首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

資産価値の高い優良マンション,中央区,勝どき ザ・タワー

(写真はイメージです)

 

勝どき ザ・タワー

 

売主・鹿島建設ほか 都営大江戸線「勝どき」駅徒歩6分
全1420戸 2016年12月完成 地上53階地下2階

 

電車もクルマも立地よし、五輪後も大丈夫

 

2013年9月にオリンピック開催が決まってからの数カ月間、湾岸のタワーマンションがすごい勢いで売れました。多分、オリンピックが来なければ完売まであと何年もかかったであろう物件が、あっという間に完売してしまったのです。ちょっと異様でしたね。

 

そんな中で、このタワーマンションは立地と交通の便のよさから、オリンピックがなくても売れたであろう物件。まず、アドレスが中央区であること。豊洲や有明のある江東区ではありません。そして、大江戸線の「勝どき」から徒歩6分。それほど近くではないけど、歩いて負担を感じる距離でもありません。さらに、マッカーサー道路とも呼ばれる環状2号線ができると、この物件にとっては、カーアクセスの面で非常によくなりますね。港区方面からタクシーで帰ってくるときに多少は早くなる程度かもしれませんけど。

 

ただ、このマンションにとってはオリンピック後の心配があります。晴海にできる選手村の居住用建物は残され、住宅と国際交流拠点のようなものも設けられるようです。オリンピックを機に、晴海・勝どきエリアが国際色豊かな街へと生まれ変わるのではないかと予想します。

 

それはそれでいいのですが、選手村のレガシーが分譲マンションとして市場に供給されてしまうのです。おそらく、分譲だけで4,000戸規模。そうなると、このエリアのマンション市場は完全に供給過剰になります。

 

ただし、そういう中で勝どき駅前の「勝どきビュータワー」に次いで立地的に好条件を備えたのがこの物件です。選手村のマンションは、おそらく軒並み駅徒歩10分以上の表示になるはず。その中でこのマンションは「6分」として別格感が評価されれば、資産価値は保たれます。

 

もうひとつ、このマンションの難点を挙げるとすると、周囲がタワーだらけであることでしょうか。タワーマンションの最大のメリットである眺望と開放感が、あまりスカっとしない住戸が多そうですね。そうでなくても、トライスター型の形状なので、先っぽの住戸以外は視界が狭まっています。

 

もっとも窮屈な感じがするのは、南東面に配された住戸でしょうね。すぐ近くに『東京タワーズ』という、ちょっとふざけた名前のタワーマンションがありますから。東側は、これも変わった名前である『ドゥ・トゥール』が2本。その向こうも『トリトンスクエア』のビル群。北側には『クレストシティレジデンス』の18階建てがまるで視界を防ぐ壁のように立っています。北側の上階は開放感があっても、20階以下はかなりの閉塞感。北東側も、例の「勝どきビュータワー」があります。ビルを見ながら暮らすことになりそうですね。

 

逆に西側は今のところわりあい開放されていますね。でも、将来的には分かりません。数年後にはここと同じくらいのタワーが建つことだってあり得ます。何といっても、東京では数少ない成長エリアであり、しかもまとまった土地が出やすい地域ですから。

 

それにしても、このマンションの名前も、どこか変ですね。どうして「THE」を勝どきの後に入れるのでしょう。特に「THE」を入れる必要はないのですが、どうしても入れたいのなら最初ではないでしょうか? まあ、どうでもいいことではありますが。

 

余計な共用施設ないから安くすむ

 

この物件に、好感が持てるところがあります。それは温泉もプールもないところです。一部の人しか利用しない豪華施設の高額な管理費用を区分所有者全員が負担する、というバカなシステムにならないからいいのです。フィットネスルームの費用くらいなら、1420戸で負担すれば1戸あたりは僅かなものでしょうから。

 

このマンションは新築販売時にかなり順調に完売しましたが、最大の理由は価格が安かったからです。平均坪単価は306万円であったと伝えられています。同時期に販売していた『ドゥ・トゥール』は300万円台の後半で始まり、その後は値上げをしていたので未だに完売していません。

 

月島では『キャピタルゲート』という物件も販売していましたが、あちらは坪単価300万円台の中盤でした。このマンションは「勝どき」駅から徒歩6分で、坪単価306万円。それはやはり安くは感じました。だから購入者が殺到したのでしょう。

 

現在、あまり値上がりしていません。ノムコムによると、参考相場価格は4,124万~2億9,928万円。参考相場単価は㎡あたりで84万~249万円、坪あたりで277万~823万円でした。表面的な売り出し価格だけを見ると2割くらい上がっている印象を抱きますが、レインズの成約価格を見ると「1割も上がっているかな」という感じ。つまり、転売目的で購入した方はさほどもうからなかったはずです。

 

このマンションは西向きもしくは北向きを安く買えるのならアリですね。これだけのボリュームがありますから、ときどき焦って売る人もいるはず。欲しいのなら、慌てないで仲のいい業者さんに頼んでおくといいでしょう。

 

あと、勝どき駅は大変混雑しているそうですが、間もなく拡張工事を終えるはず。晴海の選手村跡地がマンションに変わればさらに混雑しそうですが、その頃にはマッカーサー道路にBRT(バス・ラピッド・トランジット、バス高速輸送システム)が走っているはずです。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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