菅野です。
アメリカFRBはとうとうゼロ金利政策を解除しましたね。
それにともない、住宅ローン金利は30年固定で4.5%!まで上がったそうです。
一方、不動産バブルの懸念があり金融の引き締めを行った中国は、住宅ローン金利が下がっています。こちらは先月の記事ですが、
金利を引き下げて4.8%!!です。
日本はどうでしょう。今月のフラット35の金利が2か月連続で上がったとニュースになりました。
最頻金利が1.43%です。これは2000年台の銀行住宅ローン金利より低い値です。
こちらのSBIさんのサイト「イー・ローン」で1985年以降のローン金利の推移が確認できます。
日本だけがいまだに低金利なままなのは、日銀が「マイナス金利政策」を解除しないことが原因です。
今回のウクライナ侵攻の影響による原材料不足、それに伴う輸入原材料やエネルギーの価格高騰のあおりを受けて景気は悪化へと向かう様相です。
長く続いた日銀のマイナス金利政策ですが、景気の回復傾向はそこそこでしかなく、銀行の経営への圧迫だけが目に付きいろいろな弊害をおこしています。
銀行という業態は基本的には「金貸し」です。お金を貸してその利子で儲けているわけです。
その金利が低いということは貸出金額あたりの儲けが減るということで、たくさんのお金を貸していかなければ儲からないということになります。
そのため「貸出競争」が発生します。
(もちろん法律違反はダメですが)スルガ問題をはじめとするさまざまな金融機関の不正融資事件はこの異常な低金利が遠因であったといえるわけです。
そして「マイナス金利政策」とは、預金をすると利子をもらえるどころか、逆に払わないといけなくなる金利政策です。
預金するとお金が減っていくということになるため、それじゃ預金はやめようという方向に働きます。
そうすると現金が流通しやすくなる、という目論見なのですが、実際のところそうなっていないのです。
原材料や輸入製品の価格高騰は、物不足だけでなく円安も影響し非常に深刻です。
このさまざまな物の価格高騰により「コストプッシュ型インフレ」が起き、それが「スタグフレーション」へと変化していくのではないかと予想されています。
「コストプッシュ型インフレ」というのは、企業等のコストアップが原因のインフレのことで、対義語は「ディマンドプル型インフレ」で需要が増大することが原因のインフレを指します。
スタグフレーションというのは、インフレと不況が同時に起こる現象のことで、第一次オイルショックはこのスタグフレーション状態だったといわれています。
アメリカの場合、同じコストプッシュ型インフレでも人手不足による賃金上昇が原因のひとつのようです。
しかし日本は、大手企業が春闘満額回答などと報道されるも、庶民にはこの賃金上昇の風が吹いてきている様子は全く見えません。
賃金以外のコストアップが企業を苦しめ、それが逆に賃金を削る原因になってしまうと最悪です。
不況下に金利は上がりません。金利を政策で上げてしまうと、資金調達がしにくくなるため金詰りで倒産する企業が増えてしまいます。
かといって金利が低いままでは、円売りによる円安を一段と強め、輸入原材料やエネルギーはますます高くなってしまうでしょう。
八方ふさがりとも思える経済状況で、岸田政権は「新しい資本主義」をどう展開していくのでしょうか。
岸田総理の手腕が問われます。
この記事を執筆した
エージェントプロフィール
菅野 洋充
(宅建士・リフォームスタイリスト)
社会に必要とされ人に役立つ企業を目指します
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