仲介手数料が『無料もしくは割引』の【REDS】不動産流通システムの猿見田(さるみだ)と申します。
都市部(市街化区域内)の農地のことを生産緑地と言われておりますが、1992年に生産緑地として指定を受けた農地が、30年を経過する2022年に一斉に指定を解除されることによって、不動産市場の混乱、端的に言うと大量の農地が不動産市場に放出されて、土地や建物の価格が下落していしまうのではないか、という懸念が「2022年問題」と呼ばれておりました。
都市部の農地はどれくらい広さがあるの?
東京都生産緑地地区一覧(抜粋) 令和3年4月1日現在
区名 | 件数(件) | 面積(ha) |
世田谷区 |
492 | 83.87 |
杉並区 | 125 | 31.60 |
練馬区 | 642 | 175.54 |
足立区 | 193 | 29.48 |
葛飾区 | 186 | 25.15 |
江戸川区 | 262 | 35.21 |
上記も含めた東京都内の生産緑地の合計は、2972.37ha(ヘクタール)あるとのことです。
ha(ヘクタール)ってどんな単位?
ヘクタールって、なかなか想像しにくいですね。100メートル×100メートル、つまり1万平方メートルが、1ヘクタールとなります。
それでも、なかなかピンとはきませんね。
東京ドームが約4.7ヘクタールとの公式発表がございますので、その4分の1~5分の1の間か~、なんて思っても、やっぱりピントはこないものです。
土地30坪のカーポート付3LDKの一戸建て換算(道路などは含まず)ですと、約100戸分の広さとなります。
仮に、全戸専有面積70㎡で約142戸のマンションがあれば、それくらいの広さです。
「あー、あのマンション1棟くらいかー」なんて、それもなんか違いますね。
特定生産緑地制度
実は30年経過後も10年延長できる「特定生産緑地制度」が平成29年に創設されております。
その制度を生産緑地の所有者が利用せずに一気に不動産市場に土地が放出されるか、それとも、10年延長する所有者が多いかがポイントだったのではないかと思います。
2022年4月の国土交通省の調査によりますと、都市部の農地のうち、少なくとも7割程度が農地として存続する見通しであることがわかりました。
これで、市場に宅地が一気に流れることもなく、今のところは当初懸念されていた問題は起きていない様子です。