首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

タワーマンション

(写真はイメージです)

 

王子飛鳥山ザ・ファースト タワー&レジデンス

 

売主・近鉄不動産他 JR京浜東北線 「王子」駅 徒歩1分
全285戸(レジデンス棟55戸、タワー棟230戸)2014年11月完成 

 

周辺に何もない「駅徒歩1分」タワー

 

JR京浜東北線の「王子」駅南口は、降りてみてビックリします。

 

「何もない・・・!」

 

駅前にファミリーマートが1軒あるだけ。その他には商業施設らしいものは皆無。とにかく建物がないので、東京にありながら駅前から戸建てが見られるという珍しい街です。

 

ここは元スポーツクラブのテニスコートだったそうです。都内によくぞこんなに広い土地が出てきたな、というのが正直な感想。これで東京駅まで直通14分とは、ちょっと信じがたいところです。

 

駅の南西側はほぼ飛鳥山公園。中央口の付近は、南口に比べるとまだ商業施設があります。しかし、こちら側からは歩道橋を上り下りする必要があります。そうした場合は「徒歩4分」の表示。ちなみに南口は朝6時から夜11時までと、ずいぶん“営業時間”が短い印象です。利用するにはちょっと不便な感じがします。

 

また東京メトロ南北線の「王子」駅へは徒歩3分の表示。実際は、こちらの方がJRの中央口を利用するより遠くに感じます。

 

まあ、タワーマンションを建てるとすればギリギリの立地だったと思います。特に「建てる必要がない」といってしまっても不思議ではない場所。まだ武蔵浦和(さいたま市)あたりの方が、こちらよりもタワーマンションが似合いそうです。そういった場所だから、在京のデベは敬遠したのでしょうか?売主2社はともに関西の私鉄系デベロッパーでした。そして事業自体は長谷工プロデュースのようでしたね。

 

現地は、京浜東北線その他JRの高崎線や東北本線も走る線路際。JRにくらべれば幼稚園児みたいなものですが、路面電車の都電も走っています。タワー棟、レジデンス棟ともに中層階以下の住戸で、南西側に開口部があると「窓を開けられない状態」になるのではないでしょうか。電車がひっきりなしに行き来している状態ですから。

 

このマンションはタワー棟230戸とレジデンス棟55戸に分かれています。線路の向こうに飛鳥山公園があるので、眺望が期待できるタワー棟にはそちら向きの住戸が設定されています。各階8住戸で内廊下方式。当然、北振りの住戸も設定されています。都心立地ならまだしも、ここで北振りはちょっと辛いかもしれません。29階建てと、最近のタワーにしては控えめです。もっとも、長谷工さんにそれ以上のタワーは作って欲しくありませんが。

 

29階建てのタワー棟全体としての面積と間取りは35.02~85.28㎡、1LDK~4LDK。あまり広い住戸はお作りにならなかったようですね。

 

新築時の平均坪単価は280万円前後だったと記憶しています。あの当時としては少しお高めでした。ただ、販売はそこそこ順調でした。現在の中古市場は、そこから「気持ち値上がりしたかな」というレベル。ノムコムによると、2018年9月29日時点での参考相場価格は3,586万~1億1073万円。参考相場単価は㎡あたりが82万~128万円、坪あたりが271万~423万円でした。

 

もう少しすれば新築時の販売価格まで戻りそうな気配を感じます。このマンションはコストパフォーマンスがまずまずですね。ただし、線路の騒音が気になる方には向いていません。眺望を取るのか、騒音を我慢するのか、悩ましいところ。ただ、交通の利便性はかなり優れていることも確かです。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

●ご存じですか? 不動産売買の仲介手数料はすべて割引!さらには無料になることを

東証一部上場企業グループの不動産流通システム(REDS)は、不動産売買の仲介手数料をすべて割引、さらには最大無料としつつも、お客様からの満足度の高いサービスを実現しています。

広告宣伝費などのコストを徹底的にカットしつつ、資質と経験を兼ね備えたベテランスタッフの運営でサービスの質は高め、お客様に利益を還元しています。

業界の常識を覆すREDSの新たなビジネスモデルは、「ワールドビジネスサテライト」「とくダネ!」などのテレビ番組をはじめ、各メディアでも紹介されています。

平日・土日祝日も営業中(10:00-19:00)です。お気軽にお問い合わせください。フリーコールはこちら0800-100-6633


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る