住宅ローンというものに対して、「借金だから、あまり使いたくない」「頭金は多ければ多いほどいい」という考えを持つ人は少なくないでしょう。確かに住宅ローンは借金なのですが、強い「味方」でもあります。

低金利で組める上、住宅ローン控除という政府の支援もある今は、住宅ローンを賢く使った住宅購入を検討してみてはいかがでしょうか。


 
住宅ローン
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

住宅ローンは夫婦で返済する時代

総務省の「労働力調査」によると、共働世帯は1997年以降、ほぼ一貫して専業主婦世帯を上回っています。共働きが主流といえる昨今では、住宅ローンも夫婦で組むケースが増えています。
 
単に妻の収入分を審査時に考慮する「収入合算」という方法もありますが、それだけでなく近年は、妻もローンの名義人になり返済責任を負うなど、より夫婦それぞれの存在感が増す借入方法が主流のようです。
 

夫婦で住宅ローンを組む場合

夫婦で住宅ローンを組むには、大きく分けて3つの方法があります。
 
1. 連帯保証
 
夫婦どちらか1人が主債務者として住宅ローンの名義人になり、もう一方が連帯保証人になる方法です。住宅ローン控除や団体信用生命保険(以降「団信」)は主債務者のみが利用します。主債務者が夫の場合、妻に万が一のことがあっても住宅ローン契約に変化はなく、夫が1人で返済していくことになります。
 
2. 連帯債務
 
夫婦で主債務者、連帯債務者に分かれる方法です。連帯債務者は、同一の住宅ローンに対して主債務者と同様に返済義務を負います。住宅ローン控除は、夫婦とも適用可能です。
 
連帯債務者になるということは、共働きで夫婦が一緒に住宅ローンを返済するケースが多いです。そのため、夫婦どちらかに万一のことがあると返済計画が狂う可能性が高いので、夫婦そろって団信に加入するのが理想的です。
 
フラット35の「夫婦連生団信(デュエット)」ならば、通常の団信の1.56倍の料金で夫婦2人の保障を得ることができます。そのほか、三井住友銀行の「連生団信(クロスサポート)」も年利+0.18%という条件で、夫婦二人の団信に加入することができます。団信は、ぜひとも利用したいですね。
 
3. ペアローン
 
夫婦で別々に借入を行うのがペアローンです。当然、団信も住宅ローン控除も、自身の借入額に対して利用できます。ただし、住宅ローンの諸経費も2本分かかってしまいます。
 

共働きなら住宅ローンをフル活用できる

 
共働きの家庭では、それなりに預貯金がある世帯も多いでしょうから、頭金を多く入れて借入額を抑えるというのも1つの手ではあります。しかし、住宅ローン控除や低金利を活用するという観点からは、ぜひ預貯金を温存しておきたいものです。その理由を以下に挙げたいと思います。
 

理由1:借入額が多いほど恩恵が大きい

 
住宅ローン控除額は借入金残高に応じて決まる(年末の借入金残高の1%)ため、当然、借入金を多くした方が大きな恩恵を受けることができます。低金利下にある今は、金利約1%の住宅ローンもあります。うまくすれば、実質的な金利負担をほとんどなくして住宅ローンを組むことも可能なのです。
 

理由2:手元に資金があれば安心

 
低金利であることを生かして借入割合を多くするのは、決して悪いことではありません。手元に現金があれば、ご家庭の事情などで住宅ローン以外の特別な出費が発生しても安心ですし、一部を資産運用に回すなど選択肢も広がります。
 
それでも借入額が大きくなることが不安な人もいるでしょう。
 
しかし変動金利であれば、金利が上昇する前に預貯金で繰り上げ返済を行うこともできます。また固定金利であれば、返済額が将来変わることはないので、住宅ローン控除が終わるタイミングでの繰り上げ返済をしても、最後までコツコツ無理なく返済してもリスクは小さいでしょう。
 

理由3:返済リスクが少ない

 
そもそも、共働きで世帯年収がそれなりにあれば、住宅ローンの返済は安定するため、預貯金を温存していても返済が滞るリスクは少ないといえます。また個々の事情にもよりますが、世帯収入が高ければ、より低金利の恩恵を受けやすいです。
 
このように、住宅ローン控除や低金利を生かして預貯金を温存しておくのは有効な手段です。もちろん「高齢なのでローンを早く終わらせたい」「教育費の負担が大きいので毎月の返済額を抑えたい」などの個々の事情はあるでしょうが、基本的には、頭金のためにわざわざ預貯金を減らすメリットはあまりないでしょう。
 
注意点としては「共働きで世帯収入が高いけれど預貯金は少ない」という夫婦にはあまり向いていません。借入額を大きくするならば、万が一の時のために、繰り上げ返済できるだけの預貯金はあった方が安心だからです。
 

実際にどの程度お得なのか

 
住宅ローン控除を活用することでどの程度の効果があるのか、具体例でシミュレートしてみます。
 
【前提条件】
 
•物件価格 6,000万円
•金利 1.2%(全期間固定)
•借入期間 35年(ボーナス返済なし)
•住宅ローン控除 控除限度額は年間40万円(10年間)
•預貯金 1,000万円
 
※簡単のため、住宅ローン諸経費や団信などは考慮せず。千円未満は切り捨て。
 

シミュレーション1:頭金に預貯金を全額投入

 
預貯金1,000万円のうち700万円を頭金にして、残り5,300万円を夫名義で借入します。妻の稼ぎは収入合算し、連帯保証人となって住宅ローンを組みました。
 
住宅ローン控除額
 

控除額
1年目 40万円
2年目 40万円
3年目 40万円
4年目 40万円
5年目 40万円
6年目 40万円
7年目 40万円
8年目 40万円
9年目 40万円
10年目 40万円
合計 40万円

 

シミュレーション2:多めに借入を行う場合

 
頭金なしのフルローンですが、3,000万円ずつ夫婦で住宅ローンを組みます。
 

控除額 控除額
1年目 29.3万円 29.3万円
2年目 28.6万円 28.6万円
3年目 27.8万円 27.8万円
4年目 27.1万円 27.1万円
5年目 26.4万円 26.4万円
6年目 25.7万円 25.7万円
7年目 24.9万円 24.9万円
8年目 24.2万円 24.2万円
9年目 23.4万円 23.4万円
10年目 22.6万円 22.6万円
総合計 520万円
(各合計260万円×2)

 

控除額を比較すると、120万円もの大きな差が出ました。ただし、シミュレーション2は借入額が大きい分だけ総返済額も増えるという側面もあります。住宅ローン控除が終わったタイミングで繰り上げ返済するなどして、控除による恩恵が無駄にならないようにしたいですね。
 

住宅ローン控除の注意点

 
住宅ローン控除は所得税(個人住民税の一部を含む)から控除され、それを超える分は当然戻ってきません。そのため、例えば上記のシミュレーション2であれば、夫婦ともに500~600万円くらいの年収が欲しいところです。夫婦間で年収が異なる場合は、年収に応じて借入額を調整するなど、慎重に検討する必要があります。迷った時は、専門家に相談するのもいいかもしれません。
 

まとめ

 
かつては、物件価格の2割を頭金に入れるのが理想とされていました。しかし今では、低金利化や住宅ローン控除の存在もあり、必ずしも頭金を入れるのが正解というわけではありません。
 
住宅ローン控除は、条件さえ合えば大きなメリットがあります。恩恵を受けられる世帯ならば、積極的に住宅ローン控除を利用し、上手に住宅を購入していきましょう。
 
横山晴美(ライフプラン応援事務所代表)
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。(AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー)
 
 

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