REDSエージェント、宅建士・宅建マイスターの井原です。不動産を購入するために物件を見学（内見）した際、営業マンからどんな資料を受け取ったでしょうか。

多くの方が、物件の情報が記載された「販売図面」1枚だけ、ではなかったでしょうか。不動産売買の仲介手数料が「物件価格の3％＋6万円＋消費税」というのはあくまで法定上限価格であるにもかかわらず、多くの不動産会社が当然のような顔をして請求するのとよく似ている事案かもしれません。内見の際に販売図面1枚だけ手渡して事足りる、というのは同業者として実に不親切であり、仕事が雑だなと感じます。

（写真はイメージです）

この販売図面を、業界用語で「マイソク」と呼びます。名前の由来はもともとは個人の方が不動産情報の流通を促進するために始めた「毎日速報センター」という事業にあります。この「毎日速報センター」、略して「マイソク」というわけです。「毎日速報センター」は後に事業が拡大し、「株式会社マイソク」に社名を変更しています。

マイソクは一般的に、A4判1枚に物件の図面や写真、アピールポイントを記載する欄が左側に大きくスペースが取られ、右側に物件情報、下側に不動産会社に関する情報が記載されています。

アピールポイントとしては

・物件内外部の写真
・物件までの案内図
・土地の形状や寸法と方位
・建物の間取りや図面
・学校や病院、近隣の商業施設までの距離
・ランドマークになりそうな施設までの距離

などが並びます。

また、物件情報としては

・物件種別
・最寄り駅
・建物名称・間取り
・最適用途（土地の場合）
・価格や賃貸条件
・物件所在地と交通手段
・面積と建物概要
・土地権利関係
・法令による制限
・物件の現況
・付帯設備など
・その他物件種別ごとに必要な項目

が記載されています。

マイソクには必要最低限の情報が凝縮されているのですが、「数千万円の買い物を検討しているのに、チラシ１枚で済ませるの？」と不信感を抱いたり、「情報が不足しているから仕方なく自分で調べる」ということをされたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は内見の際にマイソク1枚を手渡すだけで済ませる営業マン自身も、物件について「わかっていない」状況にあることがほとんどです。

私はそんないい加減な仕事をするつもりはありません。私がご案内するお客様にはまず「周辺環境レポート」と「ハザード情報をまとめた土地調査レポート」をお渡しします。

さらにマンションの場合は各階の平面図と、管理組合の経営状態や共用部分の修繕状況がわかる報告書を、一戸建ての場合は敷地配置図と各階平面図を、用意ができる範囲で必ずお渡ししています。こうした資料を準備する段階で、私も内容を必ず確認しますので、しっかりと物件を理解した上で、お客様の物件見学の同行ができるのです。

もし、「ペライチの販売図面を渡されて終わり」な対応をされたら、仲介会社を切り替えた方が無難といえるでしょう。