12月17日(火)、テレビ東京で「どっちの家を買いますか?」(18時55分~)という番組が放送されました。家の購入を考えているゲストに対して凄腕の不動産営業マン2人が魅力的な物件のプレゼンを行い、良い方を選んでもらおうという企画です。ジャニーズの人気タレント・村上信五さんが司会を務めています。

 

1組目の自由が丘エリアの物件探しでは、我らがレッズの村上太朗が出演してプレゼン対決を行い、見事村上がご紹介した物件をご購入いただきました。今回、この記事では、同番組で3組目として放送された緑さんファミリーについて解説いたします。

 

ゲストとして登場した緑さんファミリーの希望エリアは世田谷区か大田区で、予算は5,000万円台の戸建。司会の村上信五さんが「(希望エリアを)どっちかに絞って」と仰っていた通り、多摩川沿いに広がる城南地域を広くカバーすることになるため、この条件だけでは幅広い物件が対象になるでしょう。

 

そして、3組目も異なる不動産会社の営業マン2名がプレゼン対決。当初から戸建を希望していた緑さんファミリーでしたが、将来的な資産価値を考えて、タウンネットの長谷川氏が最終的にご紹介した、自由が丘駅にある平成7年(1995年)築のマンションを選ばれました。

 

ですが番組を見て、この中古マンションは資産価値を維持できるのか?と筆者は少々心配になりました。

 

今回は、同番組で緑さんファミリーが選んだ中古マンションの資産性を中心に解説いたします。

 

リノベーション 施工例

(写真はイメージです)

 

小規模マンションは管理に関する負担も大きくなる

 

今回、ご家族が購入されたマンションの情報は公開されていません。そのため、あくまで番組中の映像で確認できた限りではありますが、エントランスの上に4住戸分のバルコニーしか見えない形状からすると、小規模マンションだと推測できます。

 

小規模マンションは、大規模マンションに比べて1住戸当たりの管理の負担が大きくなる、つまり管理費や修繕積立金が高くなる傾向にあります。例えばエレベーター1基の管理に年間60万円が必要ならば、40戸のマンションでは各戸平均15,000円で済みますが、10戸だと60,000円にもなります。

 

これは、修繕関係の費用負担にも当てはめることができます。このマンションは1995年築ですから築25年です。一般的には、大規模修繕は12年周期で実施されることが多いので、この築年数を考えると2回目の大規模修繕を実施したかどうかという時期です。

 

多くのマンションでは、1回目の大規模修繕は、新築当初の修繕積立基金もありますので問題なく実施されますが、2回目に対しては資金不足になる傾向があります。また、築30年頃には給水管の更新やエレベーターの更新なども検討しなければなりません。

 

もしマンションを維持する管理組合が資金不足に陥っていたら、一時金の徴収や修繕積立金の大幅な値上げで対応しなければならず、それを緑さんファミリーが知らずに購入していたとすれば、資金計画は大きく変わってしまうでしょう。

 

小規模マンションでは、マンションとしての資金不足に陥りやすいため、購入時には管理組合の総会資料などを確認して、修繕積立金の残高や今後の修繕予定なども確認することをおすすめします。

 

100㎡超えの広さは流通性に欠ける

 

番組内で紹介された間取りは、大型のワイドスパンリビングに3つの居室を有していました。また、玄関周りにも余裕がありましたので、少なくとも90㎡以上、場合によっては100㎡を超える広さがあるのではと筆者は推定しました。

 

新築マンションの広告などを見ているとよく分かりますが、一般的なファミリータイプのマンションの広さは65~80㎡です。100㎡近い住戸もありますが、角部屋や最上階などでプレミアム住戸として販売されることが多いでしょう。

 

100㎡近い住戸は、それを求める絶対数が少なく、また住戸の広さから周辺相場よりも価格帯が高くなってしまい、買い手を見つけるのが難しいケースもあります。その一方で、100㎡近い住戸が少ないという希少性から、ピンポイントで買い手が見つかるケースもまれにあります。

 

「自由が丘は人気エリアで資産性が保たれやすい」という長谷川氏の言葉は、一般的なマンションならば当てはまりますが、広めのマンションにどれほどの流通性があるのか、少し疑問に感じました。

 

未公開物件ならば、公開することで幅広く買い手を探すことができるため、6,480万円から5,000万円台まで下げてまで売却する必要性も感じられません。

 

長期比較をすると見えてくる資産性の差

 

今回、緑さんご家族が購入した自由が丘の中古マンションと別に、最終プレゼンで紹介されていた千歳船橋の新築戸建について、お子様たちが30歳前後になるまでの15年間を想定期間として、資産性の比較検討をしてみました。

 

自由が丘の中古マンション(築25年)

 

・今回の購入金額:5,800万円(想定)
・管理費・修繕積立金:月額45,000円(想定)→20年間で810万円
・駐車場代:月額25,000円(想定)→20年間で450万円

 

15年間が経過すれば築40年となり、管理の面が心配です。仮に同様の資産性を維持できたとして5,500万円を売価と考えても、維持費の約1,000万円を差し引くと4,500万円です。
  

千歳船橋の新築戸建

 

・今回の販売金額:6,280万円
・管理費・修繕積立金:100万円(外壁の洗浄・塗装など)
・駐車場代:0円

 

新築ですので、15年後には築15年です。外壁などに適切なメンテナンスが施されていれば5,000万円台でも十分に流通しますし、汎用性の高い新築戸建ですので、流通性も高いでしょう。

 

最後に

 

今回の記事では、あくまで小規模マンションの資産性にスポットを当てました。

 

不動産は資産性も重要ですが、資産性が高いからといって住み心地の悪い家を選ぶ方は少ないでしょう。今回の緑さんファミリーも、「富士山が見える」などの希望条件が、最終的に自由が丘の中古マンションを購入する決断の後押しになっていました。

 

不動産の購入では、居住性と資産性の両面が重要ですので、片手落ちにならないよう不動産に精通した宅建士に物件探しの相談をしてみるのが良いでしょう。

 

 

斉藤勇佑(宅地建物取引士)
大学卒業後、5年間不動産売買業務に従事。その後、不動産管理会社に転職し、分譲マンションの維持・管理を中心とした業務に5年間かかわり、現在は不動産のストック分野の業務に従事。

 

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