首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

墨田区マンション

(写真はイメージです)

 

ザ・グランアルト錦糸町

 

売主・住友不動産、丸紅、大京  JR中央・総武線「錦糸町」駅徒歩4分
全279戸 2012年12月完成 21階建て

 

天下無敵の長谷工プロジェクトだった

 

新築時は「長谷工がとうとうこんなところにもやってきたか」というのが正直な感想でした。長谷工プロジェクトは通常、郊外の片田舎がほとんどなのですが、これはJR「錦糸町」徒歩4分という、まあ都心立地。そこへ21階建ての279戸。しかし、まったくの線路際にあります。しかもご丁寧に住棟は線路側に寄せて建っています。あの線路は総武中央線の電車がひっきりなしに通るから、かなりの騒音が深夜まで響きそうです。

 

駅からマンションまでは錦糸町の風俗街を抜け、東隣はハローワーク、西隣は児童相談所。うーん・・・駅に近い以外は何も取り柄がなさそうではないか! 北側は、線路の向こうに板状のマンションと東武ホテル。南側はわりあい開けています。

 

新築時にこのマンションのホームページを見ると、「TOKYO BRANDEX」というコンセプトが掲げられていました。副題は「真似のできない、都市の心地よさへ」。うーん・・・長谷工のマンションに「真似のできない」なんてものがあるのか?業界インサイダーにとっては、なかなか笑わせてくれた内容です。

 

建物は21階建て。長谷工が作れるマンションではかなりの高層。ズドンと東西に長い板状の建物。単純さがなんとも長谷工チックです。もちろん、間取りは工業規格的な羊羹切り。何の変哲もありません。

 

間取り 2LDK~4LDK 
専有面積 55.88~81.32㎡ 

 

新築時の全体概要には以上の様に表示されていましたので、あまり広くはありませんね。都心のシングル・ディンクス狙いかもしれません。とても「子育てによい」環境とは言い難いですから。

 

新築時の販売価格は、平均坪単価にして240万~250万円前後。今から思えばかなりお安め。新築で購入した方は現在、含み益が出ています。しかし、それは売却しないことには得られないもの。売り物はポツポツ出ますが、あの環境ですから足が早くはなさそうです。

 

この物件の最大のウリはJRの「錦糸町」駅から徒歩4分。しかし、その4分は風俗街を歩くことになります。ですから駅の北側のマンションに比べると、ちょっと低めの評価。新築時には、坪単価250万円でも安いとは思いませんでした。2018年10月6日時点で参考相場価格は4,494万~1億571万円。参考相場単価は㎡あたりが78万~131万円、坪あたりが257万~433万円でした。

 

駅から風俗街を歩かされるのと線路際という環境は、中古で売却する場合も重たいハンディをもった物件になっていることは確か。

 

加えて長谷工仕様のマンションは、中古になった時にきちんと造られた他の物件と比べて見劣りするケースをよく見かけます。

 

さらに、駐車場は住戸数に対して30%未満の83台。そのうち72台が横行昇降式という「機械式」。外で露出しているものでなければ20年以上は持つでしょうが、いずれは設備更新があります。駐車場を利用しない(できない)住戸が大半の場合、設備更新に多額の予算を投じることには住人から反対が噴出する可能性があります。まあ、あと10年ちょっとで爆発するように仕掛けられた爆弾ですね。

 

なので、今の流通価格では慎重になった方がいいかもしれないですね。こういう物件は市場が下落に転じるとストンと価格が落ちます。購入を検討するにしても、そういう時期を待つべきでしょうね。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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