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リチャード M.ナッシュRichard M. Nash

9月のアメリカ不動産市場スナップショット

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公開日:2021年11月1日

   全米リアルター協会(NAR)は米国における2021年9月の既存(一軒家、マンション等を含む中古)住宅物件販売関連の最新情報を10月21日に発表しました。これによりますと、季節調整済年率換算値ベースで販売戸数は8月に2か月ぶりに下落に転じましたが、9月の販売戸数は8月の588万戸に対して629万戸に達し、約7%の大幅増に逆転しました。但し、前年比でみると今回9月の販売戸数は昨年9月の644万戸と比べて2.3%低下し、需要が減速し始めていることが窺えます。

   9月末の在庫戸数は127万戸で、8月末の129万戸と比べ1.6%減少しました。前年同時期の146万戸と比較して13.0%減になり、前月同様二桁の落込みでした。先月は13.4%の低下でしたので歴史的に低迷している在庫水準の逼迫状況が継続していることは明白です。

   それを物語るように、物件が市場に売り出されると、9月も先月と同じく平均17日以内に買われてしまい、記録的な状況は続いています。昨年同時期は21日でしたので既存住宅物件に対する需要は現在も高水準にあることが分かります。当月は約86%の売物件が市場に出てから一か月以内に売れたとのことでした。

   この状況を反映して、既存住宅物件の中央値価格は、昨年9月の$311,500と比べて13.3%上昇し$352,800になりました。これは2012年3月以来115か月連続して上昇したことになり、記録がさらに更新されました。しかし、8月の前年比増加率は14.9%だったので、価格は高水準にあるものの、需給と供給のバランスは徐々で張りますが正常に向かっている可能性が高いです。

   30年住宅ローンの固定金利は9月に入り8月の2.84%から2.90%に微増しました。しかし、2%台の低金利環境が年末まで継続するかは不明です。因みに、2020年の一年通しての平均金利水準は3.11%でした。

   NARの首席エコノミストのローレンス・ユン氏によりますと、供給事情はこの数か月間多少改善し9月の販売戸数を押し上げたそうです。また、住宅ローン金利が今後更に上昇する前に住宅を購入したいと思う消費者からの需要も引き続き強いと推測するそうです。

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