不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2020年1月8日
  • 公開日:2017年11月23日

「ヒロミ、自宅を作る」のリフォーム番組で宅建士が思うこと

毎週月曜日19時から日本テレビ系列で放送中のバラエティ「有吉ゼミ」の特別企画番組として、11月20日(月)、「『ヒロミ、自宅を作る。』完成披露SP~八王子リフォーム6か月完全密着」が放映されました。

 

芸能人でありながら大工の息子で、職人顔負けの技術と発想を持つヒロミが、芸能人や一般視聴者の家や部屋をリノベーションしていく人気コーナーの特別版です。今回は、都内・築31年・280㎡の自宅を豪華にリノベーションするというもので、その平均視聴率は何と19.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。人気のすごさが分かりますね。

 

昨今は不動産の査定やリフォーム・リノベーションをテーマにしたテレビ番組が多くなっています。株価やGDP、就職率や新卒内定率など景気指数が上昇している中、不動産市場にも多くの視聴者が興味を持つようになっているのかもしれません。私も視聴率19.9%を支えた1人として、2時間たっぷり楽しませていただきました。

 

リノベーション

(写真はイメージです。)

 

「常に緊張感のあるホテルのような家」がコンセプト 7つのポイント

 

カメラは今年の6月から、自宅を自力でリノベーションするヒロミの様子を追っています。リノベーションのコンセプトは、「常に緊張感のあるホテルのような家」。グランドハイアット東京をイメージして、新居は「ヒロミ・ハイアット」と呼ぶようです。

 

リノベーションのポイントは以下の7つ。

 

  1. 広さと豪華さを演出するリビングの天井造り
  2. 天然石を使ったリビングの壁造り
  3. 家族がくつろげる暖炉
  4. 豪華な家電とインテリア
  5. 湿気に負けない快適な寝室
  6. 高級ホテル風のパウダールーム
  7. リビングの顔となるソファ

 

それぞれのポイントで、奥様である松本伊代やお子様への愛情を感じさせるコメントを残しながら、工夫と贅を尽くしてリノベーションが実施されていきます。使用される部材や家具も、思い入れに満ちた高級品ばかりです。

 

7つのポイントだけでなく、キッチンや中庭、階段やドレッサー・バスルームなども、隅々までこだわりに満ちていました。まさにヒロミの理想を追求した「我が家」の実現。ヒロミ自身も、毎日の仕事の前に必ず立ち寄り、「自分のウチだもん」と語っていました。自分自身の手でリノベーションをしようという方には、こうしたこだわりや情熱は必須なのかもしれませんね。

 

リビングや寝室は、壁や階段を取り外してスケルトン(骨組み)の状態までに戻した大規模なリノベーションです。30畳のリビングの天井はクロス張り。壁は石貼りです。装飾用の天然石(ロックフェイス)を1トン買い込み、1つ1つ水洗い。壁に網を張り、ピンで石を手作業で留めて接着剤で固め、目地はささらで細かく修正、という手の込みようです。

 

暖炉はバイオエタノールを燃料とした、すすや煙が出ない室内型の最新式。94万円分の家電や200万円分のインテリア、130万円のワインクーラー付き冷蔵庫やオリジナルのシステムキッチン、階段までオーダーメイドです。キッチンにはシートタイプの電気式床暖房を埋設し、中庭には暖炉まで。

 

なるほど、「ホテル」のコンセプトにふさわしい豪華なお家に見事にリノベーションされました。愛妻の松本伊代も感激です。筆者も、ただただ豪華やのう、と見ほれるばかりでした。

 

一般の方に参考になるリノベーションかしら…

 

しかし、一介の不動産屋としてこの番組を見て、何がコメントできるかと言われると「うーん」とうなってしまいます。古屋を自分の力でリフォームするというよりは、「元々の土台や柱を生かすという制約がある、注文住宅の施工の一部を注文主が手伝ったのね」という印象しかありません。

 

ましてや今回のヒロミのように、予算に制約なきがごとく、ふんだんに高仕様にこだわれるようなお客様は、店舗や事業用ならともかく住宅では、現実にはなかなかいらっしゃいません。一般の方がリフォームやリノベーションの参考にするというよりは、「こんなに豪華に家が生まれ変わることもあるんだなあ」と、その豪華さを素直に楽しむ番組だったのでしょう。

 

首都圏の中古住宅の平均価格は3,105万円。リノベ費用はこれにプラス?

 

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)は、不動産会社が登録した不動産売買の成約実績を統計化して公表しています。11月10日に発表された2017年10月の月例速報では、首都圏の中古戸建ての売買実績は1,086件、平均価格3,105万円、土地面積146.17㎡、建物面積105.48㎡、平均築年20.94年となっています。

 

参考:月例速報 Market Watch

 

建物面積105.48㎡は、坪に換算すると約31.90坪です。平均的な首都圏の中古住宅に比べて、280坪のヒロミの家がいかに広いか、これだけでも分かりますね。

 

ともあれ、首都圏で中古住宅を購入してリフォームやリノベーションをしようと考えるなら、その費用はおおむね、中古住宅の平均価格3,105万円にリフォーム・リノベーション費用がかかると考えると良いでしょう。

 

もちろん「平均価格3,105万円」というのはあくまで平均で、リノベーション・リフォーム済みの家や、豪邸も含まれた数字です。築年数が古く改築や修理履歴のない家は、平均価格以下での購入も可能でしょうし、リノベーション前提であればそうした家を探す必要があります。

 

しかし一般的には、中古住宅の建物の価値は、築年数20年以上だとほとんど考慮されません。売買実績の平均築年が20.94年ということは、建物価値はあまり考慮されず、おおよそ土地価格に近いレベルで売買されていると考えるべきです。

 

首都圏で中古住宅を購入してリノベーションをするつもりなら、中古住宅の平均売価/平均土地面積である、21万2,423円/㎡という土地単価は計算に入れておくべきです。購入費用がそれなりに多くかかるのを念頭に入れ、しっかり予算を取っておかなければ現実化は難しいでしょう。

 

自宅や空き家の再活性化でリノベーションの有効利用を

 

ヒロミの家のように、既に自宅を取得していて家族構成の変化やライフステージに応じて家を再活性化したいという場合には、リノベーションは改めて新築するよりも予算を抑えるのに有効かもしれません。設計事務所やインテリアデザイナーに相談して、ハウスメーカーの新築プランと比較検討してみるのも良いでしょう。

 

また、近年社会問題となっている空き家対策として、リノベーションによる有効活用は考慮に値します。

 

空き家問題は首都圏でも深刻で、例えば世田谷区は2017年7月末時点の区内の空き家が、2012年2月末時点の約3.5倍(966棟)になっていると発表しました。高齢者世帯向けの相談窓口の設置や生活困窮者への支援策などの対策計画を、来年10月をめどに策定するとしています。
参考:世田谷区 空き家対策の検討開始/NHK NEWS WEB

 

空き家の再活用に対して支援策を実施している自治体も数多くあります。「相続した実家が空き家になっている」というような方は地元の不動産会社に相談して、自治体の支援策などの活用を視野にリノベーションを実施し、資産の有効活用を検討してはいかがでしょうか。

 

早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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