不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年8月13日
  • 公開日:2017年9月27日

不動産取引の安全性を確保する司法書士の役割とは

マンションの売買など不動産仲介を行う有資格者は宅地建物取引士です。ただ、媒介契約から物件引き渡しまでのプロセスで登場するもう一人の有資格者として司法書士が存在することは、あまり知られていないかもしれません。司法書士はどんな場面で登場し、どんな役割を果たすのか、東京司法書士会所属の司法書士、仲西文夫氏にお話をうかがいました。(聞き手:不動産のリアル編集部)

 

対抗要件である登記を確実にやる

 
――不動産取引における司法書士の役割から教えてください。
 
仲西 司法書士の最大の役割は不動産の取引の安全性を確保することです。「不動産会社や相手方が信頼できないから、契約の段階から書類を確認してほしい」と依頼されることもあるのですが、通常はいろんな手続きを経て、決済を行うという、最終局面に出ていくことが多いです。
 
そこで行うのは「登記」です。登記には目的によって種類が異なりますが、マンション取引で想定されるのは、購入や贈与、相続する際に必要な「所有権移転登記」と、ローンを組む際に必要な「抵当権設定登記」などです。このほか、ローンを完済した際の「抵当権抹消登記」、所有者の住所を変更する「住所変更登記」などもあります。
 
――登記は何のために行うのですか。
 
仲西 登記は「対抗要件」を取得することが最大の目的です。対抗要件というのは簡単に言うと、登記に記載されて初めて第三者に対して所有者であることを主張できるものです。たとえば二重譲渡の場合、先に登記をした方が所有権を主張できるんです。登記は本人でもできるのですが、報酬を得て代行できるのは司法書士の専業となっています。確実な登記をしてしまわないと百パーセントの安心はできません。やはりプロの手で行った方がいいと思います。
 
このほか、登記に至るまでに、取引される不動産の権利の内容が適正か、権利上隠れた瑕疵はないかどうかなどを登記簿でチェックします。次に印鑑証明などの書類が正しいか、売主に本当に売却の意思があるか、そして最も基本的なことですが売主・買主が本人かどうかなどの確認を行います。
 
――そういえば最近、大手住宅メーカーがなりすまし犯による詐欺の被害にあうという事件がありました。証明書や書類の偽造がないかを確かめることも司法書士の仕事なんですね。
 
仲西 東京は不動産の価格が高いので、土地や建物に絡んだ詐欺事件が実は頻繁にあります。手口もどんどん巧妙になっていますが、その分、チェックも厳しくやるようになっていて、ほとんどが前段階で阻止されているんですよ。本人確認は特に重要で、たとえば運転免許証のチェックにしても私たちには独自のやり方があります。中には、本人確認のプロセスで「俺を信用できないのか」と立腹される方もいらっしゃいますので、気を遣いながらやっています。
 

(仲西司法書士事務所 仲西文夫氏)
 
 

気になる手数料のこと

 
――不動産会社は業務提携している司法書士を指定することが多いです。ただ、主に手数料(報酬)のことを気にされてか、「こちらで探したい」という相談もあるようです。不動産取引の場合、司法書士に支払う報酬の相場を教えてください。
 
仲西 だいたい所有権移転登記と抵当権設定登記で10万円くらいでしょうか。一昔前は手数料の額については法務省の規程がありまして、そんなに幅があるものではありませんでした。小泉内閣の規制緩和でルールが撤廃されて価格が自由化されたのですが、前の報酬規程の範囲内でやっているところが多いのではないでしょうか。不動産会社から安定的に仕事の依頼があり、業務も定型化されていると、クオリティを保ったままで報酬の価格を下げることができます。
 
――不動産会社が指定する司法書士のほうがいいということでしょうか。
 
仲西 私の場合、売主・買主が各種書類のことを不動産会社から説明を受けているので、話が早く、仕事もしやすいと感じます。ある程度の本人確認もできていますので、私にとっても安心感もあるし、結果、スピード感も出ると言えますね。
 
――最近、知人や親類のようによく知っている相手方とは不動産会社に仲介を依頼しない「個人間売買」をする人もいます。登記などを依頼された場合、お請けになるなら金額はどのくらいになりますか?
 
仲西 そうですね。ただ前提として申し上げておかないといけないのは、瑕疵担保はどこまでか、固定資産税に未納はないか、管理費を積み立てているのかどうかなどの確認を全部個人でやるのは面倒でもあるし、リスクもあるということです。安心を求める方にとってはできれば避けて、プロに任せたほうがいいのではないでしょうか。
 
そのうえで、不動産会社を通さない場合はこちらも確認事項が増えますから、通常は10万前後ですが2割くらいアップするくらいで考えていただけたらと思います。物件価格にもよりますが、3000万円のマンションなどなら 15万円くらいになるでしょうか。繰り返しになりますが、マンションの修繕積立金の未納だとか瑕疵担保だとかまでは司法書士にはチェックはできませんので注意してください。
 
――司法書士の報酬にはあまり差がないということですが、請求額が高いところもあるんですか?
 
仲西 時おり他の司法書士の請求額を目にする事もありますが、相場よりも高いと感じる時もあります。コストパフォーマンスを考えたら、不動産会社が指定している司法書士ではなく、別に自分で探したいというお気持ちはよく分かります。ただ、よい仲介業者と提携している司法書士は信頼できると考えても間違いないのは確かです。
――司法書士はよしあしが分かりにくいですね。
 
弁護士は勝ち負けがハッキリしているので腕利きかどうかが分かりやすいですね。一方、司法書士は顧客とじっくり話をする機会もなかなかなく、直接対面するのは決済の場面くらいなので、大きな差はつきません。だからこそ、信頼できる不動産会社が必要なんですよ。料金が違うと言ってもせいぜい2、3万円くらいですから、優れた不動産会社なら、指定している司法書士を替えるのは賢明ではないでしょうね。
 
 

司法書士と不動産会社では、どっちに行くべき?

 
――最近では、サービス内容と料金をウェブサイトで示し、相続や財産分与のために所有している不動産を売却したいという一般客の入り口となる司法書士事務所も増えています。相続や財産分与について知識がないのでイチから教えてほしいという場合、司法書士と不動産会社では、どちらに先に相談するのがよいでしょうか?
 
仲西 相続や財産分与の相談だけの場合や、不動産に付随している権利関係がシンプルな場合であれば司法書士でいいのですが、土地やマンションの売買が絡んでくるときは、不動産会社に先に行かれる方がいいと思います。先ほども申し上げましたが、司法書士は売却しようとしている不動産に税の未納があるような事態の解決には踏み込むことができないからです。
 
――よい司法書士を探すよりも、よい不動産会社を見つける方が先決だということですね。では司法書士のお立場から、オススメできる仲介業者の特徴はございますか?
 
仲西 まずは話を真剣に聞いてくれる業者ですね。いかに大手と言っても、話を受ける担当者が雑な対応をするところもあります。ちゃんと話を聞いてくれて、その方にとって一番いい条件を探してマメに報告してくれるところは、大手という安心感に勝るのではないでしょうか。
 
また、実務能力の高さも挙げたいですね。優れた不動産会社は、お客さんや役所に書類を手配するにしても、早いし正確なんです。銀行のローン融資を受けていて、その日のうちに決済まで終わらせなくてはいけないのに、当日に印鑑証明書を忘れたり、権利書を忘れたりするお客さんはやはりいらっしゃる。
 
お客さんをサポートする不動産会社の担当の方がしっかりしていれば、決済なんてあっというまに終わるのに、事前の確認が不十分なために、2時間も3時間も無駄にすることもあります。
 
――本日は知られざる司法書士の実態を教えていただき、ありがとうございました。

 
 
司法書士 仲西文夫氏(東京司法書士会所属)
仲西司法書士事務所
東京都台東区上野5-5-8 第7協立ビル6階
 

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを ●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
    結果、売り出し価格で1回の内覧で決まり、満足しています。
    無駄な勧誘が一切なかったのもおすすめできます。
  • 50代女性(マンション購入)
    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
  • 40代男性(中古マンション購入)
    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
    大手の名前だけに騙されて無駄な手数料払うのは、勿体ないですよ。
    不動産流通システムさんで物件を売り買いするのに、大手に引けを取らないサービスをより安価に受けれますので
  • 40代女性(住み替え:購入・売却)
    不動産の売却・購入の両方お世話になりました。
    以前中古マンションを購入する際は、不動産ポータルサイトに掲載している不動産会社に問い合わせをしないと内覧ができなかったことが何度かあり、大手不動産会社に任せると、売却の際幅広く宣伝活動がされないのではないかという不安がありました。
    そこで、「囲い込みはせず、他社にドンドン広告掲載してもらい幅広い媒体で宣伝してもらう」「LINEからの問い合わせも可能」「仲介手数料が安い」の3点に惹かれ、お任せしました。
    担当の鈴木さんの明るく、お茶目な人柄も好きだったので、購入売却にかかる庶務も憂うつにならずに対応できました。 いつも家族のことや、部屋についてもポジティブなことを言ってくれるので安心してお任せしました。
    最寄駅にはないので、いつでも会って相談するというのむずかしいかもしれませんが、心配なことはメールや電話ですぐに対応してくれるので、私達には十分満足できました。
    結果としては売却も1ヶ月で売出価格で決まり、購入時のローンも紹介していただき、購入・住み替えもスムーズに決まりました。また住み替えの際にはぜひお願いしたいです。
  • 50代男性(マンション売却)
    マンション売却で、担当していただいた津司さんには本当にお世話になりました。
    次に住む所の相談と住んでいるマンションの売却を同時進行で行いましたが、分かりやすい説明と進め方の提示が手際良く、安心してお任せする事が出来ました。
    ネットで何でも調べられる時代ですが相手が何を考え、何を優先するかは会話の中でこそ分かると思います。プロフェッショナルを感じました
  • 30代女性(マンション購入)
    とにかくレスが早い。
    専門知識も豊富で、説明が分かりやすいです。
    担当してくれた方は非常に業界に通じており、ホスピタリティーに溢れていてかなり信用できます。 他社と比べて手数料もとても安いのでオススメの会社です。
  • 60代男性(戸建て購入)
    酒井智様にご担当して頂きました!細かい相談も小さな不安も毎回本当に迅速に対応して頂き、無事マイホームを購入できました!
    酒井さんは大変親切な方でREDSを選んで本当に良かったです。
    仲介手数料も無料で!今物件等お探しで検討してる方は絶対REDの酒井さんに相談してみてください!
※Google口コミより他の口コミを見る

一生に一度あるかの家の購入・売却…

相談したいけど、まだ買うか売るか決まっていない...

いきなり不動産屋さんへ相談に行くのはハードルが高い...

そんな方へ!LINEから気軽に相談でき、宅建士のプロが対応します。

宅建士が対応! LINEでご相談

LINEで気軽に相談したい方へ!