不動産のリアルREALITY OF REAL ESTATE

  • 公開日:2019年1月12日

【家売るオンナの逆襲・宅建士解説】 誰でもその人の生き方に合った家がある!と売ったサンチー、やっぱハンパないって! 【第1話】

2019年1月9日、アジアカップ初戦でサッカー日本代表は、前半に1点をトルクメニスタンに先制されるも、後半には、「大迫、ハンパないって!」とサッカーファンが叫んだ大迫選手の2得点に加え、弱冠20歳の堂安律選手の1得点で逆転勝利を収めました。サッカーフリークである筆者のそんな興奮も冷めやらぬままに、試合中継が終了した直後の22時より、いよいよ日本テレビ系連続ドラマ「家売るオンナの逆襲」第1話が放映されました。

 

このドラマは、2016年に放映された「家売るオンナ」の第2シリーズとされています。第1シリーズでは、北川景子が演じる「三軒家万智(通称サンチー・サンゲンヤチーフ)が「私に売れない家はありません!」と豪語する天才的不動産屋が、ほとんどの人にとって人生最大の買い物といえる家を、客の個性や生き方に深く関わりながら、時には豪快に、時には細やかに、型破りな方法を駆使して、売って売って売りまくるものでした。そのコミカルな手法もさることながら、根底に流れるお客様への理解や愛情の機微が、視聴者の心をわしづかみにし、人気を博しました。

 

世間では、第2シリーズがオリジナルを超えることはまれである、とよく言われます。「柳の下のどじょう」という言葉もあります。果たして、サッカー日本代表のように「サンチー、ハンパないって!」と思わず叫んでしまう活躍を見ることができるのか、ワクワクしながら視聴しました。

 

ビジネスイメージ

(写真はイメージです)

 

万智がいきなり売ってきた「狭小住宅」とは?

 

三軒家万智は元上司の屋代大課長(仲村トオル)と結婚し、ひなびた海辺の町で「サンチ―不動産」を経営していましたが、「空き家をすべて売りました」ということで、古巣の「テーコー不動産 新宿営業所」に2年ぶりに屋代課長と復帰することになりました。

 

新宿営業所のメンバーも、屋代課長の後任の布施誠(梶原善)は屋代課長の復帰を受けて契約社員になっていました。ダメ社員の白洲美加(イモトアヤコ)は宅間剛太(本多 力)と結婚し2児の母となるも、離婚してメンバーいきつけのスナック「ちちんぷいぷい」でバイト中。万智の後任チーフの足立聡チーフ(千葉雄大)、万智の信者ともいえる庭野聖司(工藤阿須加)、中国語ペラペラの八戸大輔(鈴木裕樹)も以前と変わらず活躍しています。新顔として女性事務員の床嶋ゆかり(長井短)、鍵村洋一(草川拓弥)も加わり、個性豊かな陣容が紹介されていきます。

 

赴任日に屋代課長は一人で現れ、庭野が「サンチーは?」と聞くと、家を売りに行っているとのことでした。まもなく遅れて出社した万智は、「武蔵野10坪の狭小住宅、狭小住宅マニアに私が売りました」と、さっそくひと仕事を終えたことを報告します。万智のやり手具合をいきなり意識させる演出でしたが、いきなり不動産用語が出てきました。「狭小住宅」ってなんのことでしょうか。それはそんなに簡単に売れるものなのでしょうか?

 

明確な定義はありませんが、狭小住宅とは一般に、約15坪(約50㎡)以下の狭い土地に建てられる戸建住宅をいいます。

 

こうした土地は通常、面積が小さく、形状が成型地の周りの三角形や多角形をしていることが多いです。広さのある長方形の土地と比べて用途は限定されてしまいますので、余計に安くなります。ただ、広い庭が付いたり日当たりがよかったりなど、一戸建てに一般に要求される条件を満たすことはできないため、狭小住宅は一戸建てという分野では、あまり人気はありませんでした。

 

しかし、特に地価の高い都心部において、一般のサラリーマンでも手の届く価格であり戸建でもあるという狭小住宅は、近年とても人気です。新興住宅販売会社である株式会社オープンハウスは、都心部の狭小住宅を中心とした商品開発で、見事に急成長を遂げました。不動産価格の高騰を逆手にとって、大手ハウスメーカーも狭小住宅市場に参入しています。

 

そうした市場背景の中、2012年に新庄耕の小説「狭小邸宅」が第36回すばる文学賞を受賞し、2015年に文庫化されてベストセラーとなりました。不動産販売会社の苛烈なブラック企業ぶりの描写とともに、狭小住宅そのものの商品特性が話題となったことは記憶に新しいといえます。小説ではかなり強烈なブラック業界として描かれており、全てが真実ともいえないのですが、不動産業界にご興味のある方は、ご一読されてはいかがでしょうか。

 

狭小住宅は、その狭くて特異な土地形状を生かし、物理的に狭くならざるを得ない家屋を使い勝手のよいものに仕上げなくては販売できません。完成物件はある意味、ハウスメーカーや設計士やデザイナーの、センスと技術の結晶ともいえるでしょう。そうした意味では、万智が売りつけたという「マニア」のマーケットが存在しても不思議ではないかもしれませんね。

 

熟年離婚危機の夫婦と人気ユーチューバー。彼らに売れるのは「生き方に合った家」

 

万智は今回、定年退職を機に住み替えを検討している花田夫妻と、ユーチューバーの「にくまる」(加藤諒)を担当します。

 

妻の花田えり子(岡江久美子)は、たくさんの物件を内覧に行きますが、何かとケチをつけてばかり。庭野は「本当は熟年離婚をしたい、一人で住む賃貸物件を探してほしい」と打ち明けられます。

 

また、にくまるはユーチューバーとしての人気に陰りが出始めており、常にファンの好奇の目にさらされ続けて過激な動画を投稿する毎日に疲れ気味。住所バレを機にプライバシーを保てる家探しを足立に依頼しますが、紹介したマンションもたちまちバレてしまい、足立は信用を失ってしまいました。

 

こうした経緯から、万智がそれぞれ担当を引き継ぐこととなったのです。

 

万智は、えり子に対しては「一人暮らしはムリ、安易に外で働けると思ったら大間違い、貴女にしかできない仕事は気取らず丁寧すぎず創意工夫に満ちた『プロフェッショナル専業主婦』だ!」とたんかを切ります。そのうえ「旦那様が安らぎを覚えるのはそんな貴女が待っていてくれる家だ。付き合い始めたころにデートでいった水族館での変わらぬ自然な笑顔を旦那様は求めているのだ」「一緒にお墓に入るのが嫌だということならば、裏の墓地にお墓をサービスで付けます」と説得し、見事販売に成功します。

 

一方のにくまるですが、足立のフェンシング仲間でフリーの「不動産コンサルティングマスター」である留守堂謙治(松田翔太)に契約を横取りされてしまいます。留守道はにくまるの初期の動画を参考に、最初のファンともいえる祖母の家に似た物件を紹介。「この生活から逃げ出したい」というにくまるの気持ちを見越して「お逃げになってもよろしいのではないでしょうか」とささやいたのです。

 

「彼女が負けた!」と周囲はざわつきますが、万智はこのまま引き下がるようなタイプではありません。白洲美加の協力を得て、毎日の生活をそのままYouTubeで放映する『丸見えハウス サンチ―』を立ち上げたのです。新しい家での刺激のなさすぎる生活に満足できないにくまるへのメッセージです。彼女はにくまるに「あなたには平穏な生活はいらない。賞賛と批判の目こそが必要なのです。生と死の境にいないとあなたの生命は息づかない。なぜ逃げるのですか!」と訴えます。それは、留守堂への挑戦のメッセージでもありました。そしてにくまるは、ついに「この家、買います!」と絶叫することになります。

 

このふたつの販売ケースには万智のあるメッセージが通底しているように感じます。そのメッセージとは「人は自分に合った生き方をするべきであり、その生き方に合った家がある」ということです。

 

「一億総活躍」といわれる時代に専業主婦としてのんびり生きることは時代遅れかもしれませんし、四六時中世間の目にさらされ私生活すら切り売りすることはかなり異色な生き方でしょう。しかし、それらがその人にとって自然な生き方であるならば、恐れず肯定して、後押ししてあげることこそ、不動産屋に求められていることかもしれません。

 

お墓のおまけってあり? 「景品類の提供に関する公正競争規約」の範囲内であればOK

 

ところで、花田夫妻のエピソードで「家を買ったら、おまけにお墓が付いてくるってありなの?」と思った方はいませんか?

 

結論からいうと、「家とお墓の価格によってはあり」なのです。

 

景品付き販売のルールを定めた法律である「不当景品類および不当表示防止法」(景品表示法)により「景品類の提供」は規定されていますが、不動産の場合は、価格の値引きや住宅に関するサービス、付属する施設で割引することなどが「景品類の提供」にどこまで該当するのか、あいまいな場合が多いといえます。

 

そこで、不動産業界の自主規制として「不動産業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」が定められています。

 

そこでは「購入者全員または先着順で提供する場合」の景品類の最高限度額は「取引価額の10%または100万円のいずれか低い価格」となっています。仲介の場合の取引価格とは、売買価格ではなく、仲介手数料のことを指します。したがって、花田夫妻へのおまけであるお墓の価格が、仲介手数料の額もしくは100万円のいずれか低い価格ならば、「あり」ということです。ただ、実際にはお墓のプレゼントというのは見たことがありませんけどね。

 

屋代課長との夫婦愛の行方は? ロマンスにも期待したいですね

 

難攻不落と思われたにくまるに家を見事に売り、帰路につく万智に屋代課長が恐る恐る家に今日は帰るのかを聞くと、万智ははっきりとこう答えます。

 

「私は課長の妻ですから。課長の元にしか帰る場所はありません」。

 

万智こそは、「自分の家」を見つけているのかもしれない、そんなふうに思えました。次回以降、二人の甘い生活をもっと見てみたいような気もします。

 

(つづく)

 

プロフィール
早坂 龍太(宅地建物取引士)
龍翔プランニング代表取締役。1964年生まれ。1987年北海道大学法学部卒業。石油元売会社勤務を経て、北海道で不動産の賃貸管理、売買・賃貸仲介、プランニング・コンサルティングを行う。

 

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