首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

団地

(写真はイメージです)

 

プラウドシティ大田六郷

 

売主・野村不動産 京急本線 「雑色」駅 徒歩12分、同「六郷土手」駅徒歩9分
全632戸 2017年01月、06月完成 地上14、15階建

 

江崎グリコ工場跡にできた野村「団地」

 

野村不動産も、なかなか勇気があります。こういうプロジェクトをやってしまったわけですね。場所は江崎グリコの工場跡地。敷地約2万3,000㎡。広いです。

 

アドレスは「東京都大田区西六郷三丁目」。準工業地域です。工場跡ですから、632戸の規模が実現できました。このエリアではなかなかない巨大な規模です。多摩川を渡ったところでは、当たり前に出てきますが。

 

問題はやはりロケーションでしょうね。京浜急行の「雑色」駅へ徒歩12分。「六郷土手」駅へ徒歩9分。この両駅ともに普通しか停まらないのに、新築販売ではなぜか3分遠い「雑色」を前面に出しています。現在も販売中です。

 

きっと「六郷土手」駅の周辺がしょぼすぎるからでしょうね。でも、ここに住む人はどちらの駅を利用するでしょうか。私なら、何もなければ近い方を選びますが。

 

新築販売のオフィシャルページには全体計画図がイラストで表示されていますが、長谷工プロジェクトの特徴がよく出ています。容積率消化と建築費抑制を最優先に考えた「団地」型の計画。632戸の割には、看板になるような共用施設はありません。余計な共用施設がたくさんあるより、あまりないほうが後あとの管理費や修繕積立金の負担を考えるといいとは思います。

 

このマンションの資産価値にとって最大のネックは駅への遠さです。しかも、その駅自体が京浜急行線という、「二流」のラインであること。京浜間で中古マンションを探す人は、まず京浜東北線沿線を優先します。勤務先が品川や浅草線の沿線なら京浜急行沿線が中心になるとは思いますが、そういう人々は少数派であろうと推測します。

 

そして、最寄り駅が各駅停車しか停まらないこと。次に「徒歩12分」というスペックが大きな問題です。京浜急行「雑色」駅を最寄りとする中古マンションを探す方が、最初にやることとしてヤフー不動産かスーモ、もしくはホームズの「中古マンション」にアクセスします。

 

そして「京急雑色」駅を選び、次には「徒歩5分以内」で検索。そのなかでいい物件が見つからなければ「徒歩10分以内」。そこで見つからなければ・・・「徒歩15分以内」に広げてくれるでしょうか? そうなると、駅を変える人が多いのではないでしょうか。つまり、このマンションは検討範囲にさえ入らないかもしれない、ということです。

 

ましてや、賃貸に出した場合は借り手を見つけるのは容易でないでしょう。それこそ「価格で勝負」ということになりそうです。

 

周辺エリアの築浅中古マンションは坪単価160万円あたりを相場観として取引されています。今の感覚ではかなりお安いですね。川を渡った川崎市川崎区では、バス便なら新築マンションでも坪単価160万円あたりが基準。それを考えれば、このマンションは180万円あたりが妥当なところでした。632戸という規模を考えれば、なおさら強気には出られなかったはず。しかし、野村不動産はそこを200万円台半ばで出してしまいました。ノムコムによると、現在の参考相場価格は4,015万~7,952万円。参考相場単価は㎡あたりが61万~97万円、坪あたりは201万~320万円でした(編集部注:2018年9月2日現在)。

 

ただ、野村不動産は竣工してから2年以上引きずることはまれで、大胆な値引きをしてでも完売させてしまう企業です。このマンションも早ければ2018年中に完売します。中古を狙うとすれば、それ以降の方が分かりやすそうです。やはり「任売狙い」でしょうね。坪単価170万円くらいで買えれば十分にお買い得レベルではないかと思います。住み倒すにはいいでしょう。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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