不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年8月14日
  • 公開日:2018年3月17日

中古物件再活用の挑戦は新築信仰を変えるか? 現場の熱さに不動産のプロも感嘆

さまざまなテーマを掘り下げて特集するテレビ東京の『ガイアの夜明け』ですが、先日の放送(2018年3月6日)は、「『中古』に価値がある!~“新築信仰”に挑む~」と題して、古い住宅の再活用に挑む事業者たちを紹介するもの。

不動産のプロとして、非常に興味をそそられるテーマでした。

 

現在、首都圏では新築分譲ラッシュが続き、近郊3県では建売業者の用地買収競争が熾烈(しれつ)を極めています。そんな市場にあえて中古で勝負をかけるなんて、いったい、どのような企業戦略があるのでしょうか。

 

中古物件

(写真はイメージです)

 

リノベーション事業の対象物件は戸建にも広がる

 

最初に紹介されたのは、戸建住宅のリノベーション事業を展開する「株式会社カチタス」さんでした。

 

番組によると、使われていない空き家は全国に約800万戸あるそうです。それらは売るに売れず、ただ朽ち果てていくものも多いとのこと。今回の取材で取り上げられたのも、そうした戸建のひとつでした。相続はしたものの自分や親族には住む家が他にあるため、売るしかないという持ち主の家がカチタスさんのリノベーションの対象となったのです。

 

その物件は茨城県のつくばみらい市にあり、駅から遠く、築年数も古いため買い手がつかなかったとのことでした。そのため、買い取り依頼をネット経由で1,200軒の不動産会社に出したにもかかわらず、返答は1社のみという惨状。その1社がカチタスさんで、番組では買い取り査定の様子から細かく紹介していました。

 

リノベーション目的の買い取りですから、査定は通常の売却査定とは違い、再生が可能かどうかに力点が置かれていました。このように購入理由をはっきりさせた上での査定には、大きな意味があります。結果として安い金額になるかもしれませんが、ただ買いたたくのではなく、「再生して売却するためにはこの金額となる」と自社の査定根拠をキチンと述べる姿勢こそが、中古住宅市場の活性化につながると思われるからです。

 

というのも、業界にはリノベーションして再販することを目的とした、古いマンションの「買いたたき」が横行しているという現実があります。なので、番組を見ていて「前提をはっきりさせるとこうも違うのか」と感心させられました。売主としてはこれといってすることもなく、ありのままの状態での売却だったようですが、とてもありがたかったのではないかと思います。

 

ただ、ビジネスとして重要なのは、リノベーション後の売却が成功裏に終わるかどうかです。果たしてどの程度のリフォームを行い、どれくらいの価格で市場に出すのか、成り行きに興味津々で見ていました。

 

リフォームは絞り、価格で勝負

 

1200社の不動産会社が無視する中でカチタスさんが購入に至ったのは、この物件に地域性に見合った好材料があったからでした。建物は築38年と古く、雨漏りするほど傷んではいましたが、それは補修可能ですので、他に何かメリットがあれば十分に市場性は見込めるとの判断だったのです。

 

それは、複数台の駐車場を確保できる敷地でした。駅前の駐車場に車を止めて電車で通勤や移動をする人が多いという地域柄から、家族それぞれが別に車を利用できれば、駅から徒歩圏内の物件でないというデメリットを埋めることができる、というわけです。

 

さらに、物件総額がメリットを後押しします。売却想定価格は1,000万円台前半。手慣れたリフォームで経費を削り、ローン利用で月々3万円台というとても手頃な価格での購入を実現しました。

 

こうして全国1200社が見放した物件が、カチタスさんの看板商品として生まれ変わり、販売会には続々とお客さんが訪れていました。成約のシーンこそ見られなかったものの、そのときも近いだろうと想像できました。

 

中古住宅の価値が見直される時代へ

 

業者の奪い合いになっているマンションはともかく、今後は戸建て市場でも、リノベーション済みの中古物件の需要は確実に増加すると思われます。今回のカチタスさんもそうですが、全国展開するリノベーション業者が増え、これまでだったら改築するしかなかった住宅が、商品として再生されるケースが増えていくためです。

 

それにともない、自身でリフォームをする個人や、資産価値を守るために日々の手入れを入念に行う人も増えていくことでしょう。

 

「家を買ったけどローンの支払いに追われ毎月大変です」。不動産の現場にいると、そういう声をよく聞きます。そうした声はほとんどが、価格が高い新築住宅のユーザーです。しかし、新築ほど価格が高くなく、新築に近い内装や設備が整った中古住宅ならば、家計負担を減らし、快適さの質も落とさずに済みます。

 

住宅選びの本質は、家という「ハコ」を買うのではなく、「生活」を買うものです。これまで、家を買う人にいくらそう説明しても理解していただけませんでした。それがいよいよ変わりつつあると、今回の『ガイアの夜明け』は実感させてくれるものでした。

 

古い住宅からよみがえる廃材

 

続いて紹介されたのは、長野県の廃材活用業者「リビルディングセンターJAPAN」さんでした。リビルディングセンターJAPANさんでは、解体予定の古民家や築年数の古い中古住宅を訪ね、再利用可能な廃材を回収して販売していました。

 

廃材はその名の通り、これまでは捨てるか一部では燃料にするしか用途のないものでした。それが商売として成り立つということに大きな衝撃を受けました。今後、こうした業態が成熟していけば、ごみ収集や建材の乱伐採という問題も、解決に近づくかもしれません。

 

とはいえ、事業はまだスタートしたばかり。すべてが順調とはいえないようですが、最近では首都圏から購入者が現れるなど、古い部材に価値を見いだす人も増えているようです。

 

番組では、推定樹齢200~300年の一枚板のケヤキや、同じく250年以上のクロマツが紹介されていました。これらの部材は「古の趣」を売りにする商業施設などに利用が限られていましたが、そのテイストを個人住宅にも取り入れていこうとする人が増えているそうなのです。

 

廃材のリサイクルといった観点からも、とてもいい傾向にあるといえます。その傾向を潮流にしようと、リビルディングセンターJAPANさんでは、古材を使っての中古住宅の再生にも取り組んでいました。リフォーム需要を促進することによって、古材の流通性を高めていこうというわけです。

 

番組ではリビルディングセンターJAPANさんの隣町に住む男性の住宅で、古材リフォームの様子が紹介されました。古い物件ですから断熱設備など備えておらず、大幅な改修が必要のようでしたが、断熱技術の専門家を交えて「古くて、かっこよくて、快適な家」を実現していました。

 

こうした取り組みは広がっていくのでしょうか。実は、首都圏でもレトロで趣ある住宅に人気が集まりつつあるそうなのです。東京の世田谷では、築85年・木造平屋建の賃貸物件に古材リフォームを施したところ、それまで月額15万円だった家賃が20万円にまで跳ね上がったとのことでした。

 

古いものには、新しいものとは別の魅力がある。こうした価値観はカフェや美術館、居酒屋などでは以前から認識されていましたが、個人住宅にもその波が押し寄せてきているのであれば、時代は確実に変わってきているといえるでしょう。

 

中古住宅をぜひ購入の選択肢に

 

新築住宅全盛の今こそ、中古住宅で市場に挑む不動産会社の動きには大きな価値がある。はっきりと、そう実感させてくれる今回の『ガイアの夜明け』でした。

 

極端な廃屋でなければ、中古住宅であっても長く住むことは十分に可能です。住宅ローンの負担も少なく、住みながら自分好みのマイホームに仕立て上げていくことができる中古住宅。いま一度その価値を見直し、購入時の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

 

伊東博史(宅地建物取引士)
大手不動産仲介会社で売買仲介に約10年間の勤務。のべ30年間以上にわたり、大手と中小、賃貸と売買と、多角的に不動産業務に携わる。現職では売買と賃貸仲介と管理、不動産投資や相続のアドバイスを行う。

 

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※2025年11月09日現在 本社・首都圏営業所の数値

※2025年11月09日現在 本社・首都圏営業所の数値

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    144

    3 週間前

    担当してくださった下山さんには、大変お世話になりました。
    初めてのマンション購入で、物件選びはもちろん、ローンや保険など、細かな決め事や判断を無数に迫られる中、本当にわからないことや悩む場面が多くありました。

    そんな状況で、日々のメールや電話、内見にご同行いただいた際には、これでもかというほど質問をしましたが、いつもレスポンスが早く、とても親身にご対応いただけました。そのおかげで、安心して物件を購入することができました。本当に頼りになる方でした。

    仲介手数料も他社と比べて圧倒的にお得ですし、今後不動産に関わることがあれば、またぜひお願いしたいと思います。周りの人にもぜひ勧めたいです。
    このたびは本当にありがとうございました!

    1 か月前

    投資区分を購入しましたが、レスポンスが非常に素早く、スムーズに手続きを進めることができました。金額が大きくない案件にもかかわらず、親身になって対応してくださり感謝しています。(子供連れでの重説も快くご対応くぁさりました。)
    特に、売主側との交渉力が高く、専門的なコンサルティング助言もいただけたおかげで、納得のいく取引ができました。中古の一般の媒介物件で不動産投資を考えている方には、仲介費用も節約できますし大変おすすめです。
    もちろん自宅用をお考えの方には更におすすめです。

    1 か月前

    不動産流通システム【REDS】の小林響平さんに、一年越しでお世話になり、理想のマンションを購入できました。
    独身女性として、実需と資産形成を兼ねた物件購入には体力も精神力も必要で、正直とても不安でした。そんな中、小林さんは多くの内見に丁寧に付き合ってくださり、物件ごとのメリット・デメリットを率直に教えてくれる誠実な方です。

    予算内で見つけたブランドマンションを内見した際、「もう他にはないかも」と迷っていた私に、「外観もロビーも素敵だけど、陽の入り方が弱いから他を見たほうがいい」と率直に伝えてくださいました。営業トークではなく、本当に信頼できるアドバイスをくださる担当者です。

    物件探しに疲れて少し休んだ後、再スタートしたすぐの内見で、小林さんが「これはおすすめです」と自信を持って言ってくださった表情が忘れられません。あの瞬間、安心して決断し、契約まで進めることができました。

    再検討からわずか2週間。これまでの会話や、自分が大切にしてきた暮らしのイメージが自然と重なり、心から納得できる物件に出会えました。これから住み始めてからも、リフォームや将来の買い替えなど、また小林さんに相談したいと思っています。

    不動産購入に不安を感じている方、実需とともに資産形成を見越して検討したい方に、心からおすすめしたい担当者です。

    1 か月前

    5年前に不動産売却、購入で小野田さんにお世話になり、
    今回は両親の不動産購入で担当いただきました。
    いつもレスポンスが早く、問い合わせに丁寧に正確に回答してくださるので安心できました。
    両親は初めての不動産購入で不安に感じる点も多かったので、嫌な顔をせずに話に耳を傾けてくださるのも、とてもありがたかったです。契約書の内容など細かい点について私から色々質問してしまったのですが、メールだけでなく電話でも時間をかけて説明して下さったり、誠実に対応してくださって感謝しています。
    周りにも紹介しようと思います。

    1 か月前

    気になる物件が既に決まっていましたのでREDSさんにお願いしました。

    当初、仲介手数料のお見積もりをした際に無料とのことでしたので何かあるのではないかと勘繰ってしまいましたが(笑)
    内見までのスピーディーな段取り、ローンについての知識等全てにおいて満足することばかりでした。

    初めてのマイホームということで不安な中、担当の下山さんはとても親身に接して下さり、気持ち良くお引き渡しの日を迎えることができました。

    仕事や育児で物件契約に向けて取れる時間が限られてる中、要所要所を押さえつつしっかりとしたご対応が有り難かったです。
    ありがとうございました。