株式会社住宅新報社は、アンケート調査をもとに主要不動産会社の2017年3月期の売買仲介実績を取りまとめ、同年5月30日の『週刊住宅新報』で発表しました。

 
本年は昨年も調査した26社に、新興といわれる「オープンハウス」「東宝ハウスグループ」「イエステーショングループ」の3社を加えた、29社の手数料収入や取扱件数、取扱高、店舗数、およびそれぞれの前年比を発表しています。
 
この売買仲介実績について2回にわたり、分析してみたいと思います。
 

 

2016年は増収増益の大手不動産会社

 
29社の取扱高は、三菱地所リアルエステートサービスが最高の前年比58.3%を記録したほか29社中23社が前年比プラスとなっています。また仲介手数料収入も29社中25社が前年比プラス。総じて2016年は、好況であったと言えるでしょう。
 
また東日本レインズが4月に公表した2016年度の中古マンション成約件数は過去最高となり、成約物件価格も4年連続の上昇となっています。成約件数、成約価格の上昇が、取扱高の増加という形で反映されているといえます。
 

グループ分けして傾向を把握 取扱高は三井・住友がけん引する財閥系が圧勝

 
2016年の傾向を把握するために、全29社を、インディペンデント系、金融系、財閥系、新興系、電鉄系に分類してみました。
取扱高が一番多いのは、財閥系でした。東京都心部の大型プロジェクトなどが金額をけん引したのだろうと予想していましたから、結果自体に驚きはありませんでした。ところが実際は、三井不動産リアルティ、住友不動産の成約件数が、取扱高を押し上げていたという結果です。
 
成約件数は、1位の三井不動産リアルティが約3.8万件、2位の住友不動産が約3.6万件、3位のセンチュリー21が約2.7万件、4位の東急リバブルが約2.3万件。この4社で大手29社の成約件数の60%を占めているのです。
 
財閥系の平均単価は全体の平均よりやや低い3,912万円です。決して単価の高い物件の売買だけをしている数字ではありません。もっとも、三菱地所グループの平均単価は、予想通りぶっちぎり1位の2億3,507万円でした。
 
三井・住友・東急の取扱件数の多さは、やはり古くから全国展開をしてきた信頼と実績が大きく寄与していることは間違いないでしょう。独自の顧客管理システムや物件情報システム、豊富な関係会社、資本関係があることもその理由といえます。
 
一方で新興系や、インディペンデントグループはまだまだ成約件数や取引額が小さいことを指摘できます。なおオープンハウスは、都心部の、立地は良いのに三角地や線路脇など条件があまり良くない用地を取得して、極小住宅などを販売する独自の手法で、近年急成長した話題の会社です。
 
仲介手数料の料率
 
金融系は、野村不動産グループと他信託系不動産3社をグループとしています。1件当たりの取扱高は全社平均の約2倍です。法人取引のホールセールの伸びよりも一棟マンションなどの個人の不動産投資の成約が増えているようです。
 

取扱高も 三井・住友の2強は盤石? 僅差で追いすがる東急リバブル

 
上述の通り、売買取扱高は財閥系グループが金融系グループの1.5倍となっており、中でも1位の三井と2位の住友だけで29社合計の31%強の取扱額となっています。
 
そこに猛追しているのが、3位の東急リバブルです。成約件数は4位ですが、成約単価が高いため、取扱高では2位の住友不動産と僅差になっています。
 
これは、東急線沿線の人気の高いエリアで、自社開発した高級マンションやニュータウンの住宅を取り扱う機会が多いことが原因だと思われます。実は昨年の調査では、東急リバブルの取扱高は住友不動産よりも高い2位でした。
いずれにせよこの3社だけが取扱高1兆円を超えており、不動産業界のビッグ3と呼ぶにふさわしいでしょう。
 
センチュリー21は、成約件数こそ多いのですが、成約単価が低いため、残念ながら取扱高ではビッグ3には遠く及びません。地方のフランチャイジーによる成約が多いことも、取扱単価が低いことに関係しているのかもしれません。
 

手数料率は、大手29社のうち3%以下は1社だけ

 
最後に仲介手数料について見てみましょう。
この金額も「ビッグ3」が断トツです。各グループの手数料率は平均で4.62%。どのグループも平均で4%を下回るグループはありません。個別の会社を見ても、3%以下の会社は、三菱地所グループの2.98%だけとなっています。成約単価は断トツの三菱ですから、手数料率の値引きを迫られたのかもしれません。3%台の会社も29社中5社しかなく、29社中23社が4%を越える手数料率です。
 
手数料率1位の京急不動産をはじめ、5位の住友までが5%を越えています。三井、住友は手数料率でもトップクラスの会社ですね。東急リバブルも4.71%と健闘しています。さすがに大手は、手数料率でも向上に努めているのでしょう。
 

不動産会社の仲介手数料は、上限が決められていましたよね…

 
普通の業界分析ならば、これでおしまいです。しかし皆さん、何かおかしいことに気付きませんか?
 
ご存じの通り、不動産会社の仲介手数料の上限は宅地建物取引業で定められています。400万円を超える物件ならば速算で「売買金額の3%+6万円」です。
 
それなのになぜ、大手各社の手数料率の平均は、4%を越えているのでしょうか……?
これについては次回、詳しくご説明いたしましょう。
 
早坂龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング 代表取締役。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売り会社勤務を経て、2015年から北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料は半額以下になることを

東証一部上場企業グループの不動産流通システム(REDS)は、不動産売買の仲介手数料を半額から最大無料としつつも、お客様からの満足度の高いサービスを実現しています。

広告宣伝費などのコストを徹底的にカットしつつ、資質と経験を兼ね備えたベテランスタッフの運営でサービスの質は高め、お客様に利益を還元しています。

業界の常識を覆すREDSの新たなビジネスモデルは、「ワールドビジネスサテライト」「とくダネ!」などのテレビ番組をはじめ、各メディアでも紹介されています。    平日・土日祝日も営業中(9:00-19:00)です。お気軽にお問い合わせください。フリーダイヤルはこちら0800-100-6633


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る