれません。また、高給取りの人にとっても 「これだけ値上がりしていると資産価値の下落も大きくなりそう」と考えて手が出にくいのではないでしょうか。

 

一方、首都圏でも神奈川や千葉などは下落しています。2012年に1,350万円だった23区と首都圏郊外のマンション平均価格の差は、2017年に2,300万円を超えました。都心は利便性や価格水準を満たした開発物件を発掘するのが難しくなる一方で、郊外はまだ余裕があるためとされています。

 

都心の物件に人気が集中し、街の人口が爆発的に増加すると、子育て世帯が増加して保育所や学校の整備が追いつかないなどのひずみも出てきます。こうなると、23区内の一部の区ではマンション開発に制限をかけるようなルールを作る動きも出てきました。たとえば中央区は容積率緩和を一部地域で廃止する方針ですし、江東区も家族用マンションの戸数を規制する条例を定めました。

 

そんな面倒なルールを作られては、とデベロッパー側も郊外物件へ関心を移しているのです。首都圏郊外の2017年の発売戸数は前年比5%減だったのが、2018年1~3月は前年同期比14%増と反転し、18年の首都圏郊外の物件供給は2万1,000戸と5年ぶりに前年を上回る見通しだそうです。

 

 

人気は「タワー」「駅近」「再開発」

 

とくに人気なのが、「タワー」「駅近」「再開発」などの物件だそうです。都心に買うのをあきらめた人が買う物件ですから、これらの条件が求められるのは当たり前のことでしょう。資産性が高く維持されるのも魅力です。

 

相模原市で売り出されたマンションは「駅から徒歩3分」で、「伊勢丹相模原店まで徒歩1分」。快速急行に乗れば新宿駅まで約30分という強い利便性が武器。1期の供給戸数69戸に対し、申し込みは66戸もあったそうです。郊外の新築マンションでは、申し込みが供給の半分にも満たないことが多い中、異例といえます。中心価格帯は6,000万円台と郊外にしては高額にもかかわらず、です。

 

一方、神奈川県藤沢市には駅から徒歩5分圏内に坪単価が270万円超と周辺相場を上回る物件があるのですが、売れ行きは鈍いといいます。その一因は、特徴あるタワーマンションが少ないためとされます。

 

 

武蔵小杉では通勤ラッシュ時に駅が大混雑

 

郊外マンションへの移動は、ここ数年の都心回帰、一極集中を解消するためプラス面もあります。それを促すために魅力あるタワーマンションや駅近物件は続々と開発されるでしょう。しかし、タワーマンションが林立する川崎市の武蔵小杉駅では、ラッシュ時の大混雑が大きな問題となっています。消費者が利便性を求めることは自然なことですので、ひとつの地域に一極集中しないよう競い合う開発が望まれます。

 

〈参照サイト〉

日本経済新聞「郊外マンションの逆襲  都心高騰で割安感、発売急回復」(2018/6/6付け)

 

(不動産のリアル編集部)

 

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