目黒区というと、いかにも高級なタワーマンションが多そうなエリアに聞こえますが、実際にはさほど多くありません。また誤解されがちですが、JR山手線の目黒駅自体は品川区にあります。
 
したがって2015年のマンション市場で名を馳せた「ブリリアタワーズ目黒」のアドレスは品川区上大崎3丁目です。目黒区でタワーマンションが多く供給されるのは、主に中目黒駅周辺、池尻大橋駅周辺、そして恵比寿駅近辺です。
 
今回は、この各エリアから1物件ずつを取り上げます。

 
目黒区のタワーマンション・不動産購入・売却
(写真はイメージです。本文の内容とは関係がありません。)
 
 
 

クロスエアタワー

 
売主/東京都、 東急不動産他 東急田園都市線 「池尻大橋」駅 徒歩5分
全689戸 42階建て 2012年12月完成
 
 

売主には「東京都」が入っていた

 

この物件は池尻大橋付近では最も新しく大規模なタワーマンションです。
「池尻大橋」から渋谷方面へ徒歩5分、246号沿いに誕生しました。
首都高がループになっているところの隣が敷地です。
 
同じ通り沿いで、もう少し駅に近い(2分)場所にプリズムタワーというマンションがあります。竣工は2009年の1月。あの当時の典型的なミニバブル物件で、2010年の半ばになってやっと完売していました。
 
プリズムタワーがスムーズに売れなかった原因は、やはり価格の高さ。当時の販売価格は平均坪単価で400万円を軽く超える水準でした。いくら駅徒歩2分と言っても、首都高の隣です。騒音の大きさは予想がつきますよね。ちょっと無理があったと思います。
 
なので最後は、相当の値引きをしていた模様で、実勢価格は300万円を切るところまで落ちていたようです。しかし、今は再び都心でバブル。現状の中古価格は当時の新築売り出し価格に迫っているかもしれません。
 
 
プリズムの場合、実質販売戸数は地権者住戸を除いて140戸程度でした。クロスエアタワーは全部で689戸。このうち一般販売住戸は490戸程度と、プリズムの4倍の規模です。
 
売主に東京都が入っていた関係か、公的施設との複合型になっています。9階には区立大橋図書館があります。本好きの方には自宅に大型書斎を持つようなものですから、かなり羨ましい「共用施設」です。区役所出張所があるのも、諸手続の際に便利です。このほか、1階には大型スーパーも入っています。
 
その他の「共用施設」で将来的に懸念されるものはありません。強いて言うのならフィットネスルームでしょうが、このスケールなら数年後の設備更新もなんとかなるでしょう。
 
 
間取りは「可もなく不可もなく」です。すごく工夫しているような跡は見られませんが、極端に住みにくいというほどでもありません。タワーマンションは一般に間取りデザインにあまり工夫が見られないのですが、ここは比較的マシかもしれません。タイプも30㎡台から160㎡台まで、全部で98パターンもありました。
 
このマンションの場合、住戸によってかなり居住条件が異なります。首都高ループ側の中層階以下は騒音や眺望の悪さでどうしても居住環境が悪くなるでしょう。坪単価は300万円切れもありました。実際のところ、全体の平均坪単価は320万円程度だったかと推測します。今は新築時よりも値上がりしている可能性が高いでしょう。
 
ただし、実力は坪単価300万円前後。条件の悪い住戸なら200万円台の半ばでしょうね。このバブルが終わると、そのあたりまで落ちそうです。
 
 
 

中目黒アトラスタワー

 
事業主/旭化成ホームズ 日比谷線「中目黒」駅 徒歩2分
全495戸 2009年10月竣工 地上45階建
 
 

新築時が異様に高値だったので・・・・

 

中目黒駅を出るとすぐに目に付く、文字通りのランドマークタワー。ちょっと丸みを帯びたような形状なので、なおさらよく目立っています。
 
このマンションについて何よりも強烈に残っている印象は、新築時の販売価格が「バカ高」だったこと。ただ、ミニバブルが真っ盛りの時期に販売していたので、それでも最終的には売れてしまいました。値引きがあったかどうかは不明。
 
ただし、旭化成ホームズに「値引きの常連」というイメージはありませんので、その可能性は低いでしょう。
 
 
このタワーマンションは、そもそも中目黒駅の駅前再開発(上目黒一丁目地区市街地再開発事業)の中心施設として計画されました。総戸数は495戸で、そのうち374戸が地権者取得住戸(都市再生機構取得部分196戸を含む)であったそうです。
 
1階から5階まではテナントビルとなっており、コンビニの セブン-イレブンやイタリアンファミレスのサイゼリヤ、みずほ銀行のほか、医院や薬局などが入居しています。共用施設はコンシェルジュサービス、ゲストルーム、パーティールーム、スカイラウンジと一般的なものです。
 
施工は鹿島建設、戸田建設、佐藤建設の共同企業体 (JV)でした。鹿島は数年前に港区の南青山高樹町のマンション建設で施行不良による建て替えを迫られましたが、基本的には施工精度には信頼が置けるゼネコンだと私は認識しています。他の2社が鹿島に比べればぐっと落ちるところがやや心配ですが。
 
 
このマンションの資産価値は盤石です。そのベースは「中目黒駅徒歩2分」という立地の良さ。売るにも貸すにも、かなり有利な物件であることは確かです。しかし、新築時の販売価格が前述の通り「バカ高」だったせいで、中古での流通価格は長らく新築時をかなり下回っていました。
 
ところが、ここ数年の局地バブルでみるみる回復。今や新築時に迫る勢いがあります。そういう意味では、購入のタイミングを間違えたくない物件ですね。
 
 
 

恵比寿ガーデンテラス壱番館

 
売主/サッポロビール 山手線「恵比寿」駅 徒歩9分
全290戸 1994年7月竣工 地上32階 地下4階建
 
 

もう竣工して23年も経ってしまった

 

ここには芸能人もたくさん住んでいると聞いたことがあります。今は芸能界から消えてしまった羽賀研二も一時期「3億円」の部屋に住んでいたとかいないとか。
 
このマンションはかなり人気が高いのですが、今後もそれが持続するかどうかは微妙です。
というのは、まずすでに築23年を迎えようとしていること。
 
 
今後、築30年や築40年を迎えると、恵比寿ガーデンプレイスが開業した時のあの高揚感が薄まります。中古マンションの購入を考えたり、賃貸用の住まいを探している人に対してのブランド訴求力が弱くなってしまうのです。
 
加えて、このマンションの交通スペックは「恵比寿駅徒歩9分」です。普通に考えると「徒歩9分」は遠くないのですが、山手線の内側のタワーマンションでは「5分以内」が当たり前みたいになってきています。仮に今購入して7年後に売却する場合、「駅徒歩9分、築30年・・・」というスペックがいかにも弱いですね。
 
 
さらに、このマンションにはもうひとつのハンディキャップがあります。それはこの恵比寿ガーデンテラス壱番館(地上32階、高さ107m)のまわりには、超高層のタワーマンションやホテルがあるということ。主な建物は、恵比寿ガーデンプレイスタワー(地上39階、高さ167m)、恵比寿ビュータワー(地上32階、高さ102m)、ウェスティンホテル東京(地上23階、高さ89.9m)などです。
 
まず、それらの建物の存在によって、このマンションからの眺望が阻まれている住戸が多くあるはずです。タワーマンションの最大のメリットは眺望と開放感。目の前に別のタワーがある住戸は、資産価値に脆弱性があります。
 

さらに言えば、それらのタワーが分譲マンションの場合は、この物件と競合関係になり得るということ。幸いなことに恵比寿ビュータワーはURの賃貸マンションなので、この物件と競合するのは恵比寿ガーデンプレイスタワーのみです。しかし、今後はどうなるか分かりません。
 
中古市場での人気は衰えていません。むしろ上昇気味ではないでしょうか。しかし、前述の様にいくつかのハンディキャップも潜んでいます。高く買ってしまっては数年後に後悔する可能性もあるマンションだということは申し上げておきます。
 
 
榊 淳司(住宅ジャーナリスト)
1962年、京都府出身。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる。一般の人々に分かりにくい業界内の情報や、マンション分譲事業の仕組み、現場担当者の心理構造などをブログ上で解説。近著に『マンション格差』(講談社現代新書)など。
 

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