首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

資産価値の高い優良マンション,品川区シティテラス品川イースト

(写真はイメージです)

 

シティテラス品川イースト

 

売主・住友不動産 山手線「品川」駅バス4分「天王洲アイル」バス停徒歩5分 東京モノレール 「天王洲アイル」駅 徒歩3分
全254戸=124戸(A棟)、130戸(B棟) 2016年2月完成 地上14階建

 

不思議な「完売」マンション

 

このマンションの隣接地には、住友不動産が今も「品川イーストシティタワー」を販売中。確か2016年頃から販売を始められたと記憶していますが、その数カ月後になぜかこちらのマンションは「完売」となりました。私が見るところ「半分も売れているの?」という感じでした。

 

新築の販売をハデハデしく行っている隣接地で、建物完成後も販売を続ける「完成在庫」がズデンと立っている、という構図は、いかにも体裁が悪かったのかもしれません。それにしても、誰に売っての「完売」だったのかいまだに不思議です。

 

そもそも、ここで大規模戸数のマンション開発を行うのは、事業主である住友不動産の「蛮勇」とでも言うべきなのでしょう。初めて現地を見た時、こんな場所にマンションをつくるとは、と唖然としました。概要の「交通」欄には品川駅からのバス便を筆頭に表示してありました。しかし、バスで品川へ出るよりも、りんかい線の「天王洲アイル」を利用する人の方が多いと思います。徒歩4分ですから。ただ、長い橋を渡らなければなりません。

 

ここは、ハッキリ言ってしまえば「島」です。アドレスは「東品川5丁目」。その島の北部は「港区港南5丁目」。本土から数えると「2番目の島」。お隣の島とは「京浜運河」という幅100メートル以上の運河で隔てられています。東京湾で津波が発生したら、このマンションの下層階も洗われるでしょうね。

 

この島は、マンションができるまでは品川埠頭があるほかには倉庫ばかりの印象。大きなトラックがコンテナを積んで走っています。多分、このマンション以外に住宅はないと思えました。商業施設も、ポツポツとコンビニを見かける程度。こんなところに、家族で一緒に住むのか?と思いました。しかし、お隣に巨大なタワーもできたので、徐々に変わっては行くのでしょう。

 

地図を見ると、クリスタルヨットクラブの跡地みたいですね。そのヨットクラブはお向かいの天王洲アイルに移った模様で、このマンションから眺められます。何といってもこのマンションは「全戸水辺向き」だそうです。

 

敷地は南北に細長い形状。「全戸水辺向き」ならつまりは「西向き」。東側はコンテナの集積所と倉庫しか見えませんから、やっぱり西向きにせざるを得ないのでしょうね。まあ、サンセットを眺めるリゾート感覚なのでしょうか?

 

それにしても、よくこの場所で事業をやろうと考えたものです。それも254戸という規模です。それも、住友不動産が……。ご存じの方も多いと思いますが、住友不動産は周辺の相場観より概ね10~20%は割高な価格で売り出します。

 

お隣の島である天王洲アイルは、まだ少し楽しさが感じられるところです。とはいえ、そこへ歩いていける、というだけでは住む動機には弱いかもしれません。売るにも貸すにも多少の困難が伴うマンションの資産価値は、あまり高く評価するわけにもいきません。

 

施工は、あの長谷工コーポレーションです。住戸面積は67~71㎡。南北縦長の住棟が2つですから、それはもう単純な羊羹切りの田の字プランオンパレード。なんと、基本的にA系列とB系列の2種類しか間取りがないようです。いやはや、住友不動産は何とも大胆な事業計画を実行に移したものです。よほど建築費や設計費を安く上げたかったのでしょう。そうとしか思えません。

 

私が推定した新築時の販売平均坪単価は315万円。お隣で売り出されている「品川イーストシティタワー」は坪単価300万円台の中盤。すでにこのマンションは流通市場に何物件かが売り出されています。売出し価格は、新築時の販売価格を上回っていますが、動きは乏しい模様。ノムコムによると、参考相場価格は5,449万~7,399万円。参考相場単価は㎡あたりが80万~108万円、坪あたりが264万~357万円でした(編集部注:2018年8月9日現在)。

 

このマンションもしばらくは様子見でいいと思います。あと何年かしたら街並みも少しは「人間らしく」なるはず。その頃には市場全体に下落傾向が出ているのではないかと推測します。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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