首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

資産性の高い優良マンション,世田谷区ヴィークグラン世田谷千歳船橋

(写真はイメージです)

 

ヴィークグラン世田谷千歳船橋

 

売主・清水総合開発 小田急小田原線 「千歳船橋」駅 徒歩10分
全256戸 2014年3月完成

 

物件名が長すぎるが住むにはGOOD

 

「ヴィーク」というのは清水総合開発のブランド名ですね。何も通常の日本語にない発音を使わなくてもいいと思いますよ。それに、なんでわざわざ「世田谷」と言わなければならないのか?「千歳船橋」は千葉県の「船橋市」にあると誤解されるとでも考えたのでしょうか。そのあたり、マンション屋さんの発想はどうも理解できません。

 

さて、場所はいいところです。駅からは細い道をちょっと歩きますね。そこが少々難点ではあります。あと、256戸という大きなスケールは世田谷には似つかわしくありません。それに、環境形成ができるほどの規模でもないので、ちょっと中途半端です。ただ、2つに区切られる敷地をうまく隔てたランドプランが採用されています。

 

片方は桜を植えたから「さくらガーデン」。もう一方は紅葉を植えたから「かえでガーデン」。分かりやすいじゃないですか。ヘンな販売会社は入っていませんものね。建物は9階建てと10階建て。程よい高さではないでしょうか。駐車場は65台と38台と少なめです。機械式のようですから、将来、住民から平等に徴収する修繕積立金のことで後でもめないか、少し不安ではあります。

 

管理費は㎡単価が300円のようです。まあ標準でしょうね。新築販売時の売出し価格は私の推定で平均坪単価270万円前後。このあたりの築浅中古の相場観が新築販売時で230万円あたりでしたから、それに合わせていたのでしょう。当時のマーケットから見て高くもなく、安くもなくといったところです。

 

現在、築4年程度の築浅中古マンションですが、中古としての流通価格は新築時とほとんど同じですね。ノムコムによると、参考相場価格は4,997万~1億94万円、参考相場単価は㎡あたりが72万~110万円、坪あたりが238万~363万円です(編集部注:2018年8月3日現在)。都心の局地バブルが世田谷あたりまで浸透してきましたから、その影響を受けているのでしょう。今後はやや下落するはずです。

 

あと、ちょっと意地悪なことを書かせてもらうと、このマンションを施工した清水建設はゼネコンとしては一流かもしれませんが、マンション建設ではチョンボが多くてセンスがありません。数年前に欠陥工事が露見して「手付金の倍返し」に至った「パークタワー新川崎」は、他ならぬ清水建設が施工を担っていました。

 

8年ほど前に千葉県市川市の駅前にできたタワーマンションで、鉄筋の不足が露見して販売不振に陥ったのも、施工が清水建設。最後は、責任を取らされて売れ残り住戸を引き取ったみたいです。はたまた、東日本大震災で液状化した新浦安エリアで被害が大きかった「プラウド新浦安」を建設したのも清水建設でした。お隣の長谷工施工街区では、軽微な被害しか出ていませんでした。したがって、私は「清水」と聞くと頭の中の警戒警報が鳴りだします。

 

まあ、この物件がどうかは知りません。施工の精度というのは竣工してから何年もたってから分かることも多いのです。でも、みなさんも闇雲に信じない方がいいことは確かです。ご検討される場合には、実物をよく確認した上で管理組合の総会議事録などもチェックされることをお勧めします。

 

物件としては可もなく不可もないといえます。資産価値を期待するのではなく「長らく住むため」という目的で考えるべきマンションです。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上、携わってきた。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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