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  • 公開日:2022年9月23日

リースバックは一般人にはハードル高め? 注意点を解説【REDSエージェントの不動産コラム】

不動産の「リースバック」契約は、現在の自宅にそのまま住み続けながら、売却資金を受け取れるという契約です。「買戻し特約」が付いている場合には、後で自宅を買い戻すことができるため、いざというときに安心と考え、老後の暮らしのために選択する人が増えているようです。

 

不動産業者が買主となるためすぐに契約できるのはいいのですが、一般の売却よりも売却価格は低くなってしまいますし、売却後は家賃の支払いが求められます。

 

老後の住まいと暮らしを確保するために「売値は多少割安になっても構わないから、現在の自宅に住み続けたい」というお考えを上手に実現するために、リースバック契約の注意点について改めて振り返っておきましょう。

 

書類に金融するシニアカップル

(写真はイメージです)

 

リースバック契約の注意点

 

売却金額は低くなる

 

不動産のリースバック契約では、買主は不動産会社です。すぐに買い取ってくれる分、一般的な仲介で一般消費者へ売却を行う場合に比べて売却金額は低くなってしまいます。

 

だいたい20~30%程度安くなります。ただ、それは仕方のない範囲と思われます。このことを承知の上で契約しましょう。値引き率が妥当な範囲かはよく検証することも必要です。

 

売買契約の内容の公平性

 

私は先日、売買契約書に書かれている「契約解除」に関する条項が、とにかく「買主だけに有利」だったため驚きました。その内容は以下のとおりです。

 

(1)普段の売買契約書では見かけたことのない項目が解除できる条件で入っている。
(2)契約の解除の申し出は、基本「買主から」のみとなっている。

 

私が見た売買契約書では、境界や隣地からの越境物、その他もろもろについて、何かあれば「買主は白紙解除を行うことができる」となっていました。

 

本来は対象不動産について十分に調査を行い、物的・法的な確定を行って売買を行うべきですが、「リースバック」を利用する売主様の中には、緊急に資金が必要な方もいると思いますので、これらの調査が行えない(待てない)場合もあるかもしれません。

 

「何か(境界の確定ができないなど)あれば契約を解除できる」という契約条件で契約を行うのは仕方ない場合もあると考えられますが、契約解除の多くが「買主から」のみ行えるのはいかがなものかと思いました。

 

また、解除を申し立てることができる事項に「物件に瑕疵が認められた場合には解除できる」という、非常に抽象的な表現が使われており、「瑕疵」の程度や内容について「あえて抽象的にぼかして書いているのでは?」と思われる節がありました(「瑕疵」の程度や内容を限定していないので、お引渡しが完了するまでは解約のリスクの高い不安定な契約となります)。

 

賃貸借契約の内容の公平性

 

不動産のリースバック契約は、売買契約により所有権が移転すると同時に、買主を貸主・売主を借主とする賃貸借契約を締結することになります。この賃貸借契約の内容も非常に重要なポイントとなります。

 

賃貸の契約方式は「普通賃貸借」「定期賃貸借」のいずれか、賃料、管理費、その他の毎月の諸費用、敷金・礼金等の金額は妥当なのか、退去時の条件は妥当なのか…賃貸契約の内容についても「リースバック」の売買契約前に契約条件を確認しておくことが重要です。

 

「買戻し」の金額について

 

不動産のリースバック契約に「買戻し特約」が付いている場合には、リースバックの売買契約で定めた期間内に、契約で定めた金額を支払うことで物件を買い戻すことができます。

 

その際、買戻し金額が現実的で妥当性のある金額なのかを見極める必要があります。私の見た契約書では、定期賃貸借の終了する3年後に売却金額の約1.2倍の金額を払えば買い戻せるようになっていました。これは妥当な金額でしょうか。

 

以上のように、不動産のリースバック契約の特徴や契約内容(リスクを含め)をきちんと理解した上で契約を行うことは、正直、一般の方にはかなりハードルが高いのではないのでしょうか。リースバック契約には仲介が入らないため、売主様(個人)は買主となる不動産会社と直接契約を行うことが多く、騙されないように仕組みや契約書面をきちんと理解することが大切です。

 

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