あの有名タワーマンションは、優良物件、それともダメ物件? 不動産業界に精通した気鋭の住宅ジャーナリストが、東京23区のタワーマンションの資産価値を独自の視点で論じます。今回は「豊島区」の第3弾として3物件を徹底チェック。マンション購入・売却のご参考になさってください。

 
豊島区マンション
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

セントラルレジデンスシティタワー池袋

 
売主/住友不動産 JRほか「池袋」駅から徒歩11分
全217戸 2003年9月完成 地上26階・地下2階建
 

駅からは遠いが暮らしやすい

 
このマンションは、なかなか名前が定まりませんね。
 
「セントラルレジデンスシティタワー」と出ていたり
「アートレジデンスタワー」だったり。
あるいは単に「シティタワー池袋」でも通じるようです。
多分、売主である住友不動産がややこしい操作をした結果でしょう。
 
場所は悪くありません。サンシャインシティのやや北で春日通り沿い。
池袋駅からは「徒歩11分」との表記です。
 
駅まで歩くのはにぎやかな街並みが多いので、それなりに楽しいはず。
サンシャインシティを順路にしようと思えば、それも可能です。
しかし、こちらのマンションに住んでいて毎日「池袋」駅まで通っている方は
それほど多いとは思えない印象です。
 
建物は、春日通り沿いのやや横長の長方形をそのまま立ち上げた感じです。
住戸は南西向きと北東向きに分かれていると推定できます。
建物が完成したのは2003年の9月ということですから、
販売は主に2002年に行われたのではないでしょうか。
 
2002年といえば、マンションの価格が底を這っていた時期です。
当時の感覚では、最寄り駅が山手線で坪単価200万円台。
駅から離れると坪単価200万円に乗せるかどうか、というあたりです。
 
ちなみに、郊外に行くと軒並み100万円台でした。
今思えば、当時は仰天するほど安値で新築マンションが販売されていました。
 
このマンションも新築時の分譲価格は坪単価200万円台の半ばですね。
新築時に購入した方は現在、含み益を得られているでしょう。
 
売った方は売却益を享受されたはずです。といっても、それほど多くはありません。
今の相場観は坪単価200万円台の後半ですから。
もちろん、住戸の階や眺望などの条件でかなり異なりますが、だいたい1割から2割の譲渡益ではないでしょうか。
 
しかしそれも間もなく、なくなりそうな気配を感じます。
相場の下落と、マンション自体の経年劣化による減価があるからです。
 
池袋駅の周辺には中古のタワーマンションが多くあります。
そういった中で、この徒歩11分の物件は資産価値がやや脆弱。
市場が下落基調に転じるといち早く崩れそうなのがこうしたマンションです。
 
今はやや割高に感じますが、今後の相場展開から考えると
下落時の狙い目の物件と言えるかもしれません。
 
近くにはスーパーもあれば様々な商業施設も充実しています。
南向きならサンシャインシティビューですが、北振り住戸の眺望はまずまず。
実際に住むために購入するのであれば、実用性の高いマンションと言えます。
 
さらに言えば、高値掴みさえしなければ、後々売ったり貸したりするにも
あまり心配のいらないタワーマンションでもあります。
地味ながらも、それなりに手堅い資産となるでしょう。
 

ザ・タワーグランディア

 
売主/ダイア建設・キクエイビル 東京メトロ有楽町線ほか「池袋」駅徒歩6分
全354戸 2004年3月完成 地上38階・地下2階建
 

マイナー感は逆に狙い目か?

 
売主企業であったダイア建設は倒産した会社です。
継続企業は一部残っていますが、事実上はないと思った方がいいでしょう。
ただ、このマンションは築13年を超えていますし、
元の売主は今や何の関係もないといっていいと思います。
 
場所は東京メトロ有楽町線「池袋」駅から徒歩6分です。
JRの「池袋」駅へも5分以上歩くことになります。
しかも、やや残念なことに山手線の外側に立地しています。
それでも立地的には「池袋駅の徒歩圏」というのが最大のメリットです。
 
ダイア建設というのは大京の流れを汲んだデベロッパーでした。
郊外のファミリーマンション開発が得意だった会社。
そのような会社が池袋駅の徒歩圏にタワーマンションを開発すると聞き、
当時は「なんで?」と感じたことを覚えています。
 
販売が始まった頃は、新築マンションの氷河期のような時代でした。
こちらのマンションも、あの時代に合わせた価格が設定されていました。
坪単価にすると200万円台の半ばが平均だったでしょうか。
それでも当時は「高いなあ」という印象でした。
 
池袋駅の周辺には、ステータス性の高いエリアはほとんどありません。
あえて言うならば、雑司ヶ谷の辺りはしゃれた住宅地になっていますが
池袋駅から歩ける範囲なら、だいたいは商業エリアか雑多な場所。
このマンションの立地も、言ってしまえば「駅に近い」というだけです。
 
山手線の駅でメジャーと言えば「東京」「新宿」「渋谷」ときて、
その次あたりが「池袋」か「有楽町」ではないでしょうか。
あるいは「上野」とか「品川」「新橋」もありますが、
「池袋」は4番手か5番手には入ると思います。
 
しかし、「池袋」という街のステータス感は、「目黒」や「恵比寿」にはかないませんし、
「目白」にも劣るかもしれません。
このあたりは東京人が持っている微妙な感覚ですね。
要するに、便利な割には低評価な街なので、やや残念。
 
このマンションの資産価値は「池袋の徒歩圏」ということに尽きます。
ただ、「池袋徒歩圏」である限り、資産評価には底堅いものがあります。
 
周りには眺望を阻害するような超高層ビルはほとんどありません。
その割には、中古としての評価が高くない物件です。
コンパクトタイプを5千万円以内の予算で探している方にとっては
意外と狙い目のマンションかもしれません。
 

OWL TOWER(アウルタワー)

 
売主/ゴールドクレスト 有楽町線「東池袋」駅から徒歩2分
全608戸(うち非分譲住戸135) 2010年12月完成 地上52階・地下2階建
 

新築の販売がまだ続いている

 
ゴールドクレストという会社は、かつて竣工物件販売において、
購入希望者に現物を確認させずに契約させようとする、
かなり非常識な営業手法を採用していたことがあります。
現在もそういった営業手法を採っているか否かは不明です。
 
このマンションは「東池袋四丁目第2地区」という再開発案件。
豊島区のお金が30億円以上も投入されていますね。
再開発はUR主導で行われたようですが、
売却住戸の選定入札でゴールドクレストが勝ち取ったと推測できます。
 
ですので、プロデューサーはUR、実質施工は大成建設。
そして住戸の売主がゴールドクレスト、となります。
カタカナ系のマンションデベロッパーの中では数少ない生き残り企業です。
 
実はこのマンション、新築住戸の販売が現在も続いています。
このタワーマンションが築7年近くになっても完売できない理由は、
ズバリ「価格が高い」ということだと思います。
 
ゴールドクレストは、客によって見せる価格表が違ったり、
それを客に渡さなかったりと、かなり不透明な営業をしているようです。
したがって、正確な平均坪単価は想像するしかないのですが
現在ではおおよそ坪単価400万円台の半ばくらいではないかと思われます。
 
販売開始時が300万円台の後半で、その時点で割高だったのを
ここ2、3年前に値上げした感じがしています。
 
不動産が底値と言われていた2002年から2004年頃の
この周辺の新築マンション相場は、240万~250万円が目安でした。
 
その頃と比べて、販売開始当時の景気はあまり変わらず、
個人所得はむしろ下がっていました。
それなのに、マンションだけが3~4割も高くなっていたのです。
 
こういった現象は当時としてもかなり特異に思えました。
今は大都市での局地バブルが浸透してきたので、当たり前のようになっていますが。
 
このマンションは、サンシャインシティの隣接エリアに立地しています。
サンシャインはこのマンションからの眺望を阻害しますが、
買い物や食事に便利なことは確かです。
 
ここからJRの「池袋」駅へも歩いて9分です。
サンシャイン60通りが順路ですので、歩いていて退屈することもないでしょう。
有楽町線の「東池袋」駅へなら徒歩2分です。
 
新築と中古が同時に売り出されているのも、ゴールドクレスト物件ならではといえます。
まあ、こういう新築時の不人気物件はそのイメージを多少は引きずります。
実は、今となってこのマンションの新築販売価格は、「すごく高い」から
「ちょっと高いかな」という程度まで市場が追い付きつつあります。
 
しかし、いったん世間から「売れ残り物件」というレッテルを貼られると、
その後も「高い」「ダメマンション」と見られてしまいます。
 
これは中古になった時も同じです、「あの売れなかったマンションね」という印象。
周りの仲介業者もそういう目で見るようになります。
自然、モチベーションが下がりますね。
だから、早く新築が完売してほしいマンションではあります。
 
このようにいろいろと言われているマンションではありますが、物件としてのポテンシャルは決して悪くないのです。
 
新築は目の玉が飛び出るような価格で売り出されていますが、
中古住戸は坪単価300万円台の半ばで選択肢があります。
無理に新築を選ばず、賢く中古の割安物件を待っていると、
それなりに上手な購入が可能になりそうです。
 
榊 淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『マンション格差』(講談社現代新書)など。
 

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