新築マンションの価格高騰を受けて中古マンションに消費者が流れている構図が、ここ数年の消費者のマンション購入の傾向である。昨年、一昨年と新築よりも中古の成約件数が多くなるという逆転現象が続いており、引き続きこのトレンドが続きそうだ。2018年の売り事例は、首都圏で40万件に上る見通しだ。

 

晴海埠頭 選手村工事

(写真はイメージです)

 

湾岸エリアで活性化する中古マンション市場

 

不動産調査会社の東京カンテイが10月31日に発表した駅別中古マンションの流通事例を見ると、中古マンションの流通が最も多いのは東京メトロ有楽町線「豊洲」駅で3720件・1万6387戸となっている。2位が都営地下鉄大江戸線「勝どき」駅で3068件・1万6214戸と東京湾岸エリアが強い。3位はJR東海道本線「戸塚」駅で2804件・2万1823戸である。

 

東京カンテイはこの東京圏の特徴についても触れており、東京の城北エリアと京急本線沿線では流通事例の発生率が低い駅が集中する一方で、城西エリアでは主に小田急小田原線や東急田園都市線、東急東横線の沿線に流通が活発な駅が集中しているとしている。東京都中央区から江東区にかけての湾岸エリアも売買が活発であるという。都市中心など投資的な適正の強い含み益が出せるエリアで流通事例の発生が高まる傾向にある一方で、収益力が高く長期にわたって投資運用が可能なエリアでの事例発生率が低くなるとする。

 

売り手と買い手の意識にギャップ

 

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、中古マンションの10月の成約件数は3096件(前年同月比0.2%減)とほぼ横ばい。成約価格は3,275万円(同2.0%上昇)と70カ月連続で1年前の水準を上回っている。ただ、在庫件数は4万6971件(前年比5.3%増)となり、41カ月連続で増え続けている。少しでも高く売りたい売り主と、少しでも安く買いたい買い主の目線のギャップに依然として開きがある。このため、価格が比較的高い物件の多い東京23区の成約は1211件で前年比4.6%減となっており、横浜・川崎(4.2%増)や神奈川県他(4.2%増)、埼玉県(9.9%増)、千葉県(1.5%増)に消費者が流れている。

 

不動産情報サービスのマーキュリー(東京都新宿区)が過去10年間のマンション価格の中央値を調べたところ、東京23区は2009年に4,790万円だったのが2018年に6,489万円と35%上昇している。東日本大震災後の政権交代によるアベノミクスと東京五輪の開催決定という追い風を受け、2015年に6000万台に乗せた。

 

ただ、みずほ銀行系シンクタンクの都市未来総合研究所は、中古マンションの価格上昇は、新築マンションに追いついておらず、新築との価格差は広がっていると分析している。このことから今後、中古マンションの検討者が増加する可能性を指摘しており、中古の平均成約価格は、過去10年間で最も価格が安かった時期から2018年上期までに東京23区では1,300万円高くなっているという。新築との価格差は700万円の差になるそうだ。

 

2019年マンション市場のカギは消費増税と選手村

 

こうした中で少し早いが2019年の中古マンション市場を占ってみよう。大まかなキーワードは2つある。一つは来年10月に消費税率が現行の8%から10%に引き上げられること、そしてもう一つが2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村である。

 

消費税は中古物件にはかからないものだが、価格は新築物件に引っ張られることから、新築価格が上昇すると中古価格も上がる連動性がある。このため、新築物件ほどではないがこれから駆け込み需要が発生しそうだ。ただ、2013年の消費増税時とは異なり駆け込み需要は限定的になるとの見方が不動産業界では大勢を占めている。すでに新築も中古もマンション価格が天井に近いためだ。所得水準の高い高額所得者や夫婦共働きのパワーカップル、親の援助が期待できる層にとって消費税率2%アップで受けるダメージは少ない。

 

しかし、2019年の市況は読みづらい。かく乱要因になっているのが「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」として進められている東京五輪の選手村で使われた物件の売り出しだ。選手村は分譲マンションと賃貸マンションとして供給する。10月31日に再開発のタウンネームが「HARUMI FLAG」に決まった。

 

不動産大手11社のジョイントプロジェクト。全5632戸のうち分譲が4145戸、賃貸1487戸となり、地上14~18階地下1階建てを中心に地上50階地下1階建てのタワーも五輪終了後に建設する予定だ。晴海や豊洲の新築マンションの1坪当たりの価格は350万円に達しており、選手村の物件がいくらで売り出されるかによって今後の不動産マーケットに与える影響が違ってくるのだ。

 

不動産関係者の間では、坪300万円は確実に下回って200万円台後半になるのではないかと見られている。同エリアでは、現行の水準を保つ値段付けができないとなれば、東京圏で販売される今後の新規供給物件の価格にも影響を与えてしまう。例えば、都心や銀座に近いことを売りにしているHARUMI FLAGが坪260万~280万円で売り出されたとする。この水準は、現状で言えば神奈川や千葉、埼玉といった東京圏郊外の駅近の価格水準である。HARUMI FLAGは、最寄り駅まで徒歩25分程度と交通の利便性が良くないとはいえ、消費者からすれば、例えば千葉や埼玉など郊外のマンションのモデルルームを見ても、「銀座など都心に近いセールストークをする物件の価格と同じなんてありえない。この価格では買えない」などと反応する可能性がある。

 

先ほど述べた通り、中古価格は新築に連動することを考えれば、中古マンションも価格調整局面に入る可能性は高い。逆に言えば、高根の花とあきらめていた消費者にとっては、住まいを手に入れやすくなるかもしれない。いずれにしろ、来年春に販売を予定するHARUMI FLAGの販売価格しだいというマーケットとなりそうだ。

 

東京湾岸エリアは、いまでこそ高額帯のマンションが乱立しているが、工場や倉庫などが目立った15~20年前はそうではなく、豊洲などのエリアのマンション坪単価は100万円台後半の水準に過ぎなかった。その後、不動産大手がタワーマンション建設を始めたが、商業施設など街の開発が進むとともに価格が上昇を重ね、現状に至る。東京五輪の開催が決まったあとに台湾人などが投資目的に大量購入したことも話題に上った。高級住宅が多い赤坂や麻布、青山のいわゆる「3A」と呼ばれるエリアは別だが、東京湾岸マーケットが都内のマンション市況のバロメーター的な存在となりつつある中で、とりわけ2019年は湾岸エリアの動向がキーポイントとなりそうだ。

 

(不動産のリアル編集部)



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