誰しも自分のマンションを売却する時は「少しでも高く売りたい」と考えるはずだ。そのためには、自分のマンションを少しでも良く見せる必要があり、基本的なテクニックがいくつかある。

 

リフォーム

(写真はイメージです)

 

マンションをより高く売却するための基本的テクニック

 

まずは、引っ越してしまってその住戸を空き家にすることだ。住んだまま売ろうとすると、ちょっと難易度が上がる。買う側からすると、よほどの人気エリアでもない限り、家具などを取り払った後の状態を見ないで何千万円もの購入を決めたりしないはずだ。

 

そういう状態でも平気で買おうとするのは「再販業者」と呼ばれる不動産屋さんたちだ。彼らはハナからフルリフォームをするつもりでいるから、モノの状態なんて気にしない。その代わり、市場で再販できる価格からリフォーム費用と自分たちの利益を差し引いた価格で買い取ろうとする。

 

再販業者によるリフォーム

 

例えば、5,000万円で再販できそうな物件だったら「4,000万円なら即金で買い取ります」という交渉を仕掛けてくる。売主がものすごく換金を急いでいる場合は、言われるがままの条件で売ってしまうケースもある。

 

再販業者が見込むリフォーム費用は、だいたい1住戸200万円だ。それでフローリング以外は全て新しくしてしまう。そうすると一見、新築と変わらなくなる。この場合だと、業者の利益は再販価格5,000万円-(買取価格4,000万円+リフォーム費用200万円)=800万円となる。うまくいけば美味しい案件だ。

 

売り手自身でリフォームすると

 

こうした再販業者が行うフルリフォームを、売り手自身ができないものか、と誰もが考える。実はこれが、簡単なようでなかなか難しい。リフォーム業者に見積もりを依頼したら軽く400万円前後になるはずだ。場合によっては500万円を超えてしまう。

 

再販業者は年間何十戸も発注するため専属のリフォーム業者と提携している。そういうリフォーム業者は薄利多売で仕事を引き受ける。どの物件でも工事内容は似通っているし使う資材も同じ。発注者である再販業者との打ち合わせなども短時間でさっと終わってしまう。

 

しかし一般人から発注を受ける場合は、工事内容や施工方法、使用資材などを一つ一つ細かく決めていかなければならない。これにはかなりの労力と時間が使われる。

 

それにシステムキッチンやユニットバスなどの高価な資材も、いつも発注する汎用品以外のものを選ばれてしまうことが多い。こうした条件が重なり、再販業者が発注する2倍かそれ以上の金額にのぼってしまうのだ。

 

資格不要のリフォーム業者とやりとりするハードル

 

さらに言えば、マンションのリフォームを行うのには何の資格もいらない。行政への届け出も不要だ。つまり誰でも今日からリフォーム業者になれる。そしてフルリフォームとなると、ガス工事、電気工事、水道関係、壁・天井のクロス張りなど、それぞれの専門業者を下請けとして動かさなければならない。自然と、営業に長けたブローカー的な業者が多くなる。

 

このように、マンションのリフォームを個人として業者に発注する場合は、それなりのコストを覚悟しなければならない。

 

先ほどの例だと、4,000万円で再販業者に売るよりも、自分で400万円かけてリフォームをすれば5,000万円で売れるかもしれない。そうなれば、売却で得られる資金は600万円ほどかさ上げされる。

 

ただし、打ち合わせや発注の手間ひまに加え、予定通り工事が仕上がるかどうか、というリスクを背負うことになる。またリフォーム業者は「開けてみたら想定と違っていた」などと言って追加料金を請求してくるケースも多い。つまり、一般人にとってはかなりハードルが高いのだ。

 

マンション売却時のリフォームを低コストに抑える手法

 

ここで、誰でも比較的カンタンにリフォームを発注できて、低コストに抑えられる手法を紹介しておこう。それはホームセンターの大型店舗を活用するというものだ。

 

DIYの大型店では、たいていがリフォームを請け負っている。全体的な見積もりを取った後にまとめて発注もできるし、システムキッチンやユニットバスの交換などを個別に発注してもいい。壁や天井のクロスを張り替えるメニューもある。もちろん、トイレ便器や洗面化粧台の取り換えなども請け負う。

 

郊外では大型ホームセンター同士の競合も激しい。自然と価格競争になっているので、思わぬ低価格で発注できたりもする。例えばシステムキッチンの交換などは、前述の再販業者が発注するのと同じレベルで請け負ってくれたりする。

 

手間・ひまはかかるが安心して利用できるのがホームセンター

 

ホームセンターの活用は、誰でもできる。資料は豊富で、販売員も丁寧に説明してくれるはず。もし不満があれば、他の店に行くだけだ。

 

もちろん、発注する手間ひまはそれなりにかかる。しかし、ホームセンターの大規模店舗を運営しているような会社はたいてい上場企業なので、工事の質もそれなりに期待できる。仮にトラブルになっても、上場企業なのでおかしな対応はできないだろう。

 

ホームセンターのさまざまなリフォームメニューは、居住中の住まいに利用されることがほとんどで、マンションを売却する際に利用されるケースは少ないと思う。売却のためのリフォームは、まず不動産屋に相談してしまうからだ。

 

彼ら不動産屋は、たいていどこかのリフォーム業者と提携している。そこが発注を受ければ紹介した不動産屋にバックマージンが入るので「良心的な業者ですよ」と勧めてくる。まあ、本当に良心的な業者を紹介してくれるケースが皆無とは言わない。しかし基本的には、ホームセンターで発注するよりも高くなると考えねばならない。

 

マンションをより高く売却するために

 

話をまとめよう。中古マンションを高く売却しようと考えるのなら、まず引っ越して空き家状態にしよう。そしてキッチンやユニットバスなど水回り設備が古くなっているものは、できるかぎり交換したほうがいい。壁や天井が汚れている場合も同じ。場合によっては床の張り替えも検討すべきだ。リフォームを行ってピカピカにした状態なら、かけた費用を上乗せした以上の価格で確実に売却できる。

 

ただ注意したいのは、そういうマンションはほぼ都心かその近郊にあって、売却価格がおおむね3,000万円以上の物件だ。郊外の2,000万円未満や、近郊でも狭小サイズで低価格での売却が避けられないケースではまた少し難しくなる。その場合は、それこそ信頼のできる不動産仲介業者に相談すべきだろう。

 

榊 淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『マンション格差』(講談社現代新書)など。

 

 

この記事に関連する「マンション売却で武器になるホームインスペクション(住宅診断)」もぜひご覧ください。

 

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