あの有名タワーマンションは、優良物件、それともダメ物件?不動産業界に精通した気鋭の住宅ジャーナリストが、東京都のタワーマンション3物件の資産価値を独自の視点で論じます。今回は「港区」の第3弾。マンション購入、売却のご参考になさってください。


 
港区マンション
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 

東京ツインパークス

 
売主/三菱地所他 JR山手線「浜松町」駅から徒歩9分
全1,000戸 2002年10月完成 地上47階・地下2階建
 

港区内で最も値上りしているマンションのひとつ

 
マンションを上手に購入するために最も大切なのはタイミング。
価格が安くなった時期に、クオリティの高い物件を購入できたら大成功です。
 
そのような意味で、16年ほど前にこのマンションを新築で購入した方々は、
かなり先見の明があったのではないかと思います。
 
このマンションができた場所には、かつてJRの汐留操車場がありました。
このように開発された時は「新橋の向こうの、汐留の先」という感覚。
ともかく、このあたりの山手線の外側には「人が住む」というイメージが薄かったのです。
 
このマンションも、建物が完成する前の段階で、
今のような姿を想像できた人がどれほどいたでしょうか。
 
しかも、このマンションが新築販売されていた時は、
マンション価格がちょうど底をはっていた時期と重なります。
新築販売時の平均坪単価は推定で310万円前後でした。
 
それが築15年となった現在、中古マンションとしての相場観は坪430万円前後になりました。
つまり、新築時の購入者は約15年を快適に暮らした上、
さらに1.4倍という含み益も得ているわけです。
 
場所は、山手線や東海道線、京浜東北線、新幹線など幾本も通るJRの線路と、
首都高速の中央環状1号線に挟まれたエリア。
現地に立ってみると、これが意外に静かで驚かされます。
 
また、建設当時の建築コストは今の約半分以下でした。
今のように資材費などを切り詰める必要がなかった時代なので、
外構なども良い素材がふんだんに使われ、上質感がたっぷりと醸し出しだされています。
 
新築時に比べて価格がここまで上昇したということは、
タイミングが良かったということが最大の理由ですが、あまつさえ
マンションとしての実力値が高いということの裏付けでもあります。
 
今後、マンション価格の下落期が訪れた場合、
このマンションの資産価値も当然に下がっていくでしょう。
しかし、新築時から紆余曲折を経ながらも15年かけて上がってきた価値が、
上昇以前に戻るまでには、さらに15年以上の時間が必要になることが予想できます。
 
あるいは、ヴィンテージとしての道を歩み続けるのであれば、
今のような高水準の評価を受ける時代が続くのかもしれません。
 

カテリーナ三田タワースイート

 
売主/日本ハウズイング JR山手線「田町」駅から徒歩4分
全752戸 2006年8月完成 地上36階・地下2階建
 

管理会社が開発したタワーマンション

 
新築時の売主企業は日本ハウズイング。独立系最大手の管理会社です。
はっきり言って、ここがマンション開発を行っているというイメージはありませんでした。
それが港区の芝で全752戸のタワーマンションを10年ほど前に開発していたのです。
今から考えれば、意外かもしれません。
 
立地はJR山手線の「田町」駅から徒歩4分。
また、都営三田線の「三田」駅からだと徒歩2分と、便利な場所には違いありません。
しかも、狭い公園を挟んだ線路沿いとはいえ「山手線の内側」に立地しています。
 
そして、このマンションの1階にはマルエツプチがあるので、
日常の食品購入には大変便利な環境だといえます。
こうした点は、このマンションの資産価値には大きなプラスポイントです
 
このようなマンションは、いざという時に賃貸に出したとしても
駅に近くて暮らしやすそうですから、短期間で借り手が見つかるでしょう。
中古として売却する場合でも、さほど時間がかからず買い手が見つかると思います。
そのような意味では、資産価値は安定しているマンションだと考えられます。
 
しかし、このマンションが落成したのは2006年8月。
あの不動産ミニバブルが盛り上がりを見せていた頃でした。
そして、事業計画が立案されたのはおそらく2年は遡って2004年以前ではないでしょうか。
 
マンション市場がまだ低迷期を脱しきっていない時期なので、
新築時の販売価格は低く抑えられたままでした。
 
仮に、現在このマンションが落成直前として新築販売されていたら、
平均坪単価は軽く400万円を超え、500万円に迫っている可能性もあります。
築11年として考えると、このマンションの中古相場は坪単価300万円台半ばです。
 
私はこのマンションが坪340万円ほどで買えるのであれば、全く悪くない選択だと思います。ただ、今の市場から考えたら、ということが前提になりますが。
 
マンションの南東側はJRの山手線、京浜東北線、東海道線などの線路です。
だから、住戸は北振りになっている物件も多いはずです。
しかし、タワーマンションの場合は北振りがハンディキャップになりません。
 
このマンションの場合は、やや割安になる北振り住戸を上手に選べば
今時の「掘り出し物件」として購入できるかもしれません。
 

パークコート赤坂ザ・タワー

 
売主/三井不動産レジデンシャル他  千代田線「赤坂」駅から徒歩8分
全518戸 2009年6月完成 地上43階・地下2階建
 

かつては高値挑戦で値引きまでしていたが……

 
世の中に「億ション」なるものが登場してもう何十年経つのでしょうか?
 
この「パークコート赤坂ザ・タワー」は桁がひとつ違ってかつては10億円のお部屋もありました。
ところが2010年頃、建物は完成したもののリーマンショック後の大不況によって
何十戸かの住戸が売れ残ってしまい、完成在庫としての販売が続いていました。
その当時で1億2,000万円から3億5,500万円でした。
 
今なら「そんなに高くないね」という感じですが、当時としてはバカ高です。
そのため、最大で2割くらいの値引き販売を行っていました。
それで何とか完売にこぎつけたようですね。
 
7年前にはあんなに「高い」と感じていた販売価格も、
今となっては「普通」もしくは「割安」に見えてしまいます。
しかも、中古マンションとしての相場観は新築時より1割強も上がっているのです。
単純に考えれば、7年前に2割引きで購入できた方は1.3倍に値上がりしていることになりますね。
 
しかし、今の中古マンション市場はかなり停滞気味です。
相場観通りで売却できるケースは稀になってきました。
また、そのような方が確実に利益を確定できるのかどうかまでは分かりません。
 
こちらのマンションは、立地面においてややハンディキャップがあります。
いい場所であることには違いないのですが、「超」が付くほどの一等地ではないのです。
「赤坂」、「赤坂見附」駅からも8~9分と決して近くはありません。
 
こちらに住んで地下鉄を利用される方は少ないかとは思いますが、
あの坂を毎日上り下りするのはかなりきついと思います。
(TBSにお勤めの方なら何とかガマンなさるのかもしれませんが)
 
なので、賃貸に出しても苦戦するのではないでしょうか。
アドレスのブランド力こそ一流ですが、駅からの遠さと、あの坂と
日常のお買い物の不便さを考えると、生活のリアリティを描きにくい物件といえるからです。
 
ただし、お隣の「赤坂ガーデンシティ」側以外の眺望は素晴らしいでしょう。
さらに、周辺の閑静な街並みは「赤坂の住宅地」らしいところ。
このような立地条件に惹かれる方にとっては魅力のある物件だと言えるでしょう。
 
榊 淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『マンション格差』(講談社現代新書)など。
 

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