首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

高層マンション

(写真はイメージです)

 

プラウドシティ赤羽

 

売主・野村不動産アーバンネット JR京浜東北線・埼京線「赤羽」駅徒歩4分
全285戸 2012年4月完成 地上24階建て

 

新築時、猛烈な勢いで完売

 

まず、何よりも場所が最高です。赤羽で「街暮らし」をするには、これ以上の立地は望めないくらいです。お隣がダイエー。向かいはヤマダ電機に幼稚園。商店街からワンブロックと、ほどよい距離。病院、図書館、郵便局、公園もすぐ近く。それでいてJR「赤羽」駅へは徒歩4分と至近。東京メトロ南北線の「赤羽岩淵」駅へも徒歩8分で利用可能です。

 

新築販売当時、JR「赤羽」の駅近の中古マンションは、平均坪単価200万円というのがひとつの目安でした。このマンションの推定平均坪単価は260万円前後でしたから、当時としては高いといえば高いお値段。それでも販売が好調だったのは、この場所の持つ吸引力でしょうね。赤羽周辺に住んでいる方なら、誰でも知っている所。だからこそ、地元の方々の熱いニーズを吸収できているのだと思います。こういう立地の魅力は、中古になった今でも変わりません。

 

共用施設で特に取り上げるものはありません。屋上に設けられた「スカイテラス」やキッズサロンが併設された「オーナーズラウンジ」、キッチンを備えた「パーティーラウンジ」など、ごく平凡で無難なものばかりをそろえたという感じ。専有部分の間取りも、かなり平凡です。

 

しかし、オーソドックスなレイアウトで無駄がありません。まずまず暮らしやすいのではないでしょうか。また、全戸南向きで、南側隣接地にはさしたる建物がなく、その向こうは公園になっています。中層階以上ではかなり開放感を味わえそうです。

 

場所、間取り、共用施設など、いずれも及第点以上。死角のないタワーマンションといえる物件です。ただ、人気物件であるため、現在もあまり中古市場に出てきません。それでも、出てきたとすれば坪単価330万円前後が目安になるでしょうか。約3割弱の値上がりですが、この物件なら納得できます。

 

ノムコムによると(2018年9月21日時点)、参考相場価格は4,619万~1億3,723万円。参考相場単価は㎡あたりが77万~136万円。坪あたりが254万~449万円です。しかし、下落期が来たらあっさり坪300万円を割りそうです。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。