横浜市の新築マンション杭打ちデータ改ざん問題が明るみに出てから2年が経ちました。2016年1月に国土交通省の有識者委員会の中間報告がありましたが、その後はこの件についてあまり報道はされていません。かつての一級建築士による耐震偽装問題のときもそうでしたが、このような深刻な事態が露呈しない限り、不動産業界は改革には向かわないのでしょうか。

 

新たな視点に立って不動産業界のあるべき姿を模索、提言している住宅ジャーナリストの榊淳司氏に、不動産流通システム(REDS・レッズ)代表取締役の深谷が話を伺いました。業界の悪弊ともいえる「囲い込み」の横行や固定化された仲介手数料のについてお聞きしています。

 

新築マンション杭打ちデータ改ざん問題から見えてきた不動産業界の体質

 

榊淳司氏写真_02
(住宅ジャーナリスト 榊淳司氏)

 

深谷:榊さんの著書『新築マンションは買ってはいけない!!』を読ませていただきました。ズバリと書いてあって、不動産販売を本業としているわれわれ以上にこの業界に精通している方だという印象を持ちました。

 

榊氏:私には不動産販売の経験はありませんが、長年、業界の内側を見てきたので、その中で感じる問題点について書かせていただきました。

 

深谷:業界の人間は全員読んだ方がいいと思います。新築住宅を販売しているデベロッパーの方などには抵抗がある内容かもしれませんが。

 

今回の杭打ちデータ改ざん問題は、ある大手不動産会社の不祥事として発覚しましたが、本に書かれている通り、これは本当に氷山の一角です。日本を代表する大手のマンション開発会社でさえあのような状態ですから、業界の実態としてはもっと深刻なのではないかと思います。

 

榊氏:そうですね。一般の人にとって、不動産業者は人生最大の買い物を提供してくれる人なわけですから、業者にとってもお客様は最も大切にしなければならない相手のはずです。しかし、お客様保護の観点から保証などの面で優しくできていないのが現状です。

 

深谷:問題が出たときに不動産会社が責任を取るということは、自分が提供した資産に自ら不備を認めるということですから、難しい問題です。

 

榊氏:大手不動産会社はきちんと証拠を突き付けられないと、責任を取ることはしないでしょう。このような隠ぺい体質があるうちは、業界としていつまでたっても他の業界から低く見られてしまい、いい人材も集まりませんよね。大学生の就職ランキングで上位に入っている不動産会社は三井不動産と三菱地所だけで、その2社もベスト10に入ることはほとんどありません。

 

われわれからみると素晴らしい会社でも、優秀な学生にとって不動産会社は魅力的ではないということです。

 

明るみに出てきた不動産仲介の「囲い込み」と「両手」問題

 

榊氏:ところで、中古不動産市場において「囲い込み」と呼ばれる悪しき慣習がありますが、実際のところはどうでしょうか?

 

深谷:「囲い込み」は悪質な問題です。しかも、巧妙に行われています。

 

不動産流通市場の整備と流通の促進に取り組んでいる一般社団法人不動産流通経営協会という団体があります。業界紙などに掲載されたその団体の理事長のインタビューによると、“業者から物件の確認が入ったときの現場の対応にバラつきがあり、それが誤解を招いている。今後は責任者が一元的に対応すれば、誤解されるようなことはなかろう”というのです。私見ですが、私はそれを読んで「さらに巧妙にやってみせるぞ」という宣言ではないかと感じました。

 

大学の就職ランキングの中で、不動産業界自体がさほど高いランクではないのは、消費者をだますような身勝手な取引が横行していることが一般のお客様にも知られ始めたからというのも理由の一つでしょう。特に、不動産の「囲い込み」は何の釈明もしようがない行為だと思います。手数料は「上限3%+6万円」という規定がありますが、これでは採算が取れない業界構造なので、「囲い込み」という行為がはびこるわけです。

 

40~50年前であれば地域の名士といわれる人や、町内会長さん、お寺の住職さんなどが不動産を仲介していたようなところがあります。地域の人々の生活をよく知るところに、売る情報と買う情報が集まることが、両者にとって都合がよかったわけです。

 

しかしその後、時代の変化とともに不動産会社が仲介をするようになり、現代ではインターネットが発達したことで、仲介業務の中身が一般の人たちの目にも触れるようになってきました。そのため、両手仲介という商慣習を続けていられない時代になってきたと思っています。

 

これからの業界に求められることは、業者がお客様に情報を隠すのではなく、お客様の利益が最大になるように変えていくことです。しかし、それはおざなりで、両手仲介の「6%+12万円」という手数料を取ることをやめられず、自分たちが変わることを拒んで今日まできてしまったことです。

 

榊氏:大手仲介会社の手数料は5%台だと思いますが、それほど取らないとやっていけないのでしょうか?

 

深谷:実はそのくらいの手数料をもらっても、広告費や販売管理費などのコストが多くかかり利益が出にくいため、両手仲介がよくないとわかっていても、それが違法でない限り、みすみす手放すようなことはできないのです。

 

仲介手数料の自由化の先に

 

深谷:まずは先に述べた仲介手数料の算出基準をどの業者も一律に適用していることを見直す必要があると思います。大手の有名企業であれば、「そのブランドが好きだから」という理由で、手数料を高く払ってもいいという消費者はいると思います。大手企業は看板を掲げて商売していますし、手厚いサービスもあるでしょう。しかし、そのアドバンテージを手数料に乗っけることができずに、一律の手数料にしている。この手かせ足かせを業界は自分たちで外していかなければいけない。

 

榊氏:手数料の自由化につながる話ですね。われわれ消費者からすると、手数料を余計に支払わなくて済む仕組みを作るべきと考えます。レインズ(国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通の標準情報システム)はそのためにできた仕組みのはずでしたが、結局は業者の利益を守るために機能しています。国交省は本末転倒であることに気付いていながら改善を命じる様子はありません。

 

理想論ですが、レインズを一般公開して、消費者がそこで直に欲しい不動産を見つけて買えるようにするべきと思います。

 

深谷:レインズで不動産を見つけて、できる限り自分でやって安い手数料で購入するか、ブランドを頼りにして、それなりの手数料を払って手に入れるといった選択ができますね。

 

しかし、レインズの一般公開は、不動産会社にとってはビジネスの拠り所を手放すことになるので、実現は難しいでしょう。業者の立場と一般消費者の立場を考えたときに、業者にとって限定的な情報と言えるのはレインズくらいしかありませんからね。専門知識を持っている営業マンとは異なり、宅地建物取引士(宅建士)の資格も持っていない業者の場合、レインズの情報を持っていることがアドバンテージですから、やはりレインズの一般公開には抵抗があると思います。

 

榊氏:一般消費者にとって、レインズの情報が公開されないメリットは何もありません。レインズの情報が公開されれば、個々の不動産会社のウェブサイトをチェックする必要がなくなり、便利になります。

 

深谷:レッズでは、他社との差別化ということで仲介手数料を半額にしています。宅建士の資格を全員が持っており、また知識はもちろん、数多くの実例を踏まえて優れた判断力を身に着けていると認定する「宅建マイスター」という資格を全員取得するように指導しています。専門知識のない一般のお客様から本当に信頼され、あらゆる要望に応えられる資質を持った専門家集団になることを目指しています。

 

榊氏:レインズが一般公開され、手数料の自由化が実現すれば、レッズはなおのことビジネスがやりやすくなる、ということですね。

 

物件はお客様で見つけてもらうー独自の仲介方式で手数料をカット

 

榊氏:レッズは何名で運営しているのですか?

 

深谷:お客様対応をするエージェントは約10名です。また、お客様はインターネットを使ってレッズを見つけた方が多く、一般的な不動産会社のお客様と比べると、いわゆる「属性の高い」方が多いです。

 

たとえば自分の家を隣の人に買ってもらおうという場合、隣の人であっても高く買ってほしいと考えるでしょうし、一方、お隣さんは隣のよしみで安く売ってほしいと思います。このように売る側と買う側は常に利害が対立した関係にあります。ここの部分を取り持つのが不動産会社の腕の見せ所ではあるのですが、非常に難しいことでもあります。

 

レッズではそうした当たり前の部分を、当たり前だと感じられるスタッフを揃えています。当社のお客様の多くはこうした当たり前のことを最初から理解されていますので、「レッズが言っていることはもっともだ」ということでお申し込みいただけています。

 

榊氏:他社が「3%+6万円」という手数料を取っているところ、レッズではそれを半額にして、しかも他社を凌駕する収益を上げようというお考えですね。そのためには扱い件数を増やす必要がありますから、その作業量がすごく多くなると思います。人材育成が重要になってきますね。

 

深谷:はい、人材育成は重要です。レッズのスタッフの場合、先ほど申し上げたように宅建士と宅建マイスターの資格は必須で、さらに経験が必要ですから、ベストの人数を確保するのはなかなか大変です。少数精鋭の一員としてこの仕事に誇りを持って取り組み、仕事を完遂することをレッズの社風として醸成しているところです。

 

レッズを始める前は町場の不動産会社を経営してきました。その日常には、お客様との商談や物件案内、契約の締結、決済、引渡しといった業務があります。しかし、これよりもむしろ物件情報を整理したり、店頭に掲示したりといった作業に思いのほか時間をとられ、なんとかならないか考えていました。

 

そこで、お客様のほうでインターネットで物件を見つけていただき、私どもに教えていただくという、これまでになかったビジネスモデルを考えました。

 

来店したお客様に私どもが店頭で物件を探して差し上げることはしませんので、構えるのは広い店舗ではなくコンパクトな事務所で十分です。ここで経費を大幅に削減できます。

 

榊氏:非常に面白いビジネスモデルですね。お客様がネットで気に入った物件を見つけてから申し込んでくるのですね。

 

深谷:われわれが不動産販売を始めたころは、『週刊住宅情報』という冊子があって、情報を求めるお客様がお金を払って買い求めていました。それが今ではインターネットに情報が掲載されるようになりました。つまり、発信する側がお金を払うようになったというわけです。将来的にはレインズで直接調べることで、個々の不動産会社のウェブサイトを介さない売買が可能になり、物件情報を適切に扱える専門家の重要性が増すと考えています。

 

現在、レッズにはサイトの物件情報を見た方からお問い合わせをいただくのですが、お客様はレッズのスタッフよりも多くの物件情報にアクセスされていると思います。物件はお客様自身で見つけていただき、専門性が求められる売買の手続きに関しては、レッズのスタッフがお手伝いをさせていただく。そのスタイルを確立させていきたいですね。

 

榊氏:何となく私が行っていることと近しい感じがしますね。

 

(=(2)に続く)

 

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