首都圏で毎年、増え続ける分譲マンション。しかし、その資産価値を長く保つことができるものは限られるのではないでしょうか。不動産の価格は、利用価値で決まるといわれます。

 

その不動産を利用する人間の数が減っていく近未来、利用価値は低くなるため、価格は下がっていきます。住宅ジャーナリスト、榊淳司氏は近著『2025年 東京不動産大暴落』でこう警鐘を鳴らしました。

 

各メディアで健筆をふるう榊氏は不動産への愛ゆえの辛口で知られますが、そんな榊氏にも資産性や流動性からその価値に脱帽したマンションがあります。マンションの具体名を挙げて、なぜ優れているのかを紹介していきます。

 

江東区の優良マンション,THE TOYOSU TOWER

(写真はイメージです)

 

THE TOYOSU TOWER (ザトヨスタワー)

 

売主・三井不動産レジデンシャル他 有楽町線 「豊洲」 徒歩6分
全825戸  2008年11月完成 RC一部S 43階

 

豊洲ブームの先駆け的タワーマンション

 

こちらの新築時の売主は三井不動産レジデンシャルに野村不動産、そして三菱地所(現三菱地所レジデンス)でした。オールスターキャスト、といっていいメンバーですね。だから、名前もすなわち「THE TOYOSU TOWER」。

 

しかし、マンション名というのは英文表記が馴染みません。何といっても、住んでいる人の大半は日本人です。このマンションは正式名が英文表記のようなので「THE TOYOSU TOWER」とすべきなのでしょうが、中古マンションの紹介サイトでは「ザトヨスタワー」になっていることがあります。

 

「ザトヨスタワー」という字面を目にすると、何とも間抜けですね。かといって、勝手に「ザ豊洲タワー」と表記するわけにもいかず。マンションデベロッパーは基本売りっぱなしなので、売った後のことを何にも考えていない、ということがよく分かります。

 

このマンションの販売が行われていた約10年前には、価格も中身も、住友不動産の『シティタワーズ豊洲』と競合していました。今も中古マンションとしては比べられる状態であると思います。『シティタワーズ』はツインズもシンボルも黒いガラスウォールの外観です。

 

こちらも外観的には無個性なタワーマンションですね。別にこのマンションに限ったことではないのですが、タワーマンションにはコミュニティとして、あるいは建築造形としての「個性」が感じられないものが多いものです。ただ、ズドーンと天を突かんばかりにそびえ立っている…。この「THE TOYOSU TOWER」の外観にも、これといって語るべき個性がありません。

 

高級志向で使い勝手のよい間取り

 

建物の周りには巧みに植栽が配されていて、美しいランドスケープが形成されているのは、現地に行けば分かります。立派なファサードのエントランスを入ると、吹抜け構造の伸びやかな空間。上質なシティホテルのような広々ホールに外の眺めを楽しみながら、ゆったりくつろげるラウンジ。

 

新築分譲時の坪単価が300万円弱もしただけあって、造りも中身も高級そのものです。「それでは、シティタワーズとの違いはなんでしょう?」となったときに、顕著に異なるものは何もないはずです。別に温泉を掘れとか、プールを作れといっているわけではありません。ただ「高級に設えました」というのでは、面白くないなと思います。

 

「ようこそ、とっておきの豊洲へ」。このマンションの新築販売キャンペーン時のキャッチフレーズです。たしかに、とっておきの豊洲なのでしょうが、他のタワーとどこが違ったのか? また、その当時使われていた広告フレーズの「豊洲 URBAN VILLAGE」って、いったいどういう意味だったのでしょう? いまひとつよく分かりませんね。

 

花火が見えるスカイデッキがあります。仲間でくつろげるスカイラウンジがあります。ライブラリーがあります。まあ、10年前にできたタワーマンションとしてはなかなかのラインナップです。

 

間取りも使いやすそうでした。不整形なスペースを、それなりに上手にレイアウトしています。斜めのラインをすべてリビング・ダイニングにしたのが勝因でしょうか。居室がきっちりと使いやすい形になっていました。収納の配し方も使いやすそうです。間取りでは住友のシティタワーズよりもよかった記憶があります。

 

現在、築10年を迎えたので中古の流通量はそれなりです。坪単価は300万円前後が相場観ですね。もちろん、階数や向きによって差が出ています。新築販売時の坪単価が平均で290万円。ほんのわずかに値上がりしているか、横ばい。ノムコムによると、参考相場価格は3,835万~3億2,441万円。参考相場単価は㎡あたりは73万~226万円、坪あたりは241万~747万円でした(編集部注:2018年6月22日現在)。

 

すでに東京五輪招致の熱は冷めましたので、今後はゆったりと下降するはず。場所はいいので、豊洲に住むのなら、選択肢に入る物件です。

 

 

榊淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年生まれ、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)、『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

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