首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

資産価値の高い優良マンション,新宿区,富久クロスコンフォートタワー

(写真はイメージです)

 

富久クロスコンフォートタワー

 

売主・野村不動産ほかJV 東京メトロ丸ノ内線 「新宿御苑前」駅 徒歩5分
全1093戸(タワー棟のみ、非分譲住戸含む) 2015年5月完成 55階建て 

 

バブル期の地上げ虫食い跡を見事に復活

 

このエリアは、バブル期に激しい地上げが行われました。西富久地区第一種市街地再開発事業のオフィシャルページには、以下のような記述がありました。(2014年当時)

 

バブル崩壊後、西富久地区の人口は地上げ前の約半数に減ってしまい、地区の約3割は駐車場、建物の約半数は空家となりました。この状況に、住民自ら「自分たちの手で街を再生させよう」と、全国で第一号なる住民主導の『西富久街づくり組合』を結成し、はや10年以上が経過いたしました。

 

地元の人々が勉強会を作ったのは1990年、早稲田大学の支援を得て「西富久街づくり組合」が結成されたのが1997年。1999年からURが低未利用地の取得を開始し、「準備組合」が作られたのが2001年だそうです。都市計画の決定は2008年。本組合の設立認可が2009年の11月。それからでも、着工までは3年ほどかかっていることになります。地元の方々は、本当に粘り強く話し合いを重ねてこられたのですね。心から敬意を表したいと思います。

 

さて、時間がかかっただけあって、計画自体は壮大なものです。地下に駐車場。人工地盤の上に商業施設やペントハウスと呼ばれる戸建て住宅が作られました。それは、もちろん元の地権者用。羨ましいですね。数年仮住まいをしなければなりませんが、たぶん費用ゼロで大きくて新しい家に住み替えられるのですから。

 

スーパー「イトーヨーカドー」が入る商業施設の広さは「3600㎡」と物件オフィシャルページに表示されていました。これも相当な規模です。単純なスクエアとしても60m×60mの大空間。食品のほかにも品ぞろえが充実するかもしれません。また、3フロアで1200㎡の認定こども園に800㎡の広場がありますから、共用施設もまずまず充実していますね。ゲストルームやパーティラウンジは、それなりに需要があると思います。

 

新築時のブランドイメージは健在

 

新築販売時にはマツコデラックスや小泉今日子まで動員した派手なプロモーションを展開。しかし、このマンションには十分なポテンシャルがあったので、そういう広告は必要でなかったのではないかと思います。いかにも「これは多分値上がりするな」と思わせる物件でした。

 

資産価値について考えます。このマンションの資産性の基本は「新宿に近い」。あとは「新宿御苑前駅へ徒歩5分」。したがって、10年後に中古マンションとして売却する場合は、普通の「新宿御苑駅から徒歩5分のタワーマンション」です。

 

現在、富久町にある『ローレルコート新宿タワー』という物件が築11年。同じ「新宿御苑」駅から徒歩8分です。このタワーマンションの中古売り出し価格が坪300万円台の前半。成約価格は300万円前後になっていますね。

 

富久クロスの場合は新築時のプロモーションの余韻を引きずっているので現在の相場観は坪単価にして400万円台前半。ちょっと下駄をはいていますね。ノムコムによると、参考相場単価は㎡あたり105万~204万円、坪あたり347万~674万です。参考相場価格は4,107万~2億4,713万円でした(編集部注:2018年6月3日現在)。

 

私は、このマンションについては再開発組合で長年苦労してこられた方々に非常な敬意を表したいと考えていますが、残念ながらヴィンテージタイプではないと思っています。確かに、資産性はそこそこ安定するでしょう。しかし、建築後10年から20年たっても多くの人々が「あそこに住みたい」と熱望し「中古物件が出てくるとすぐに売れてしまう」という物件ではないと思います。

 

この物件のメリットは

  1. 「新宿御苑前」駅から徒歩5分
  2. 1,093戸の大規模。そして共用施設の充実
  3. 商業施設との一体開発

 

ただし、

  1. 立地のブランド性がない
  2. 地権者住戸の数が分からない(多ければ管理組合を支配される)
  3. 長期的には「ローレルコート新宿タワー」のように坪300万を切る

 

以上の様な視点で眺めてみてはいかがでしょう。現状、ブランドイメージは健在ですしヨーカドーもあって便利です。しかし、今はちょっと高値づかみの危険があります。むしろ、現在所有している方は「今のうちに」売却すべきでしょうね。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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