日本テレビ系・火曜夜10時から放映中のバラエティー「幸せ!ボンビーガール」。この番組内で、森泉(もりいずみ)さんが自腹の4,000万円で購入した古家を自力でリノベーションする模様を描く「泉お嬢様の空き家再生大臣」のコーナーが人気です。
 
不動産のプロとして、はばかりながら雑感と豆知識を2回ほどコラム記事にしたところ、番組人気のおかげか、そこそこの反響を頂くことができました。そこで9月12日放映の2時間SPでも、「二度あることは三度ある」を目指して、気の付いた点をご説明したいと思います。「仏の顔も三度まで」?いやはや…。

 
幸せ!ボンビーガール
(写真はイメージです)
 

賃貸物件の「お宝物件」が満載?それにはもちろん…

 
今回は「賃貸物件スペシャル」として、地域の相場よりも格安の物件を紹介していました。中目黒の2K物件は家賃相場11万1千円の地域で5万8千円、世田谷区下馬の1Kは相場9万2千円に対し5万8千円、広尾のロフト付き1Kは7万9千円です。いずれもエリア内では破格といえるでしょう。
 
しかし、世の中そう甘くはありません。相場より安い家賃には理由があります。
 
例えば中目黒の物件は、築年数50年超え、道幅60cmの私道から入る1階。庭付きとはいえ洗濯機置き場は玄関から出入りしなければいけない野外にあり、そこから洗濯物干し場までは隣家とアパートの間30cm幅を通り抜けなければなりません。また部屋の窓からは隣家の壁しか見えない状態です。
 
下馬の物件は、築年数47年の古アパート。いびつな八角形の部屋は至る所にデッドスペースがあります。経年により部屋全体にゆがみが生じ、天井高は2cmほど狂い、床にビー玉を置くとぐるぐる転がって部屋の中央に集まります。床全体が歪んで中心部がくぼんでいるのです。防災上、安全上も不安でしょう。
 
広尾のロフト付き1Kは、ロフトへの階段が70度を超える角度。階段面のデッドスペースを棚代わりに使用していて見た目は意外にオシャレですが、あまりに急なので居住者も「靴下を履いていては滑るので怖くて上り下りできない」ほど。酔っぱらったり、寝ぼけたりしていては惨事になりかねません。
 
このように、どんなに家賃面では「お宝」に見えても、必ず難点があるもの。番組も「ガマンポイント」として紹介していることから、難物件だと十分承知していることが伺えます。結構なガマンポイントを面白おかしく紹介し、それでもそのエリアにその家賃で住む価値があるかどうかを問いかけている、というのが本質なのかもしれません。
 
 

賃貸物件の家賃の決まり方

 
ここで、賃貸物件の家賃の決まり方を簡単にご紹介しましょう。
家賃は以下のような物件の特性を考慮して、大家さんの意向と近隣の募集実績を踏まえて決定されます。
 

  1. 築年数(新築or中古)
  2.  

  3. 立地(エリア、駅からの距離、周辺環境、主要生活施設との距離、平坦地、学区など)
  4.  

  5. 構造(戸建orマンションなど、木造or鉄筋など、階数、角部屋、眺望、バルコニーの有無、外玄関or内玄関、エレベーター、駐車場、駐輪場)
  6.  

  7. 設備(冷暖房、バス(シャワー・浴室乾燥機の有無)、トイレ(洋式or和式、洗浄機の有無)、洗濯機置き場、洗面台(シャワーの有無)、キッチン(給湯器の有無、コンロ口数)冷蔵庫置き場、ウォークインクローゼット、インターネット、CATV、インターフォン、セキュリテイ設備の有無)
  8.  

  9. その他(ペット可、子ども可)

 

まず新築物件は「新築プレミアム」といって、家賃は相場よりも高く設定されるのが一般的です。2回目の賃貸からは、通常は近隣相場と同様になります。そして築年数に応じて家賃は低下する傾向にありますが、およそ10年を超えると、横ばいに近く緩やかに低下します。
 
立地は重要です。人気のエリアほど土地価格が高く、一方で建設コストや設備のコストは都内ではほとんど変わらないため、供給側(オーナー)の立場で言うと、土地価格が高いエリアは家賃も高くしなければ収益が得られません。もちろん需要も大きいので、高い家賃でも借り手が付くのです。
 
番組内でも紹介されていましたが、山手線沿線を中央線で分けると、大雑把には南側の家賃が高く、北側が安いという傾向があります。繁華街が多く、交通の便が良くて人気がある新宿・渋谷・品川・銀座などの街が山手線の南側に多くあることの表れといえるでしょう。
 
また、構造や設備その他の「付加価値」は時代に応じて変わるものです。例えば現在は女性の一人暮らしも増えたため、セキュリテイ設備や内玄関、シャンプードレッサーなどのある部屋は人気が高く、家賃も高めに設定されています。バス・トイレ別は当たり前、インターネット接続無料も一般的になってきました。
 
ちなみに番組ゲストの青山テルマは、「部屋を選ぶ時に重視するポイントは?」との質問に、「水回りかな」と答えていました。水回りの清潔感は、毎日の生活でとても大切ですね。
 
 

新宿で家賃4万円の部屋を探す?

 

地方から上京する人は年に41万人。その多くが一人暮らしを始めるわけですが、そこで皆が驚くのは家賃です。番組では「大分で家賃4万円の部屋と同水準の部屋が、渋谷で借りると21万円かかる」と紹介していました。筆者も札幌出身で、東京の家賃の高さに恐れおののいた経験があるのでよく分かります。
 
番組では、愛知県の郊外出身の女の子(18歳)が上京した時に住む部屋探しをリアルに紹介していました。予算はバイトで貯めた20~30万円が初期費用で、当面バイトで生活する予定なので家賃は4万円程度。その他、譲れない内容として「新宿近辺」「風呂・トイレ付」「12畳以上」をあげました。
 
相談を受けた不動産会社は、思わず絶句(はい、私でもそうなります…)。しかし、そこは賃貸紹介のプロ、まずは東京全体の相場観を紹介しつつ、予算4万円で新宿エリアだとお風呂は付かない、ということを笑顔で説明します。そして何件かを実際に内覧します。
 
賃貸の仲介手数料は、基本的には家賃の1ヶ月分と法律で決まっています。店舗コストの高い新宿で営業し、車の維持費や人件費だってかかります。家賃の安い部屋を紹介しても収益的にはむしろ赤字のはず。それを嫌な顔一つしないで熱心に内覧して回っています。不動産屋さんってエライですねえ。
 
これは、希望の家賃で得られる物件を彼女自身の眼で確認してもらう必要があったのだと思います。不動産会社が玄関先で思わず「うわっ」と声を上げるような物件もありましたから。物件の良し悪しは、実際に見ないと分からないもの。彼女も実物を見て「12畳もなくても、それなりに広いかな」と思ったようです。
 
案の定、決めきれない本人に対して、不動産会社は新宿から電車で15~20分程度の吉祥寺あたりをお勧めし、支店を紹介しました。そこで当初の「新宿近辺」「12畳」という条件は満たせないものの、納得のいく物件を見つけ、見事成約ということになりました。
 
 

賃貸物件の選び方のポイント

 

このコーナーでは、賃貸物件探しのポイントが端的に示されていたと思います。
 

  1. 譲れない希望ポイントを事前に決める
  2.  

  3. 実際に条件に合う物件を内覧する
  4.  

  5. 「ガマンポイント」「妥協ポイント」を決める
  6.  

  7. 「ガマン」条件に合う物件を内覧する
  8.  

  9. 気に入った物件があったら迷わず決定する

 
初めに決める「譲れない条件」とは、あくまで希望です。全ての条件を満たす物件は、当然家賃が高くなります。それで決められるならば越したことはありませんが。そもそも、全ての希望が叶う物件に巡り会うことはなかなか難しいものです。
 
特に毎月必ず発生する支出、家賃の条件についてはよく考えましょう。通勤や通学に1時間以上かかる希望エリアを、徒歩10分で通えるエリアとすれば、時間や交通費を勘案して多少予算をアップすることも可能でしょう。一方、そのエリアに住むことの利便性やステータスが金額よりも重要、という価値観の方もいらっしゃいます。
 
また、希望エリアを郊外にしたり、駅からの距離を遠くしたりするだけで、予算に合った物件は多くなることも頭に入れておきましょう。「駅から徒歩5分」と「バス停から徒歩5分」では、物件の選択肢が圧倒的に違います。
 
物件選びは、いわば「生活に対する『価値観』を突き詰める体験」といっても過言ではありません。決断する際には、自分がそこで生活して幸せかどうか、を想像してみてはいかがでしょう?
 
 

今回の「空き家再生大臣」は天井を引っぺがすことに終始

 

ちなみに、肝心の森泉お嬢様「空き家再生大臣」コーナーですが、今回は、天井の板をはがす作業でした。これは、天井裏にある柱や配線を確認する上でも、リフォームの正しい手順だそうです。また電気配線の寿命は約30年のため、リフォームの際に点検・取替をするのが良いとのことです。
 
森泉お嬢様とお友達の業者、合計5人で1階・2階の天井板をはがしていると、雨漏り跡や草が生えている場所も見つかります。防水シートを張り直し、外板を打ち付けなければならないようです。また壁と屋根の継ぎ間にも亀裂があり、そこにも補修が必要なようです。
 
今回の本コーナーは延々と天井はがしの紹介に終始し、実はツッコミどころがありません。「船底天井」や「竿淵天井」など天井の種類、「インシュレーションボード」や「突き板」などの部材の説明、新築時の家内安全などを祈願する「幣串(へいぐし)」などの存在を番組では紹介していました。
 
とはいえ、著者は不動産屋でありますが工務店やハウスメーカー出身ではなく、こうした施工や建材の知識には疎いので、大変勉強になりました。今後も「再生大臣」のコーナーは、どんどんリフォームの様子を放送することでしょう。私もリフォームの知識を蓄えて、それに備えようと思います。
 
 
早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。
 

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