榊淳司氏講演動画「2018年 都内のマンションは売り時と言えるか」(21分)

 不動産市場は波があり、上がったり下がったりするものです。私は住宅ジャーナリストとして「いつ売ったらいいですか?」「いつ買ったらいいですか?」「今は買い時ですか? 売り時ですか?」という質問をよく受けます。

 

23区の局地バブルが拡大中

 

ご存知の通りこの数年、首都圏の不動産市況というのは上り市況であり、私は局地バブルと表現しています。局地というのは地域限定という意味です。東京であれば23区、つい最近で言えば山手線のせいぜい2駅か3駅までがバブルだと思っていました。

 

ただ最近になって地域が広がりまして、城南エリアもバブルの波に飲み込まれており、品川区や大田区のあたりまですごい値段になっています。最近では江東区の深川エリアや東陽町もそうです。売れたかどうかは把握していませんが、野村不動産が木場あたりにタワーマンションを坪単価500万で出しています。500万というのは赤坂であっても割といいマンションが買える額です。

 

 

不動産市況のトレンドを読むに当たって、データはいろいろありますが、ひとつは「リート指数」と呼ばれているものです。東京証券取引所に上場している不動産投信(J-REIT)の全銘柄を対象とした「時価総額加重型」の指数のこと。基準時(2003年3月31日)の時価総額を1000として、現時点はいくらであるか算出したものです。リートの値段がすなわち不動産というわけではありませんが、大きなトレンドを読みやすい指標だと思います。

 

 

安倍さんが総理になった翌年の2013年頃から上昇基調となりました。私は2016年あたりから「ピークだ」と言っていて、毎年2月くらいになると「後半は下がるかもしれません」と言い続けていますが、一向に下がらず、「いつになったら下がるの?」と周りから責められています。その答えとして『2025年東京不動産大暴落』(イースト新書)を上梓しました。

 

日銀の低金利政策が不動産価格を押し上げ

 

なぜこんなにも不動産が高くなったかというと、一番の原因は金利だと考えています。現日銀総裁の黒田東彦さんが就任したのは2013年3月20日のことです。今年でちょうど5年になります。

 

 

その前の総裁が日本銀行出身の白川さんという方で、普通のことしかやらなかった一方、旧大蔵省出身の黒田さんは経済学で言うところのリフレーションをしました。つまり、世の中にいっぱいお金を供給して無理やりインフレにしたんですね。その手段のひとつとして金利を下げたのです。2年前についにマイナス金利になってしまいました。金利と不動産価格は反比例しますので、金利が下がると不動産価格は上がります。

 

リートはビルを買って運用しているんですが、リートの調達金利が今や史上最低レベルで、0.1%とか0.2%です。金利が0.2%まで下がるとどういうことになるか。ビルを買って利回りが3.8%でも問題ないんです。利回りが3.8%というのは、ビルの値段が異常に高いということ。1年間の賃料収益が購入価格の3.8%ということです。

 

これは以前なら考えられない数字です。リートの配当は7、8年前まで8~9%というのもあったくらいなんです。今でもやっと4~5%くらいですが、本来は4%や5%でも物件の入れ替えをしないといけないです。ですが3.8%の物件でも買ってしまう。なぜかと言うと、0.1%とか0.2%という低金利でお金を調達できるからです。

 

調達金利が例えば1.5%になったとしましょう。例えば3年後に1.5%になると言ったら、1.5%で買える利回りはおそらく6%です。今は3.8%で回っていますが、それが6%になったら、値段が3割近く減るんですね。10億だったのが7億で買わないと6%にならないわけです。

 

みなさんの住宅ローンもそうです。収入の高い人の住宅ローンの金利は、0.4%とか0.3%とかですね。普通の人でも0.5%とか0.6%で借りられます。2%で借りたら予算は7,000万円だったとすると、0.5%だったら9,000万円の予算に跳ね上がるわけです。

 

金利は今後どうなるのか

 

アメリカの話をしますと、イエレンさんという方が5年くらい前から日本でいう日銀の総裁にあたるFRBの議長を務めていました。イエレンさんはバンカーであり、それまで「アメリカの金利が日本と同じゼロだったのが正常ではないから、戻しましょう」という考えの方でした。

 

 

そして実際に上がってきており、今はパウエルさんという人に代わりましたが、彼もイエレンさんの流れを引き継ぐと言われていて、今年も3回の利上げを予定しています。1回あたり0.25なので3回で0.75です。となると、やがて2%を突破します。

 

それでは日本はどうかと言いますと、黒田さんの任期が今年の4月5日でいったん満了になりましたが、どうやら再任が決まったようです。国会の同意が得られれば、2023年4月まで金融政策の司令塔を引き続き担うことになります。黒田さんは財務省出身ですから、なんとか税金を取ろうとするわけですね。つまり消費税を上げようということです。デフレ脱却の目的もありますが、消費税を上げるために、先ほど申し上げた景気引き上げ策を取ったわけです。以前に消費税が5%から8%に上がった時に、確かにリセッションが起きましたが、黒田さんの金融緩和でごまかされたというのが2014年ごろの話です。

 

黒田さんがマイナス金利にしたおかげで、銀行は全く儲かってないんですね。「メガバンクが業績悪化」という報道がなされていますが、メガバンクはまだ大丈夫で、問題は地方の銀行や信用金庫、信用組合ですよ。銀行の方々は「金利にマイナスなんてものはない」という常識を持っている方々なので、黒田さんは金融業界に非常に評判が悪いです。

 

グラフで読み解く都内マンション市況動向

 

実際のマンション市況がどうなっているかということを見てみますと、2016年あたりで本当は下落に入っていかなければいけなかったのですが、2017年も悪くない。悪くないどころかとてもいいことがグラフから読み取れます。

 

 

赤い棒グラフ、目盛りは左の縦軸ですが、成約単価が増加傾向にあることがわかります。つまり値段が上がっているということです。同じ面積の物件では、どんどん値段が上がっているということです。注目して頂きたいのは紫のライン、在庫物件の1㎡あたりの単価。横ばいに見えますが、これも上がっています。在庫前年同月比は増えてはいないんですが、実際の数字は増えています。

 

同様に値段が上がっているという話で、都心3区である千代田区、中央区、港区の中古マンション成約価格推移をみてみましょう。《パワーポイント7ページ》 2014年の12月、つまり3年前と比べて2017年12月は上がっています。こういうデータは、私が日頃、市場を見ている体感値とほとんど一緒です。都心3区と同様の動きが城南エリアや江東区にまで広がっています。

 

最近は東京の北端である北区でも上がっています。個人的には北区は上がらなくていい、北区まで上がったらバブルの最後かなと思っています。別に北区を悪く言っているわけではなくて、北区というのはやはり中堅所得者がマンションを買えるエリアですから、そういうエリアは残っていてほしいという思いです。

 

在庫が増加=高値では売れなくなってきた

 

それから紫の山を見てほしいんですね。紫は在庫なんですが、この約2年間じわじわと上がっています。それに反比例して、こちらの成約件数が下がっています。

 

 

これも私の体感とほぼ同じです。具体的なマンション名を挙げますと、2017年7月竣工の『ザ・パークハウス西新宿タワー60』というマンションがあります。このマンションを私の知り合いの不動産会社の社長が、めざとく買いました。9,800万円で買ったそうですが、引渡しを受けた瞬間から1億3,800万円で売りに出しています。つまり、4,000万も上乗せしているわけですね。不動産会社の社長らしいなとは思いますが、ところがこれが売れません。もう半年以上、ずっと出していますが売れません。

 

とある取材で調べましたが、レインズという不動産業者専用の情報端末で『ザ・パークハウス西新宿タワー60』を調べてみたら、全部で88件の売り出し物件がありました。ただ88件の中には重複があるので、おそらく実数は74、5件くらいだと思います。一方、この1年で成約件数が何件あったかと言いますと、たったの9件でした。要は、売りに出しても、これから半年以内に売れる可能性は、10%ちょっとくらいしかないということなんですね。

 

今みなさんに見えている市場は非常に上がっていますが、この上がった値段で売れている人は非常に少ないことをぜひ、お含み置きください。私も不動産売買のお手伝いをすることもありますが、もう1年以上も売れていない物件もあります。そういう方はやはり高く出しており「下げませんか?」とアドバイスしても受け入れません。そういう値段がずっとアットホームとかYahoo!不動産とかスーモに出続けているという状態であるのが実態と言うことです。
榊淳司氏講演(2)に続く

 

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