首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

資産性の高い優良マンション

(写真はイメージです)

 

シャリエ亀戸リーディングイースト 

 

売主・東レ建設 JR総武線「亀戸」駅(東口)より徒歩13分
全182戸 2016年1月完成 地上12階建

 

ちょっと駅から遠いので強気の価格交渉を

 

新築売り出し時の2016年末頃、オフィシャルページを覗くと、いきなりきれいなお姉さんが笑いかけていました。「小泉里子」なんてしらないよ、と思って調べたらモデルさん。主にファッション誌によく出てくるようで、タレント活動もあるとか。ということは、「女性受け」を狙っていたのでしょうね。このマンションとイメージが被るとは思えませんが。その1年後にはすっかりいなくなっていました。それはそれで寂しかったですね。

 

そもそも、新築マンションの分譲広告においてキャラクターは必要ありません。マンションは世の中の商品の中でもっとも高額で実体のあるもの。イメージではなく、場所とモノの良さをキッチリ伝えるのがマンション広告の役割だと私は思っています。であるのに、イメージキャラクターを起用するということは、ズバリそのマンションに「イメージで誤魔化したい何か」があったのです。では、中身を見ていきましょう。

 

まず立地。このマンションの名前は「亀戸」。アドレスも「亀戸7丁目」。交通の表示も「亀戸駅より徒歩13分」となっていました。しかし、都営新宿線の「大島」駅へは徒歩9分。ここに住む方は「大島」駅を利用する率が高いのではないでしょうか。ですので、私は「大島駅徒歩9分」の物件としてとらえたいと思います。

 

場所柄は、住宅と小規模事業所、小規模商店などが混在するところ。用途地域は「準工業地域」ですから、まあたいていの建物が作れます。かといって、今後住宅以外の建物が新たに建つとは考えにくいところですが。周辺に嫌悪施設は認められませんが、静かな住宅地でないことも確か。街並みはスッキリしませんが、生活の利便性は悪くありません。徒歩圏にスーパーが何軒かあり、小中学校も遠くないようです。ただ、金融機関がちょっと使いづらいかもしれません。駅徒歩9分はこれからの時代では「遠い部類」に入りますね。

 

敷地は正方形の左上が少し突き出したようなカタチ。悪くありません。売主は東レ建設ですが、中身は長谷工プロジェクト。元は関西系企業の物流倉庫みたいなものがあったようです。いかにも長谷工プロジェクトになりやすい敷地由来ですね。そして「長谷工と愉快な仲間たち」のレギュラー企業が売主です。

 

長谷工プロジェクトらしく、配棟はわりあいシンプルです。南向きをメインに、東向きと西向きの住棟を配置しています。ただ、南側には道路を挟んで11階建てと7階建てのマンションがあります。その間が抜けているのですが、住戸によって日照などがかなり違いそうですね。ご検討される方は、そのあたりお含み置きください。

 

さて、このマンションも新築時の販売には苦労したようです。実は、2012年頃に、このマンションのひと区画北側で「パークフロントテラス亀戸」という174戸の長谷工プロジェクトが分譲されました。売主は伊藤忠都市開発とコスモスイニシア。竣工は2013年2月。約1年半かけて、なんとか竣工までに完売させた物件です。

 

その「パークフロントテラス亀戸」の平均坪単価は180万円だったと私は理解しています。このマンションは竣工後1年ちょっと販売が続いたと記憶していますが、平均坪単価は230万円前後かと推測できました。つまり、その3年間に販売された「パークフロントテラス亀戸」より2割以上高いレベル。だから、新築時の販売は苦戦したのだと私は考えています。

 

「高いから販売が苦戦する」「だから集客効果のあるタレントを使おう」。冒頭に述べた、オフィシャルページにタレントが登場していた理由はこれだと思います。ごまかしたいのは、物件の中身ではなく「価格の高さ」なのです。

 

現在、局地バブルの影響がとうとうこの江東区の端っこまで広がってきました。現在、流通市場に何戸かの売出し物件を見ることができます。売出し価格は、ほとんど新築時の販売価格そのまま。多分、新築時に購入した人はいかほどかの値引きを受けているはず。「その分だけでも儲けたい」という、売り出し価格なのでしょう。ノムコムによると、現在の参考相場価格は3,667万~7,944万円、参考相場単価は㎡あたりが53万~86万円、坪あたりが175万~284万円でした(編集部注:2018年7月21日現在)。

 

こういうマンションは、やはり強気の価格交渉。売り手が売り急いでいた場合、1割程度の値引きはカンタンに引き出せるケースが多いもの。そういう物件なら購入する価値がありますので、交渉を仕掛けるときには、こちら側の立場で向こうと掛け合ってくれる仲介業者にお願いするのが最良策だと思います。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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