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不動産の売買契約書や重要事項説明書も2022年までにデータ提供に。デジタル改革関連法案可決で

本年(2021年)2月9日、政府はデジタル社会の形成に向けたデジタル改革関連の6法案を閣議決定し、国会に提出しました。このうち「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案(以下、デジタル関連改正法案)」は行政手続きや事業者間および個人間の契約の際の押印や書面の交付手続きを簡素化するというもので、不動産売買の手続きにも大きな変化が出てきます。

とりわけ大きなものが、契約書面への宅建士の押印が不要になることと、書面をデータで提供できるようになりそうなことです。デジタル関連改正法案の影響について解説します。

パソコンと書類

(写真はイメージです)

押印省略、データ提供へ

デジタル関連改正法宅建業法改正案では、「宅地または建物の売買、交換または貸借の契約が成立するまでの間に」「宅地建物取引業者の相手方に交付する書面への宅地建物取引士の押印を不要とし」「相手方等の承諾を得て」「電磁的方法により提供することができる」とされています。

要するに
(1)書面への宅地建物取引士の押印が不要となる
(2)書面をデータ(PDFなど)で提供できるようになる
ということです。

書面の対象は、宅地建物取引業者が当事者である媒介契約書や重要事項説明書だけでなく、売買契約書や賃貸借契約書もその対象となります。

不動産売買ではまず、売買の仲介を不動産業者に依頼する際に媒介契約を結び、契約書を作成します。売買が決まった場合、売買契約を書面で交わし、その直前には宅建士が買主に対し物件についての「重要事項説明」を書面の交付をした上で行ってきました。

この3種類の書面にはいずれも宅建士の記名押印が必要でした。業法改正により、宅建士の押印がまずいらなくなり、相手方の承諾を得ることができれば、紙の書面ではなく印刷前のデータで提供することができるようになります。

※媒介契約は宅地建物取引業法第34条で、売買契約は同37条、重要事項説明は同35条で規定されています。下図にまとめました。

宅地建物取引業の規定-図

電子契約のメリット

電子契約のメリットはいくつかあります。以下にまとめて列挙してみましょう。

(1)資料の印刷・輸送・保管にかかるコストを低減できる
(2)契約当事者が面談し、読み合わせ、説明する時間を削減でき効率が上がる
(3)セキュリティ技術の向上により安全性が高く、コンプライアンスが強化される

契約書の電子化サービスではクラウドサインというサービスが、シェア80%を超えるといわれています。
クラウドサインで電子契約を実現!メリットや仕組みなど徹底解説 | EXPACT|新たな挑戦へ 資金調達をデザインする

契約の当事者のどちらか一方が加入していれば、利用可能というサービスが多いようです。特にコロナ禍においては、テレワークが促進され、契約のためにましてや押印のために何人もが一堂に会する、という機会は避けるべきである、ということで、電子契約を採用する企業が増えているようです。今回の政府の決定はさらにそうした傾向に拍車をかけると思われます。

電子契約には印紙税がかからない!

またコスト削減の大きなメリットとして「印紙税がかからない」という点が挙げられます。

印紙税法第2条には、「別表第1の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する」とあります。ただ、不動産の譲渡に関しては、令和4年3月31日までに作成される契約書については、以下の軽減税率が適用されます。
No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁 (国税庁ホームページより)

記載された契約金額 税額

10万円を超え 50万円以下のもの

200円
50万円を超え 100万円以下のもの 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 1千円
500万円を超え 1,000万円以下のもの 5千円
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円を超え 1億円以下のもの 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 32万円
50億円を超えるもの 48万円

たとえば1億5,000万円の不動産の売買契約を締結したとします。契約書は売主と買主の分で2通作成しますので、売主と買主それぞれ6万円の印紙税が必要でした。この負担が、電子契約では不要となるのです。

印紙税法第2条のいう「課税文書とは交付された書面の文書」だけを意味する、と解釈されるからです。FAXやコピーの文書が正式に交付された文書ではないので課税文書ではないのと同様に、書面の文書を作成せずに電子文書の交換により成り立つ電子契約は、印紙税はかからないとみなされるというわけです。

宅地建物取引業法に係る改正は、公布から1年以内

デジタル改正関連法案が国会で成立すると、公布後、原則として本年(2021年)9月1日から施行するとされています。ただし、宅建業法にかかわる部分の改正については公布から1年以内の施行として一定の猶予を持たせています。

このため、上記のような押印省略や書面のデータ提供が可能になるのは2022年になる見込みです。

「はんこ文化」への郷愁を感じる宅建士も……

最後に、業務効率化の流れが進む中で、私個人の考えも述べさせてください。

私自身の日常業務を振り返ると、契約書や重要事項説明書を作成して、何度かお客様の要望により修正を重ねて、最後に何とかまとめ上げて完成させた仕上げとして、宅地建物取引士として自分のはんこを押すときに「無事成約!」「俺がまとめた俺の契約」という感慨が湧き上がるものでした。

デジタル化を進めて行くには、契約書や重要事項説明書を紙に何枚もプリントアウトして、押印して、といった手間暇をかけるのは無駄、という趣旨の改正だとは思います。ことさら反対する理由はありません。

しかし、なんだかさみしく思ってしまうのは、仕方ないと許してほしい気もします。

 

早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

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