不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 最終更新日:2018年3月3日
  • 公開日:2017年2月2日

2017年の住宅ローン金利動向ーわずかながら引き上げの動き

2016年1月に導入された「マイナス金利」は住宅ローン金利に大きな影響を与えました。その後、低金利状態が続き、現在はわずかながら引き上げの傾向にあります。2017年はどのように推移するのか、注目したいところです。

 
住宅ローン金利グラフ
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

マイナス金利以降の動き

 
まず、昨年からの住宅ローン金利の動きを、改めて確認したいと思います。
 
マイナス金利政策が導入された2016年1月以後、住宅ローン金利はどんどん下がり、同年8月には、10年固定の金利が0.5%という驚異的な住宅ローンも登場しました。
 
しかし9月には長期金利が上昇基調に転じ、住宅ローン金利もじわりと上昇します。その結果、12月は複数の大手銀行で、ピーク時の8月に比べ申込件数が減少に転じました。特に借り換えの減速感が激しい結果となりましたが、これはあくまでピーク時との比較であって、前年同月比で見れば決して悪い数字ではありません。
 

2017年1月の金利動向は

 
年が変わって2017年、1月はどのように金利が動いたのか、4大銀行(みずほ、三菱東京UFJ、三井住友、りそな)の前月実績からの推移を見てみましょう。(各行ホームページによる)
 
・変動金利 4行とも据置

・3年固定 りそな:0.05%引き上げ

・5年固定 みずほ、三井住友、りそな:0.05%引き上げ 三菱東京UFJ:据置

・10年固定 4行とも0.05%引き上げ
 
また、フラット35の最低金利(融資率9割以下の場合)も1.10%から1.12%に微上昇となっています。
 

住宅ローン金利の決まり方

 
こうした金利変動について考えるにあたり、金利の「決まり方」についても触れておきます。
 
短期金利は短期プライムレートの金利が、長期金利は10年物国債利回りの金利が、それぞれ大きく影響します。
 
短期プライムレートとは、銀行が優良企業へ短期融資をする際の金利です。優良企業向け、かつ1年以内の短期融資であるため、金利は低い水準となるのです。
 
また国債利回りについては、アメリカはじめ欧米の主要な国で上昇傾向です。日本は日銀が介入してでも金利上昇を防ぐ意向を発表していますが、これも世界的な動きに引っ張られる可能性はあります。急激に上昇するとは考えにくいですが、もし将来、日銀が現在の「金利抑圧」政策を転換することになれば、これまでの反動で金利が想定以上のスピードで上昇するかもしれません。
 
住宅ローン金利に注目する時は、日本・世界経済の動きをも注視し、金利変動には敏感でありたいものです。
 

金利が家計に与える影響

 
次に、住宅ローン金利が上昇すると返済額がどのくらい変わるのかを、実際のシミュレーションで見ていきたいと思います。
 
【前提条件】
借入額:5,000万円
返済期間:35年
返済方法:金利元利均等(ボーナス払いなし)
金利選択:全期間固定
 

金利 毎月返済額 総返済額
0.5% 13万円 5,452万円
0.8% 13.7万円 5,735万円
1.0% 14.2万円 5,928万円
1.3% 14.9万円 6,227万円
1.5% 15.4万円 6,430万円

 
※返済額の数値は概数です
 
上昇幅がわずかであれば、家計へのインパクトはそう大きなものではありません。例えば0.8%から1.0%への金利上昇(+0.2%)の場合、毎月返済額の差は5,000円、総返済額で見ると193万円の差ですね。これも決して小さい額ではありませんが、この程度であれば、頭金を少し多く出すことで吸収できる場合も多いのです。
 
頭金の有無で返済額にどのくらい変化が出るのか、これも先ほどの金利0.8%と1%のケースで見てみましょう。

 

金利 頭金 毎月返済額 総返済額
0.8% なし(借入額5,000万円) 13.7万円 5,735万円
1.0% 200万円(借入額4,800万円) 13.6万円 5,691万円

 
金利が1.0%となっても、頭金を200万円入れることで、毎月返済額はわずか1,000円の差となり、総返済額の差額も44万円にまで抑えられます。
 
住宅ローン金利はもちろん重要ですが、少しの金利増は頭金や繰り上げ返済で調整も可能です。頭金を多く入れる(融資率を減らす)とより低い適用金利を受けられるケースもありますし、金利だけでない総合的な返済プランを考えることが重要だということですね。
 

住宅ローン、急ぐべき?

 
将来の金利を確実に予測することはできませんが、2017年1月末現在では「上昇傾向」でも、「わずかに上がる」程度となっています。こうした中で、住宅ローンの利用や借り換えに動くべきかどうか、迷っている方も多いと思います。
 
借り換え
 
借り換えは、諸経費もそう大きくありませんし、検討中であれば積極的に利用したいところ。金利メリットが最優先です。時期を待つあまり、返済残高が減れば減るほど借り換えの効果を得にくくなるという問題もあります。
なお、申込の際は、金利の上昇も考慮して少し高めの金利で借り換え効果をシミュレーションをしておくことをおすすめします。その上で効果が見込めるならば、今が借り換え時期と言って良いでしょう。
 
新規借り入れ(住み替えも含む)
 
新規借り入れに関しても、既述のように頭金で借入額を調整できますし、住宅ローン控除の恩恵も受けられるため金利がわずかに上がったとしても十分にメリットは出せると考えます。
 
ただし、新規借り入れの場合は金利以外にも考慮すべきことが多く、一様に判断することはできません。
 

新規借り入れの場合に留意したいこと

 
新築や住み替えにおいては、安く借りることよりも、「納得できる住まいを見つけること」のほうが重要です。そして、ライフプランに合った時期での買い替えをおすすめします。
 
例えば、子どもが自宅通いの大学生ならば、今急いで買い替えるより、子どもの就職を待ってから夫婦の家を選んだほうが、より満足感の高い住まいを手に入れられるでしょう。長く住む「終の棲家」への住み替えであれば長期的な視野での住み心地を大切にしたいものです。
 
逆に、数年程度の居住を想定しているのならば、その後の転売も視野に入れた住宅選びが必要です。
 
いずれにしても、金利にこだわりすぎてマイホーム選びを妥協したり、購入時期を逃がしたりしないように注意しましょう。
 

住み替えならば、売却価格も考慮すべきか

 
住み替えの場合、もう1つ気になるのが売却価格です。もし仮に金利が上がれば、「金利上昇による買い控え→物件価格の値下げ」という構図も期待できる一方、売却額も下がる可能性があります。
 
とはいえ、そこまで考慮していると、住み替え時期を決められなくなってしまうきらいがあります。売り時・買い時・借り時、3つ全てのベストタイミングを図るのは難しいですね。金利の上昇傾向を踏まえた上で、今後起こりうるライフイベントなど家庭内でよく話し合い、ご家族にとって最適の「住み替えタイミング」を考えたいものです。
 

まとめ

 
2017年1月の住宅ローン金利は一部で上昇していますが、上昇の幅や期間については不透明で、もう少し状況を見守る必要があります。しかしこの上昇傾向を踏まえても今が超低金利であることは間違いなく、金利のために必要以上に焦る必要はないと考えます。
 
新規借り入れにせよ借り換えにせよ、今より少しだけ金利が高くなることを想定して計画・実行すれば、「思った以上に返済が大変だ」「借り換えの効果が小さかった」といった事態は避けられるでしょう。基本的には、多少時期がずれても低金利の恩恵は十分得られると考えます。「少しの損得」に振り回されることなく、機を見て決断していただきたいと思います。
 

横山晴美(ライフプラン応援事務所代表)
2013年にFPとして独立。企業に所属せず、中立・公平の立場で活動する。新規購入・リフォーム・二世帯住宅を問わず、家に関することなら購入額から返済計画まで幅広く対応。(AFP FP2級技能士 住宅ローンアドバイザー)
 

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを ●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを

嬉しい口コミも
多数いただいております

  • 40代男性(マンション売却)
    こちらでマンションの売却をいたしました。
    比較した大手の不動産屋よりも専門知識が豊富に感じ、なおかつ仲介手数料も安かったのでこちらにお願いしました。
    結果、売り出し価格で1回の内覧で決まり、満足しています。
    無駄な勧誘が一切なかったのもおすすめできます。
  • 50代女性(マンション購入)
    マンション購入にてお世話になりました。
    担当の鈴木朋子さんには、本当に親切にしていただき感謝しかないです。 いつも私たちの目線になり、分かりやすいアドバイスをしてくださりました!子供への気遣いも嬉しかったです。 何より、鈴木さんの表裏のない感じが私も夫も大好きです。(笑)
    不動産購入で後悔したくない方、安心して物件探しや手続きを進めたい方にはぜひお勧めしたいです! お世話になり、本当にありがとうございました。
  • 40代男性(中古マンション購入)
    中古マンション購入にあたり、いくつかの不動産仲介会社にあたってたところ不動産流通システムさんに辿り着きました。他の仲介会社さんは営業の電話が激しく、仕事の障害になる程でうんざりしておりましたが、不動産流通システムにて担当頂いた成田さんは、押し売りする様なことは一切無く安心して物件を探せました。

    女性ならではの細かい気配りと単刀直入に物件の懸念点をプロの目からアドバイス頂き、納得のいく物件選びができました。会社名が大手の不動産仲介会社ほど知れ渡ってはおりませんが、ネットでの口コミで良いサービスが良いものとして伝わり、より多くの消費者が良いサービスが受けれる様になればと思い書き込ませて頂きました。
    大手の名前だけに騙されて無駄な手数料払うのは、勿体ないですよ。
    不動産流通システムさんで物件を売り買いするのに、大手に引けを取らないサービスをより安価に受けれますので
  • 40代女性(住み替え:購入・売却)
    不動産の売却・購入の両方お世話になりました。
    以前中古マンションを購入する際は、不動産ポータルサイトに掲載している不動産会社に問い合わせをしないと内覧ができなかったことが何度かあり、大手不動産会社に任せると、売却の際幅広く宣伝活動がされないのではないかという不安がありました。
    そこで、「囲い込みはせず、他社にドンドン広告掲載してもらい幅広い媒体で宣伝してもらう」「LINEからの問い合わせも可能」「仲介手数料が安い」の3点に惹かれ、お任せしました。
    担当の鈴木さんの明るく、お茶目な人柄も好きだったので、購入売却にかかる庶務も憂うつにならずに対応できました。 いつも家族のことや、部屋についてもポジティブなことを言ってくれるので安心してお任せしました。
    最寄駅にはないので、いつでも会って相談するというのむずかしいかもしれませんが、心配なことはメールや電話ですぐに対応してくれるので、私達には十分満足できました。
    結果としては売却も1ヶ月で売出価格で決まり、購入時のローンも紹介していただき、購入・住み替えもスムーズに決まりました。また住み替えの際にはぜひお願いしたいです。
  • 50代男性(マンション売却)
    マンション売却で、担当していただいた津司さんには本当にお世話になりました。
    次に住む所の相談と住んでいるマンションの売却を同時進行で行いましたが、分かりやすい説明と進め方の提示が手際良く、安心してお任せする事が出来ました。
    ネットで何でも調べられる時代ですが相手が何を考え、何を優先するかは会話の中でこそ分かると思います。プロフェッショナルを感じました
  • 30代女性(マンション購入)
    とにかくレスが早い。
    専門知識も豊富で、説明が分かりやすいです。
    担当してくれた方は非常に業界に通じており、ホスピタリティーに溢れていてかなり信用できます。 他社と比べて手数料もとても安いのでオススメの会社です。
  • 60代男性(戸建て購入)
    酒井智様にご担当して頂きました!細かい相談も小さな不安も毎回本当に迅速に対応して頂き、無事マイホームを購入できました!
    酒井さんは大変親切な方でREDSを選んで本当に良かったです。
    仲介手数料も無料で!今物件等お探しで検討してる方は絶対REDの酒井さんに相談してみてください!
※Google口コミより他の口コミを見る

一生に一度あるかの家の購入・売却…

相談したいけど、まだ買うか売るか決まっていない...

いきなり不動産屋さんへ相談に行くのはハードルが高い...

そんな方へ!LINEから気軽に相談でき、宅建士のプロが対応します。

宅建士が対応! LINEでご相談

LINEで気軽に相談したい方へ!