住宅購入の際、通常は住宅ローンを組みますが、近年は晩婚化や出産年齢の高齢化の影響などで、ある程度年齢が上にいってから住宅ローンを組む人が増えています。

 

退職後も住宅ローン返済が続くケースが多くなりますが、そういった人は、いわゆる「老後破産」のリスクが高くなることをご存じでしょうか。今回は、年齢が高めで住宅ローンを組む場合のリスクや対処法について考察します。

 

住宅ローン

(写真はイメージです)

 

マイホーム購入者の年齢層が上昇している理由

 

厚生労働省の「人口動態統計月報年計(平成27年)」によると、平成7(1995)年には女性の出産年齢は25~29歳が最多でしたが、20年後の平成27(2015)年の調査では30~35歳の年齢層が最多に。35歳以上の女性の出産も、上昇を続けています。住宅購入は家族構成が定まってから行う人が多く、結婚・出産などのライフイベントが遅くなればマイホームを考える時期も後ろにずれ込みます。

 

筆者のところにも、30代後半や40代で初めて子供を授かり、急いで住宅購入しようと相談に訪れる人が少なくありません。ほかにも、「自分たちは賃貸でいい」もしくは「住宅購入は無理」と考えていた40代の世帯が、過去にない低金利に触発されるケースもあります。住宅ローン控除やすまい給付金などの手厚い政策なども相まって、それまでマイホームを諦めていた家族が、最後のチャンスと相談に来る場合も多いです。

 

退職後までローンの支払いが続いてしまうのはどうして?

 

住宅ローンは借入額や返済期間などで個人差が大きく、一概に「〇歳を過ぎたら危険」と断じることはできません。しかし、契約年数が退職までの年数を上回る場合はリスクが高くなります。定年が65歳とすると、30歳以後に35年間の住宅ローンを組めばその時点で退職後までローンの支払いが続くことになります。多くの人は、繰り上げ返済や退職金をあてにしてローンを組みますが、実際にはうまく返済できないことがよくあります。そこには3つの誤算があると考えられます。

 

(1)ライフプランの誤算

 

子供の成長とともに教育費が増え、繰り上げ返済ができなかった。40~60代の働き盛りに親の介護が発生し、仕事と収入が圧迫されてしまった、などのケース。

 

(2)給料増加への誤算

 

給料が年齢とともに上がると見込んでいたが、思ったより上昇が小さかった、上昇はしたが給料のピークが想定より早く、50代での収入が下がってしまった、などのケース。

 

(3)退職金と年金の誤算

 

退職金が想定よりも少なかった。一括繰上げ返済用に自己資金を用意しておいたが、年金の受給年齢がひき上げられ生活費に割いてしまった、などのケース。退職後の継続雇用(再雇用)後の収入が思ったよりも少なかった場合も含みます。

 

これらの誤算があると、退職前、もしくは退職と同時に完済するはずだった住宅ローンが残ってしまうかもしれません。

 

 

初めてローンを組むとき年齢が高めの人はどうすればいいのか

 

住宅ローン契約時に年齢が高いときのリスクを軽減するには、2つの方法が考えられます。1つは物件価格を抑えたり頭金を多めに入れたりして借入額を抑える方法です。定年後まで返済が続いても、返済額の負担が少なければ返済不能に陥るリスクは少ないです。

 

もう1つは、最初から返済期間を退職までと決めておく方法です。返済期間が短いことは、借入審査上でも有利になるかもしれません。返済期間が短いほうが返済の安定性が増すので、より低い金利が適用される可能性があるからです。

 

リタイア後にローン支払いをする選択をすることの是非は

 

退職後に住宅ローンの返済が続くことは、必ずしも悪いわけではありません。低金利の今は金利負担が軽いので、じっくり返済していくのも選択肢の一つです。

 

特に、特定の疾病になると住宅ローンの支払いが免除される団信に加入している人は、「35年」のように長期にわたる契約の方がいいという考え方もあります。年齢が上になっても返済を続けることで、団信(生命保険)のお世話になれるかもしれません。

 

たとえばガン特約に加入している人がガンになった場合、所定の条件を満たせば住宅ローンはなくなります。繰り上げ返済せず預貯金を温存しておけば、それを手術代や通院費にまわせます。もしもの時に備えて一括繰り上げ返済できる預貯金を確保したうえで、あえて繰り上げ返済せず資金を確保しておくのです。

 

もちろん、じっくり返済していってもいいのは、預貯金がしっかりあり、リタイア後も毎月きちんと返済できる人に限られます。退職後は住宅ローン返済が継続できない、ほかの支出を圧迫するなど余裕がない場合は、退職前に返済を終えられるよう考えていけなければなりません。

 

現在返済中のローンによって「老後破産」しそうな場合は

 

すでに退職後の返済が厳しいことが分かっている人もいるでしょう。万が一にでも「老後破産」とならないためには、在職中に約定どおりの金額のほかに返済する「繰り上げ返済」で借入額を減らしていかなければなりません。繰り上げ返済には2種類あります。

 

返済期間短縮型」… 毎月の返済額は変わらず、返済期間のみを短縮させる

返済額軽減型」… 返済期間は変わらず、毎月の返済額を減らす

 

総返済額をより大きく減らせるのは「返済期間短縮型」で、こちらを選択する人は多いです。繰り上げ返済の目的は、総返済額を軽減させるためのものではなく、早く住宅ローンを完済させるために行うものです。退職まで返済が問題ないのであれば返済期間短縮型を選ぶべきですが、在職中から返済が苦しくなるのであれば、返済額軽減型で毎月の負担を軽くしていきます。

 

既述の、「ライフプランの誤算」「給料増加への誤算」をご覧いただき、在職中の返済にも留意したうえで繰り上げ返済を行いましょう。

 

以前は繰り上げ返済の最低価格は100万円程度でしたが、最近は10万円や1万円など、少額でも可能です。退職間際まで資金を貯めてまとまった額にしてからという人もいますが、資金を貯める自信がない人は、少額をこまめに繰り上げ返済していってください。

 

 

プロフィール
横山晴美(ライフプラン応援事務所代表)
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。(AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー)

 

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