大田区は、海に近い京浜東北線や京急線沿線と、やや標高が上がっていく西側の住宅地エリアに分かれます。区域は広いのですが、タワーマンションの所在は主に海岸側となります。
 
エリア的には大森や蒲田の周辺で、それほど物件数は多くありません。ただ、一定数の供給はあるため、中古市場はある程度成熟しています。

 
大田区のタワーマンション・不動産購入・売却
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 
 

【物件1】東京マスタープレイス

 
売主/大京・洋伸不動産 京浜急行本線「大森海岸」駅から徒歩5分
全434戸 2002年8月竣工 地上24階・地下1階建
 
 

築15年で新築時の価格に戻った

 
東京マスタープレイスは2002年の竣工です。首都圏では、新築マンションの売り出し価格が最も下がったのが2002年。このマンションは、その前年の2001年に販売開始されていますから、市場が底に向かう環境で募集が行われていたことになります。
 
特にずば抜けたスペックではありません。
 
京浜急行の「大森海岸」駅へ徒歩5分ですが、第一京浜国道を渡る必要があります。歩道橋や信号がありますので、実際には、駅まで5分ではアクセスできないかもしれません。
 
このマンション自体、敷地が第一京浜に接道しています。第一京浜側とは反対の東側には、平和島の競艇場があります。レースが行われる日には、それなりの騒音が聞こえてきそうです。そういった意味でも、環境を誇れるマンションとは言い難いところ。
 
しかし、このタワーマンションは434戸というスケール。建物が完成してから、15年が経過しました。中古市場では、比較的流通物件が多いマンションと認識されています。つまりは、常に売り出し物件があるので「買いやすい」状態なのです。
 
また、新築時の販売価格は平均坪単価にして170万円前後と推測できますが、現在の流通価格もそのあたりが目安です。
現在、同じ規模のマンションを同じエリアで開発分譲した場合、坪単価は300万円前後と想定できることを考えれば、
築15年とはいえ、いかにも、割安な印象を受けます。
 
第一京浜と競艇場というマイナス材料がある一方、平和の森公園や平和島公園も至近。JR「大森」駅へも徒歩12分というスペックを前向きに捉えるならば、それなりに魅力的な選択肢ともいえるでしょう。
 
 
 

【物件2】パークハウス多摩川南参番館

 
売主/三菱地所 東急多摩川線「鵜の木」駅から徒歩7分
全93戸 1993年2月竣工 地上23階・地下1階建
 
 

今でもそれなりの人気を維持

 
これは、三菱地所がまだ本体でマンションの開発事業をしていたころの代表作ともいうべきタワーマンションです。
 
「パークハウス多摩川」自体は北が壱番館から四番館、南が壱番館から五番館まであります。そのうち、タワーマンションはこの参番館だけ。93戸とタワーマンションとしては小ぶりなスケールですが、「パークハウス多摩川」全体では575戸という規模を誇ります。
 
すでに築24年になりましたが、それなりに人気があります。バブル景気のブランドイメージが、今でも好ましく影響していますね。新築販売時には、黒人のボーイが白人の客に給仕するビジュアルが話題に。アフリカの某大使館から「差別だ」という抗議を受け、急きょ取り下げたというエピソード付きです。
 
 
今でも人気が高いとはいえ、ヴィンテージ化はしていません。やはり、都下というロケーションが幸いしたからでしょうか。
今後は中古価格も下がって、買いやすくなりそうに思えます。安くなったからといっても、クオリティが落ちるというわけではないので、お買い得度が向上するマンションとも受け取れます。
 
新築時の分譲価格は不詳。坪単価にして200万円台後半だった記憶がありますが、定かではありません。分譲時は、まだまだ平成大バブルの余韻が残っていたころです。かなりの人気で、高値にもかかわらず、短期間で完売したように記憶しています。現在の流通価格は、坪単価200万円を切りました。
 
現在、この辺りのマンション市場の主役は、川向こうの武蔵小杉に移りました。「武蔵小杉」駅前の新築タワーマンションの販売価格は坪単価にして300万円台後半から400万円に迫ります。
 
一方、多摩川を越えて東京側に渡ったこのマンションは、その半額以下。
コストパフォーマンスを考えても、選択肢として大いに検討できると思います。
 
 
 

【物件3】プラウドシティ蒲田

 
売主/野村不動産、住友商事  京浜急行本線「京急蒲田」駅から徒歩1分
全320戸(事業協力者住戸159戸含む) 2015年12月完成 地上20階 ・地下1階建
 
 

駅徒歩1分の寸胴タワー

 
「20階以上」がタワーマンションであるとするならば、この物件はその要件をギリギリ満たしています。
 
しかも、このマンションは「京急蒲田」駅から徒歩1分。1分といっても、駅舎にくっついているような感じです。駅とはペデストリアンデッキで「直結」していますから、雨にも濡れません。良くも悪くも、このマンションの資産価値はそれに尽きます。
 
注意すべきはJRの「蒲田」ではなく、京急の「蒲田」である点。JRに比べれば、どうしてもその価値は一段下がるでしょう。「蒲田」と聞くと、イメージはJR「蒲田」駅西側のにぎわいのあるエリアを思い浮かべるでしょう。駅の東側は「裏手」といったイメージが拭えません。さらに京急になると、もっとマイナーな感じが漂います。
 
それでも、京浜急行の快特停車駅であることには違いありません。羽田空港まで直通で5分という、注目すべき利便性の良さは魅力です。
 
 
間取り 1DK ~ 4LDK
専有面積 38.25平方メートル ~ 101.50平方メートル
 
これは、販売時のオフィシャルページ概要に出ていた、全体の間取りと面積。コンパクトな広さから100平方メートル超えまでと、「ごった煮」の構成。建物の形状は寸胴的な四角形のようですから、北側にコンパクトを配したのでしょうか?
 
やや気になったのは、「(事業協力者住戸159戸含む)」という点。全320戸ですから、約半数の住戸が元の地権者のモノだと分かります。入居後の管理組合は、地権者側に完全支配されている可能性が……。
 
彼らは、再開発の計画が持ち上がったときから話し合いを重ねていて、ある程度の団結力を持っていますから、このマンションを新たに購入して移り住む新住民との間に溝ができている可能性もあります。
 

地下1階から3階は「あすとウィズ」という複合商業施設となっています食品スーパー「ライフ」の他、さまざまなお店が営業中で、かなり便利そうですね。住戸は4階以上の17階層分。どの辺りが地権者住戸になったのかは不明です。
 
 
このマンションが新築で売り出されたのは、2014年の後半でした。ちょうど日銀総裁の黒田氏が「異次元金融緩和」の第2弾、いわゆる「黒田バズーカ2」を発射したころでした。今の局地バブルに火がつこうとしていた時期だったのです。
 
私が記憶している新築の売り出し価格は、坪単価330万円。その直前に販売された立川駅前のタワーマンションと同レベルです。周辺エリアの築浅中古マンションは200万円前後が相場でしたから、普通に考えると「べらぼうな高さ」といえるレベル。
 
ところが、ふたを開けてみると短期間で完売してしまいました。販売は半年も続いていませんでしたね。
 
現状、京急蒲田は羽田空港への玄関口のような存在です。しかし、羽田空港へはJRの直接乗り入れも計画されているとか。
そうなると、京急蒲田は街そのものの魅力が問われます。そう考えた場合に、このマンションの将来性は微妙かもしれません。
 
 
現在、中古での流通価格は新築時とあまり変わらなくなってきています。今後もなだらかには下がっていきそうですが、そう大きく下がる場面はなさそうです。やはり「駅徒歩1分」、「ペデストリアンデッキで直結」は、資産価値に底堅さを与えてくれると考えられます。
 
しかし、このマンションの資産価値を中長期で見れば、「京急蒲田」駅周辺エリアの盛衰次第、ということになりそうです。
駅が廃れれば、このマンションの価値も下がります。
 
しかし、現況を見る限り、さほど暗い未来を思い描かなくてもよさそうです。
 
 
榊 淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『マンション格差』(講談社現代新書)など。
 

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