「家売るオトコたちの素顔」と題して不動産流通システム(REDS・レッズ)の営業マンの仕事ぶりについて連載してきた企画。

 

7回目の今回は前回に続き、不動産仲介の営業マンが実名で、「物件囲い込み」について、考察を加える座談会の模様をお届けする。

 

 

登場するのは同社の4人、

菅野洋充(かんの・ひろみつ)さん
雪畑茂昭(ゆきはた・しげあき)さん
小野田浩(おのだ・ひろし)さん
渡部直人(わたなべ・なおと)さん

 

 

――囲い込みは、お客さんに対する背信行為と思います。今では「こんなことしていたら問題なのでは?」と問題提起するレッズのような会社もありますが、最初に問題だと言いだしたのは誰ですか?

 

菅野:実は、昔から指摘はあったのですが、残念ながら、それに対してなんの対策も取られてこなかったというのが、本当のところだと思います。「あいつもやっているから、うちもやってやろう」と。それが今に続いているのがこの業界の悪いところですよね。

 

最近になって「もうやらないようにしよう」という声が上がって、賛同してくれる業者がほかにいくつも出てきた、というのが現状です。

 

仲介手数料無料 REDSのエージェント菅野洋充
(不動産流通システム 菅野洋充(宅地建物取引士))

 

小野田:普通の業者は自社サイトに物件情報を載せて、自社で売主と買主の双方を引き合わせ、売主・買主両方からの仲介手数料を確保したいんです。

 

でも、それはお客様の利益を確実に損ねています。そうした慣行に逆らって、「うちは片手でも、半額でもいいですよ」ということを掲げて、お客さんの利益を最大化して早期売却、高値売却を目指すのがレッズの方針で、そこに希望を見いだしている営業マンが集まっているのです。

 

仲介手数料無料 REDSのエージェント小野田浩
(不動産流通システム 小野田浩(宅地建物取引士))

 

 

囲い込まれた物件の攻め方は? 狙いは月末!

 

――囲い込みをかいくぐって、交渉につなげることはできますか?

 

菅野:囲い込みの度合いにもよりますので、一概には言えないのですが、(売却物件を)完全にブロックしている業者に(購入依頼を受けた不動産会社が)入っていくのは難しいですね。ただ、囲い込みの度合いが弱い場合もあります。

 

大手の会社で(会社の方針としてではなく)担当者の判断で行われる囲い込みだったり、消極的だったりする場合では、レッズの営業マンなら上手にコンタクトしていって、交渉につなげていくこともできていると思います。

 

 

――その突き崩し方というのは?

 

菅野:月末、相手の担当が(成績が悪くて)苦しそうな雰囲気があったりとか、二番手の買い付けが一番手に上がったりしているなど、こちらにプラスの状況に風が吹いているかを見極めます。どのタイミングで申し込みをするべきなのか、それともしないほうがいいのかを判断します。ぶつけ方しだいですよね。下から丁重に行くのか、強引に話として持っていくのか、臨機応変にやります。

 

それにしても、大手さんはずいぶんと「看板」で商売をされている印象を受けます。つまり、彼らは売却希望者に「小さい会社はやっぱり安心できませんよ、あとでなにか悪いことが起きるかもしれませんよ」と心理的に不安をあおって、中小の不動産会社に売却情報を紹介しなくてよいよう誘導していますね。

 

「うちは買ってくれるお客さんがいます」「あの業者だとこのくらいでしか売れないけど、うちには看板があるからこの価格にまで査定を高くして売れるので、任せてください」というのが彼らのセールストークです。

 

でも、彼らが売却希望者の期待に応えて預かった家や土地を高値で売れているかと言えば、必ずしもそうではないのです。私が売却のお話をいただけなかった例でいうと、私が査定した価格よりも100万円も売り出し価格が低かったんです。それでも、レインズに3日しか載らず、載せた次の日には申し込みがあって、さらに次の日にはなくなっていました。

 

まさに、両手仲介を疑わざるをえない取引でした。どうしても気になった私は、売主さんに「あの値段で売ることをご承諾されたんですか」というメールを送りました。ご返答はありませんでしたが。

 

雪畑:完全にブロックされてしまっている場合は、かいくぐることは無理ですね。向こうがブロックしている情報を確認できないからです。1回でも(他の会社に)物件を紹介して内見させてしまったら、内見したお客さんが買う買わないということになるので、物件を内見させないのです。

 

ただ、不動産会社の営業マンは、月ごとの成績が自分の給料に反映されますから、月末になると、どの会社の営業マンも数字をあげようとする。なので、月末になると、それまで囲い込んでいた物件を出してくる会社(営業マン)もあります(笑)。

 

仲介手数料無料 REDSのエージェント雪畑茂昭
(不動産流通システム 雪畑茂昭(宅地建物取引士))

 

小野田:基本的に囲い込みをされたら、突破は難しいですね。

 

渡部:でも私から見たら、小野田さんは突破しているイメージがあります。

 

小野田:そうですか。ただ、本当にブロックされてしまうと、それはもう無理でしょう。

 

渡部:いや、うまく入っているというイメージはありますよ。レインズでも未公開にしているのに、物件を持っている会社に電話して「案内してもよいですか?」と交渉していますよね。

 

小野田:囲い込みが緩い物件だと思ったら、できるだけ交渉しています。例えば、しっかりブロックしているわけじゃなくて、たまたまレインズに載せてないだけの状態であれば、専任媒介ではなく一般媒介になります。

 

その場合、売主さんとしては「相手は誰でもよい、売る業者もどこでもよい」ということが多いので、紹介してもらいやすいと思います。反対に、自分の会社で売主や買主を探して決めるんだというところは、完全に他の不動産会社をシャットアウトするので、その場合はどうやっても入っていく余地はありません。

 

 

――囲い込みによって完全にシャットアウトされていることがわかったとき、お客様にはどういう説明をしますか?

 

小野田:まずは先方の会社に伝えられたままをお話しします。「売主様の都合で今週は内見ができませんと言われました」とか「売主さんが海外にいますので、帰ってくるまで中は見れませんと言われました」などです。

 

ただ、必ず付け加えます。「ひょっとしたらそれは囲い込みかもしれません」と。そのため、「この物件に関しては弊社ではご紹介できないかもしれません」とお伝えします。

 

渡部:囲い込みでブロックしていたら、担当者の逃げ方で察知できますよ。電話に出なかったり、「会議に出てる」「休んでいる」と伝言があったり、面倒くさそうにしたりとか。

 

仲介手数料無料 REDSのエージェント渡部直人
(不動産流通システム 渡部直人(宅地建物取引士))

 

菅野:囲い込みにも程度があります。大手も、かつてやっていたような露骨な囲い込みは、最近はやりにくくなってきたようです。逆にエグイことをやるのは小さな会社が多いですね。

 

小野田:小さい会社だと、「この物件はしばらくうちだけでやるんで、お構いなく」なんてことを平気で言うんですよ。物件の囲い込みが、悪いという意識も多分ないのだと思います。

 

雪畑:先日、「売主さんから仲介手数料をしばらくもらえなくなるので、紹介できません。3カ月くらいたって、売主さんから仲介手数料をもらえるようになったら、レインズに登録するかもしれません」と言う業者さんに出くわしましたよ。

 

このケースでは売主が「別に早く売れなくてもかまわないけど仲介手数料は無料にしたい」という意向をお持ちだったんです。だから手数料を無料にしてくれる小さい業者に頼んだと。その業者は、他社からの買主の紹介を断って、自社で扱える買主とだけマッチングしようとしているということですね。それで問い合わせいただいたお客さんには、正直に説明しましたけどね。うちからの紹介はダメです。

 

どうしてもご希望でであれば、広告掲載業者に直接問い合わせるか、3カ月ほど待ってもらうしかないですねって。

 

 

 

――みなさんの感覚だと、問い合わせた業者が囲い込んでいると推測できるのは何割ぐらいですか?

 

菅野:20%くらいです。
小野田:20~30%くらいです。
渡部:5件に1件くらいですね。

 

小野田:4件に1件はありますよね。売れ筋の都内の新築戸建てとか、土地とかは囲い込みが多いですよね。売れるものについては、自分たちで両手仲介しようというのが基本のスタンスになるんですね。「良いエリア」ってところは売れやすいので、基本、囲い込みというのが多くなりますね。

 

菅野:黙っていても売れるような場所にある土地は、絶対にほかの業者には触らせないでしょ。目黒とか、あの辺は難しいですね。

 

 

(下)に続く。

 

 

 

取材・構成

飛鳥一咲(あすか・いっさく)

昭和53年、高知県生まれ。大阪大学卒業後、全国紙記者として関西の支局や東京本社社会部などを歴任。平成26年に退社後、フリーライターとして幅広く取材し、ウェブを中心に執筆している。

 

 

 

この記事は全8回のシリーズです。他の記事もぜひご覧ください。
不動産売買仲介の「4割打者」の秘密ー家売るオトコたちの素顔(1)
顧客の気持ちを大事にしてくれるーこんな人から家を買いたい 家売るオトコたちの素顔 (2)
早い・安い・正確な不動産仲介を目指してー家売るオトコたちの素顔(3)
仲介手数料が安いだけではない! ネット時代に対応した不動産仲介のプロ集団ー家売るオトコたちの素顔(4)
仲介手数料無料でもなぜスピード対応ができるのかー家売るオトコたちの素顔(5)
なぜ不動産が売れなくなってしまうのか?(上)ー顧客の利益を損なう物件の囲い込み ド~する?不動産業界
なぜ不動産が売れなくなってしまうのか?(下)ー仲介手数料はなぜ上限価格で横並びなのか?

 

 

 

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料は半額以下になることを

東証二部上場企業グループの不動産流通システム(REDS)は、不動産売買の仲介手数料を半額から最大無料としつつも、お客様からの満足度の高いサービスを実現しています。

広告宣伝費などのコストを徹底的にカットしつつ、資質と経験を兼ね備えたベテランスタッフの運営でサービスの質は高め、お客様に利益を還元しています。

業界の常識を覆すREDSの新たなビジネスモデルは、「ワールドビジネスサテライト」「とくダネ!」などのテレビ番組をはじめ、各メディアでも紹介されています。
 
 平日・土日祝日も営業中(9:00-19:00)です。お気軽にお問い合わせください。フリーダイヤルはこちら0800-100-6633

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る